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自由質疑 吉野正芳君(自民)

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自由質疑 吉野正芳君(自民)




○吉野委員 自由民主党の吉野正芳と申します。

 私のところです。福島県です。私の選挙区が第一原発のところです。

 それで、内部被曝と外部被曝なんです。私は、内部被曝の方が大変だと思っています。でも、今、世の中で出ているのは、二十ミリシーベルトがいいか、一ミリがいいか。外部被曝をきょうも議論されています。SPEEDI、三月十一日、事故の起こった十八時から一時間ごとに発表しています、予測図。どういう形で汚染されているか。三月二十三日に初めてプレス発表されました。内部被曝から発表されたんです。一番外側、汚染されていない、百ミリシーベルトです。これは、三月十二日から二十三日までの約十日間の累積で、一番外側が百ミリです。一番濃いところ、一万ミリシーベルトです。次に発表されたのが四月の十一日です。二回目です。これは何と外部被曝で発表しているんです。ここにごまかしがないかどうかなんです。

 そして、私は一番心配なのは、なぜきちんと内部被曝でやらないのか。今、外部被曝、外部被曝。この辺をちょっと先生方にお聞きしたいんですけれども、外部被曝もこれは大きな基準となろうかと思いますけれども、一番もっと大事な、そして長期に、もう体の中にあるわけですから、セシウム、三十年間も。これが常に三十年間出ているわけなので、内部被曝の線量がどう健康に悪影響を及ぼすのか、この辺のところをお聞きしたいと思います。

 そして、武田先生。私のところ、土壌汚染、本当に一センチ取ればいいんです。なぜ今取らないのかなんです。そして、それをどこに置くのか。津波被害、地震被害で瓦れき、私のところは仮置き場で一時ストップです。これをどこに持っていけばいいのか、この辺のところ。先ほど、燃えるものは焼却する。煙で放射性物質は取れると思います。焼却灰に濃縮されると思うんです。この濃縮された焼却灰の放射性物質をどうして取るのか、この点をお伺いしたいと思います。

 質問は、久住先生……

○川内委員長 内部被曝についてはどの先生にお聞きしますか。

○吉野委員 最後は久住先生で、あと矢ヶ崎先生と崎山先生、医学的な問題ですからお聞きしたいと思います。

○久住参考人 先生御指摘のあった内部被曝は非常に重要かと思います。ただ、いろいろなケースケースによって、内部被曝が非常に有意に考えられるときとそうでないときとございます。例えば学校の場合は、文部科学省の概算では、内部被曝の影響は外部被曝の二、三%であるというような、子供の普通の状況での計算をされております。私どもももちろん、それに対しまして、内部被曝も重要であるということを申し上げております。

 それは一つには、例えば東電で女性の従業員の方が随分内部被曝で線量を受けられていますが、これは、大勢の人がある一定の建物の中に出たり入ったり、洋服とか靴とかいろいろなところに放射線をつけて張りつく。それが空中を舞って、それを吸入することによってかなり線量が上がってしまうというようなことがございますので、例えば学校についても、子供たちがそういう状況になる可能性というのは体育館ではないか。体育館で子供たちがいろいろ運動するときに、そういう内部被曝の問題を最大限に考えておかないといけないのではないのでしょうかというようなことは、文部科学省に対して助言で申し上げております。

 ただ、実態的には、そのようなケースによって内部被曝がかなり重要な線量になることがございますけれども、今考えております中では、矢ヶ崎先生は大分強く、非常に重要であるとおっしゃっておりますけれども、現在の生活の中では、内部被曝の線量というのは比較的低く保てるのではないかなと思っております。

 ただ、内部被曝、外部被曝の問題は、一つには、まず外部被曝というのは、どのぐらいの線量かというのを知ることが非常にたやすいといいますか割にわかりやすい。内部被曝は、どの程度かというのを知るのに、いろいろ計算等々ございますので、若干時間、日にちがかかります。

 それで、とにかく緊急時に判断するときには、まず外部被曝で判断して、その後、内部被曝の状況が非常に大きくきいてくるということであれば内部被曝で再検討しましょうというような考えに国際的にはなっているかと思いますので、私どももそれに従って助言をさせていただいているということでございます。

