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I. はじめに

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I. はじめに

 4月の初めに、銃剣道が学習指導要領に取り上げられたというニュースがあり、つぎつぎと歴史的事実の断片が思い出されました。

  1. 或る方がtwitter背景に使っていた「沖縄銃剣スト」の写真が*1、まさに銃剣道そのものだと気付き、 銃剣ストから、
  2. 10年以上前にweb提示版で討論した、中国南京での、日本軍兵士が写した公開処刑*2の写真を思い出し、 その刺突処刑から、
  3. フランキー堺さん主演のTVドラマ『私は貝になりたい』*3の冒頭シーンを思いだし、 『私は貝になりたい』から、
  4. ニューギニアでのオーストラリア兵処刑*4に、 そして、
  5. 『沖縄決戦』(八原博通 第32沖縄守備軍高級参謀 著)の、女スパイを竹槍で突き殺した、という記述*5を思いだしたのです。
 おそらく近代戦においては、銃剣が使われるのは戦闘の場ではなくて、民衆の鎮圧や非公式の処刑などでしょう。写真は残っていませんが、食糧補給が無く現地調達の日本軍が、中国農民から強奪する時にも、婦女子を脅してレイプするときにも、銃剣は使われています。この日本軍の戦争文化とはいったい何なのでしょうか?

 私が5番に関連する視覚情報を探してweb検索をしたところ、沖縄守備隊第32軍首里司令部壕の「説明板書き換え問題」を知りました。5年前に起きたことですが、私は福島での放射線被ばく問題に忙殺されて、今頃になって初めて知ったのです。

 幸いにも、その事件の手記出版物を教えてくださる方がいて、その書名から芋の蔓を手繰ると、目取真俊さんブログの、一群の「資料」エントリーが掘り出されました。(→VI-A海鳴り資料)

 そこには、首里司令部壕における「慰安婦」の存在と「住民虐殺」の、動かしがたい証拠となる文書情報があるのですが、「説明板書き換え問題」がたった一人の口述、それを撮影した動画によって引き金が引かれたことも知りました。

 それは、牛島満司令官に「側近看護婦」として仕えて、首里や摩文仁の地下司令部壕で働いていた辻遊廓の元芸妓、伊波苗子さん(証言時94歳、当時27歳か)の証言です。チャンネル桜が配信した動画です。

1【伊波苗子】元従軍看護婦の証言・第32軍司令部壕の真実[桜H23/11/28]
2【伊波苗子】生き証人が語る、第32軍司令部壕の真実[桜H24/3/1]
 2011年11月放映の1では、「辻遊廓の女性」を問題にしておらず、伊波苗子さんもあくまでも看護婦として紹介され、自分が辻遊廓出身者であることを明らかにしていません。それに対して、2012年3月放映の2では、「辻遊廓出身者は断じて慰安婦ではない」、と主張するために出自を明らかにし、辻遊廓を一番よく知っている人間として伊波さんは登場しています。

 なお、チャンネル桜側の補完資料としては、大高未貴「沖縄に『慰安婦』が飛び火!『32軍司令部』めぐる言論暴力の嘘」(『正論』2012年7月号)があります。

 わたしが動画を書き起こして何よりも驚いたことは、「虐殺はあった、でもそれは住民に対してではない、スパイに対してだ!」ということを、何の隠し立てもなく放言していることです。伊波苗子さんの証言は72年前の沖縄戦戦時下の精神状況の再現であり、チャンネル桜による放映は、その再来でした。 

 「美しい命(死)」と「不潔な命(死)」をいとも簡単に分けて、「大義」のためならば命をおろそかにしてかまわないという戦争の論理が、優しい人の心のなかにまで染み込んでいたのです。 

※1「沖縄銃剣スト」http://rca.open.ed.jp/history/story/epoch5/henkan_up/up11.html
※2南京での公開処刑http://www.geocities.jp/pipopipo555jp/143photos/num/n-012-3.htm
※3フランキー堺『私は貝になりたい』https://www.youtube.com/watch?v=3eoum9iEKEk
※4オーストラリア兵処刑https://www.awm.gov.au/collection/101099/
※5『沖縄決戦』(八原博通)の記述http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/be5a2d8980dd18a866d328a9ad16b985










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