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自由質疑 豊田潤多郎(民主)

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自由質疑 豊田潤多郎(民主)




○豊田委員 民主党の豊田潤多郎でございます。

 武田参考人に二点、お伺いといいますかお聞きしたいと思うんです。

 実は私、今回の原発の、どうしてこういう事故になったか、また、その事故がどうしてこんなに拡大し収束しないのかということの基本的な部分は天災かもしれませんが、かなり人災の要素が大きくなってきているのではないかと思っています。

 その点で二つお聞きしたいんですけれども、第一に、初動の対応というのが大変ミスがあったのではないか。私は、ずばり、アメリカの言うこと、アメリカの意見や助言というものを素直に早く取り入れて対応していれば、かなり事態は収束に向かっていたのではないかという気がしています。

 実は、私は、スリーマイルの問題が起きたときに、役所に入って若かったんですが、ニューヨークの勤務でちょうどアメリカに行っておりまして、そのときにスリーマイルの問題が起きました。連日連夜、今の日本と同じような形で報道がなされていて、あれは最後はメルトダウンで、幸運にもおさまったということですけれども、しかも一基だけだったんですが、今回は四基が一度に起きているという大変悲惨な状況です。

 そのスリーマイルの経験と、かつ、核戦争に備えて放射能というものに対する大変な装備のあるアメリカの意見というのをどうして素直に政府が聞かなかったのか、そういう意味で人災ではないかというのが私の思いなんですが、先生の御意見というか感想があれば、お聞かせ願いたい。

 それから二番目は、三号機の問題なんです。いわゆるMOX燃料なんですが、これは先生が、一番怖いのは福島じゃなくて「もんじゅ」だと言われている。まさに、「もんじゅ」はプルサーマルのメッカみたいなものなんですけれども、私が聞きました情報によりますと、アメリカといえども、プルサーマル、いわゆるMOX燃料の扱いは余りノウハウがない。基本的に、これは全部フランスが一手販売でやっているということです。

 地震が起きて原発の事故が起きたときに、三号機の関係、プルサーマルの関係でフランスの技術者がちゃんと配備されていたんですけれども、事故直後にフランスが帰れということを言ってその技術者を引き揚げさせた。東電も政府も、MOX燃料が問題になったときの対応のノウハウ、マニュアルすらない。その中でこういう問題が起きてしまって、いわゆるブラックボックスになっているという状況なんですね。

 一番怖いのは、いろいろ硼素だとかセシウムがありますけれども、プルトニウムというのは最悪の放射性物質と言われているわけでして、これから三号機が恐らく、一号機は安定しているとかなんとか言っていますけれども、恐らく三号機はかなり悲惨なことにまたなるのではないかと……

○川内委員長 先生、質問をまとめてもらえますか、もう時間がないので。

○豊田委員 済みません。わかりました。

 ということで、二番目の問題は、プルトニウムの関係で三号機の対応、これについて先生はどういうふうな見解を持っておられるか。この二点です。

○武田参考人 今回は全く、初動は、国というのがないんじゃないかと思うような状態でしたね。

 御存じのとおり、原子力発電所の事故というのは、最初の一撃でほとんど九〇%の被曝が決まってしまう。きょう随分議論されていますけれども、内部被曝は、飛んできたものを呼吸すれば直ちに体の中に入ってしまうということで、私も自分で福島の原発の近くの人の内部被曝を計算してみましたけれども、大変な量の内部被曝であります。したがって、逃げるということ、マスクをするということ、そういった初動操作がほとんどなされなかったということで、はっきり言えば、日本には政府がなかったということは非常に明らかであるというふうに思います。

 これの根本原因は、私は長く、四十年ぐらい原子力の仕事をしてきましたけれども、徐々に徐々に原子力行政というのは甘くなって、保安院なんという、安全を管理するのか推進を管理するのかわからないようなものが次々とできて、データが出てこない。

 一方、魚の放射線の規制値がなかったことでわかるように、事故が起こらないから、事故が起こることを想定したことは考えるなということが長く続いたことによって、今回のように、飲み水も被曝も何ら防御することができないという状態で福島県の人が被害を受けたことは、原子力に携わる者としても非常に残念ですし、また申しわけないことをしたと私なんかは思っています。

 それから、三号機なんですけれども、プルトニウムの炉が始まる、やはりこれもウランと同じである、何にも変わりないということで、ほとんど検討がなされずにスタートした。

 それから、「もんじゅ」の件もそうですが、前に事故を起こして、配管がちょっと割れてどうなったということがほとんど思想的には改善されずにまた再開された。しかも、事故ということを表に出さないで処理されているというようなことで、やはりこれは早急に、我々が原子力発電所というものをもし動かすならば、事故に対して、はっきりとした指針とか技術的なもの、退避体制、それを整えなければ、私は、同じタイプの飛行機が一個墜落したわけですから、その原因を追求するまでほかの原発はとめて、安全なものから再スタートするということをしなければ、巨大技術の安全は保てないというふうに思っています。



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