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自由質疑 小川淳也君(民主)

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自由質疑 小川淳也君(民主)





○小川委員 民主党の小川淳也と申します。

 参考人の先生方、きょうはありがとうございます。

 まず、久住先生にお尋ねいたします。

 いただいた資料の十一ページで、今後の適切な防護の担保について、「環境、健康、社会、経済、政治、倫理等に配慮した判断を行う」という記述がございますが、なぜこれは環境、健康への配慮を第一にというふうにならなかったのか、政治に配慮するとはどういうことなのか。

 そして、精神的な意味で二十ミリシーベルトをよしとしていない、精神は込めていますというお話をきょういただきました。本来御議論をいただきたいのは精神論ではなく政策論でありまして、二十ミリシーベルトをよしとしていないのであれば、いつまでにどの程度に下げるべきだというのがまさに具体の政策論であります。この点についての御見解を具体的にお聞かせいただきたい。

 そして、武田先生、工学博士ですのでちょっと具体的にお聞きしたいんですが、今なお水路をもって冷却に努めようとしているこの方針は、冷やす、とめる、閉じ込めるですか、有効なのか、それとも別に方法があるのか、あり得るのか、この点の御見識をお聞きしたいと思います。

○久住参考人 御説明いたしました十一枚目のスライドでございますけれども、恐れ入りますが、その前の十枚目のスライドに、七行目ぐらいに書いておりますが、原子力安全委員会は、今後とも必要に応じ、政府の原子力対策本部等々による総合的な判断に資するためと書いてございまして、私どもは、放射線防護の立場で助言をさせていただきますということをまず申し上げております。

 それで、環境、健康、社会、経済云々のどれが優先してということではございませんで、並べる順番が適切であるかどうかというのは議論がございますけれども、これは順番がどうこうということではございませんで、総合的に放射線防護の立場では助言をさせていただきますが、実態は、例えば先ほど来お話がございます学校の状況につきましても、私どもは、福島県のどの地域にどのぐらいの学校があって、お子さんがどれぐらいいらっしゃるというような実態を承知しているわけではございません。それは所掌される省庁が把握されていらっしゃるわけですから、放射線防護からはこのように考えますが、環境の問題、健康の問題等々、いろいろな問題に配慮して総合的な判断をお願いしたいということを申し上げているところでございます。

 それからもう一点、二十ミリを精神的によしとしたということでございましたが、今、非常に残念ながら、日本の、特に福島県においては、年間一ミリシーベルト以下で維持できるところが非常に少なくなっているというのが実態かと思います。

 そのような中で、では、子供たちを学校へ、学校を閉鎖して教育をしないのか、あるいは疎開をさせるのか云々かんぬん、いろいろな取捨選択があろうかと思いますが、二十ミリをよしとしたということではなくて、一から二十ミリの参考レベルで学校を開きたいという文部科学省の御意見でございましたので、先ほど来申しましたように、実態上二十ミリといえども、現状のモニタリングデータを見ますと、セシウムと沃素のバランスあるいは校内と校外の状況を考えますと、二分の一なり十分の一なりに下げることができるということであれば、短期間に限って、一から二十というバンドの参考レベルの中で学校を開かれることは差し支えないと思います。

 ただ、その参考レベルのバンドの意味は、先ほど申しましたように、必ず最大の努力をして年間一ミリシーベルトに近づけるということが原則でございます。これはALARAの精神というか原則でございますので、それを含んだものです。それをもって配慮していただきたい、総合的に判断していただきたいということでございます。

○武田参考人 ああいう巨大な原子力発電所は巨大戦艦みたいなもので、いろいろな小さなアイデアがあっても、沈没していくときはもう仕方がないんですね。ですから、その意味で、水をかけていくのが最適であるかどうかということはいろいろ細かい異論はあるんですね。水は入れない方が、中性子を吸収しないから、再臨界が起こらないからいいとか、液体窒素を使った方がさらにいいんじゃないかと。私は、しかし、総合的に考えて、このまま少しずつおさめていくというのが最善ではないかと思います。

 それよりか、今一番問題なのは、もう福島原発は別にどうということはないので、福島原発がおさまるまでほかの作業は進めない、まず原発がおさまるのを待とうというような見解がありますが、工学的に言って、原発が最終的におさまるのは約十五年かかりますから、したがって、原発とはもう切り離して福島のために次の活動をしなければいけない、そこが非常に重要ではないかというふうに思います。


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