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安定ヨウ素剤予防服用の考え方・おわりに

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おわりに


本報告書では、原子力災害時における、放射性ヨウ素による甲状腺への内部被ばくを予防するための安定ヨウ素剤服用の必要性と有用性について、医学的見地から検討した。

過去の放射線被ばく事例や科学的文献を詳細に検討し、国際機関の指針等も参考にした。安定ヨウ素剤の予防的服用の妥当性については、服用による副作用や服用しないことによる甲状腺がんの発症などを考慮したリスク・ベネフィットバランスよりその基本的な考え方を示した。さらに、安定ヨウ素剤服用の措置については、新生児や乳幼児を最優先とすべきであるとの提言を取りまとめた。

本報告書では、安定ヨウ素剤予防服用に係る考え方についての基本的な枠組みを示したが、その内容を具体的に実効性のあるものとするためには、
  1. 自治体における各々の実情を踏まえた、安定ヨウ素剤予防服用に係る実効性の検討
  2. 安定ヨウ素剤予防服用ついての周辺住民等への情報提供
  3. 住民及び防災業務関係者にも理解しやすい具体的なマニュアルの作成
  4. 安定ヨウ素剤予防服用を、確実かつ安全に実施するための医療関係者用のマニュアルの作成
  5. 防災訓練における安定ヨウ素剤予防服用を想定した訓練の実施、及びその実効性の向上
  6. 新生児・乳幼児が服用可能である新たな剤型等のあり方の検討
等が、今後検討されることが必要である。

安定ヨウ素剤予防服用の審議より導き出された考え方は、原子力災害時のセイフティーネット構築の一助となるであろう。

実効性ある安定ヨウ素剤予防服用に係わる体制を構築するためには、関係者の継続した熱意と努力が必要である。


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