○川内委員長 続いて、矢ヶ崎先生。

 たくさん質問をしたい先生方がいらっしゃいますので、参考人の先生方も簡潔、端的にお願いします。

○矢ヶ崎参考人 簡潔にしたいと願っておりますが、済みません。

 先ほどグラフでお見せしましたチェルノブイリ周辺の子供の甲状腺の疾患など、これは完璧に内部被曝によります。外部被曝に比べて、内部被曝は二、三%しかない、そういうことを言われていますが、実態は研究されていない。これがそういう言葉になってしまっているというところが実態だと思います。

 例えば、沃素が、外部被曝としてカウントされるときには、ちょっとエネルギーの単位が入りますが、ガンマ線〇・三六一メガエレクトロンボルト、これが内部被曝で、沃素が体の中に入ったときに、沃素がベータ線を出して、同時にガンマ線を出して、キセノンに変わる。キセノンというのが安定化するためにガンマ線を出すという、この三つが内部被曝では完璧にかぶさってきます。沃素一本の、一個の被曝にしても、外部被曝の四・五倍、エネルギーがここに費やされてしまうんです。

 ホール・ボディー・カウンターだなんということで、内部被曝がわかるというふうに言っておりますが、これもガンマ線だけで測定しているということで、内部でベータ線が出てアルファ線が出る、一切カウントできません。そういう意味で、ホール・ボディー・カウンターは、測定上、それがひどい値があっても、実態の数十分の一しか見ていない実態があります。

○崎山参考人 内部被曝の場合の問題は食物とか飲料水だと思うんですが、食べている、口にするものがすべて、線量というか放射能の量がわかっているわけではないということですね。知らないで食べてしまうということが一番問題で、外部被曝の場合は線量計で線量がわかりますね。そういう意味で、内部被曝というのは、かなり、農産物とか畜産物、それから魚、水産物の汚染問題と絡んできて、そういう産業とも絡んでくるので、ちゃんとした、線量をはかるというシステムをきちっとしていないとわからないということがあると思うんです。

 汚染地区で、自家製につくったものを食べているという場合ですと、外部被曝よりも内部被曝の方が多くなる可能性はあるわけです。ただ、その線量というのがわからないというのが一番問題で、ホール・ボディー・カウンターでやっても、今おっしゃったように、なかなかベータ線なんかははかれませんので、そういう意味では非常に問題であると思います。問題であるというのは、線量がわからないということもあると思います。

○武田参考人 私が決断をできて、装置をつくれる立場にあれば、事故直後は別にして、四月の上旬には、まず第一に放射線で汚れたものを蒸留する蒸留装置を発注します。濃縮されたものが減容されましてドラム缶に詰まりますから、それをとりあえずしまっておく仮の貯蔵所をつくります。さらに、各所から集まってくる土壌を洗浄する装置をつくります。洗浄した汚水がありますから、その汚水を蒸留して除くことができますから、その装置をつくります。

 それからさらに、樹木もしくは野菜ですね。大変に悲しいことを言わなきゃいけませんが、福島でとれる野菜は汚染されたものが出てくるわけであります。福島の現在の汚染された地域でとれる野菜とか農作物で汚染されていないものをとるということは不可能でありますので、それを認めて、買い上げて、焼却をして、そこからの放射性物質を回収する。とりあえず、洗浄装置、蒸留装置、焼却装置、それに回収装置をつけたものを、直ちに私だったらつくります。

 それは、放射線がこれだけ大量に何京ベクレル出たということは、同時に、それを除去することを実施しなければ、全く手も足も出ないわけであります。

 それから、これを言いますと政治的には問題だろうと思いますが、私は政治家でないので十分に言わせていただきますと、既に青森には放射性物質を処理する大きな装置があります。それを折衝して、同じく原子力発電所から出てくる廃棄物も、それから不幸にして今度漏れた廃棄物も科学的には同じものでありますから、それを日本全体としてどのように処理するかということを決めなければいけないと思います。また、青森県の鰺ケ沢町のように、みずから放射性廃棄物を引き取るというふうに手を挙げているところもあるわけですから、これは震災前でありますが、したがって、そういうところとの折衝も開始して、福島県を汚したものをできるだけ早く影響のないところに格納していくということをとにかく早くやっていく。工学的にも技術的にも必ずできるものでありますので、実施すべきだと思います。



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