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3-2 地域の範囲の選定

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「原子力施設等の防災対策について」原子力安全委員会
第3章 防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲

3-2 地域の範囲の選定


  • (引用者注)EPZ:防災対策を重点的に充実すべき地域 Emergency Planning Zone

EPZのめやすは、原子力施設において十分な安全対策がなされているにもかかわらず、あえて技術的に起こり得ないような事態までを仮定し、十分な余裕を持って原子力施設からの距離を定めたものである。具体的には、施設の安全審査において現実には起こり得ないとされる仮想事故等の際の放出量を相当程度上回る放射性物質の量が放出されても、この範囲の外側では屋内退避や避難等の防護措置は必要がないこと等を確認し、また過去の重大な事故、例えば我が国のJCO事故や米国のTMI原子力発電所事故との関係も検討を行った。この結果、EPZのめやすとして、表1に示す各原子力事業所の種類に応じた距離を用いることを提案する。

EPZのめやすについての技術的側面からの検討内容を、付属資料4に示す。なお、このめやすは、原子力施設の特性を踏まえて類型化し、余裕を持って設定したものであるが、特徴ある施設条件等を有するものについては、必要に応じ、当委員会において個別に評価し、提案することとする。


表1 各原子力施設の種類ごとのEPZのめやす
施設の種類 EPZのめやすの距離(半径)
原子力発電所、研究開発段階にある原子炉施設及び50MWより大きい試験研究の用に供する原子炉施設 約8~10km
再処理施設 約5km
試験研究の用に供する原子炉施設(50MW以下) 熱出力≦1kW 約50m
1kW< 〃 ≦100kW 約100m
100kW< 〃 ≦ 10MW 約500m
10MW< 〃 ≦ 50MW 約1500m
特殊な施設条件等を有する施設 個別に決定(※1)
加工施設及び臨界量以上の核燃料物質を使用する使用施設 核燃料物質(質量管理、形状管理、幾何学的安全配置等による厳格な臨界防止策が講じられている状態で、静的に貯蔵されているものを除く。)を臨界量(※2)以上使用する施設であって、以下のいずれかの状況に該当するもの
・不定形状(溶液状、粉末状、気体状)、不定性状(物理的・化学的工程)で取り扱う施設
・濃縮度5%以上のウランを取り扱う施設
・プルトニウムを取り扱う施設
約500m
それ以外の施設 約50m
廃棄物埋設施設及び廃棄物管理施設 約50m
※1:特殊な施設条件等を有する施設及びそのEPZのめやすの距離
  • 日本原子力研究開発機構JRR-4 約1000m
  • 日本原子力研究開発機構HTTR 約200m
  • 日本原子力研究開発機構FCA 約150m
  • 東芝NCA 約100m
※2:臨界量は、水反射体付き均一UO2F2 又は Pu(NO3)4水溶液の最小推定臨界下限値から導出された量を用いる。
  • ウラン(濃縮度5%以上) 700g-234
  • ウラン(濃縮度5%未満) 1200g-235
  • プルトニウム 450g-239Pu


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