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県「誤解招いた」 意見の調整は否定 朝日新聞福島版2012年10月04日

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県「誤解招いた」 意見の調整は否定 朝日新聞福島版2012年10月04日


 ●県民健康調査で事前に会合

 県民健康管理調査の検討委員会を、県が事前会合で意見を調整してから開いていた疑いが浮上した。県側は3日の県議会で「誤解を招いた」と陳謝しつつ、調整は否定。だが、「不安をあおる」などとして、情報開示や健康調査に県が消極的だった例は少なくない。

 「検討委の資料を説明するために開いたもので、調整した事実はない」。村田文雄副知事は3日の県議会で、小林昭一氏(自民)の質問に疑惑を否定した。一方で、「誤解を招いたことは遺憾。深くおわび申し上げる」とも述べた。

 検討委は、県民健康管理調査の手法や結果の分析について専門家の助言を受けるため、これまで8回開かれた。県によると、初回以外は内々に委員を集めて事前の会合を開いていた。

 県の佐々恵一・健康管理調査室長は「段取りを確認していただけで、秘密会という認識もない」と釈明する。ただ、9月の検討委でも、事前会合での委員の発言通り、調査で見つかった子どもの甲状腺がん患者と原発事故との因果関係を否定する結論を出していた。

 県民の健康に関する調査や情報公開に、県が「後ろ向き」と受け止められる事例はほかにもある。

 昨年5月には検討委の前身の会合で、放射線医学総合研究所(千葉市)が開発した、原発事故後の行動記録を住民が入力すると被曝(ひばく)線量が推計できるインターネット上のシステムについて、県が「不安をあおる」と反発。公開が見送られた。このシステムは、問診票の情報を県が入力し被曝線量を推計する形で現行の調査に組み込まれている。

 また、原発事故直後に県が「健康被害の心配はない」と発表するよう東京電力に要請したととれるやりとりが東電のテレビ会議映像に映っていた問題では、東電が社内調査の結果、「要請を受けた可能性が高い」と公表したが、県は「県の当事者が分からず、調査対象が絞れない」と調査を打ち切っている。

 今年6月には、事故直後に甲状腺の被曝調査をしていた弘前大(青森県)のチームが、県から「住民の不安をあおるのでやめてほしい」と要請され、調査を断念したことも発覚した。

 菅野裕之・県保健福祉部長はこうした県の姿勢について「特に発災直後は様々な団体が福島で活動して混乱したため、神経質にならざるを得なかった面はある」と説明。「情報を隠せる時代ではない。不信感を持つ人にも理解してもらえるよう、根気強く情報を発信していく」としている。


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