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平和への結集ブログ「私の発言 弁護士 河内謙策」posted on 5月 28th, 2006

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平和への結集ブログ

「私の発言 弁護士 河内謙策」

posted on 5月 28th, 2006

河内謙策と申します。私は、5月21日に行われた自由法曹団の5月集会で、以下のとおり発言しましたので、皆様の参考になれば、と思い送信させていただきます。皆様の親しい方への転送・転載は自由です。

河内謙策


東京支部の河内です。私は、統一戦線運動と団の役割、という点について、問題提起をさせていただきたいと思います。私の発言を正確なものにするために発言原稿を作成してきましたので、それを読ませていただきたいと思います。

国内外の現在の情勢が、きわめて深刻なものであることについては、割愛させていただきます。私が言いたいのは、それを根本的に打破するには、広範な統一戦線を結成して、平和や自由・民主主義を求めるエネルギーを総結集する以外にない、ということです。

広範な統一戦線の結成は、時代の流れ、ということができると思います。21世紀になって、急に、様様な国において、様様な運動において、統一戦線が話題になってきました。ごく最近でも、世界社会フォーラム運動はもちろんのこと、昨年のドイツにおける総選挙での左翼党の前進や今年に入ってからのイタリアの「オリーブの木」の勝利、フランスのCPE反対運動でも様々な傾向の組合などが打って一丸となっている様子が日本のテレビでも報道されました。日本国内に目を転じてみても、同様です。沖縄の名護市長選挙の敗北と沖縄市長選挙の勝利は、鮮やかに平和統一の意味を浮き彫りにさせてくれました。私が最近感激したのは、JR採用差別事件の勝利的解決をめざす4.4集会でした。この集会自体は、学者・文化人等36人の呼びかけによるものでしたが、そこでは、国労、全動労、動労千葉がガッチリとスクラムを組んでいました。昔は、動労千葉との連帯、というと、“中核を認めるのか”と言われたもので、関係者のご努力を思い、感無量でした。

憲法改悪反対運動の勝利をどうやって実現するか、という点から考えると、今、4つの統一戦線を結成することが求められているとおもいます。憲法改悪反対の国際的な統一戦線、国内における憲法改悪に反対し、憲法を活かすための大衆的な運動のレベルにおける統一戦線、国会における平和政党を支える統一戦線、地方のレベルにおける改憲の先取り的な動きに反対し憲法を活かすための統一戦線、の4つです。

この4つの統一戦線のうち、私が今日問題提起したい中心は国会における平和政党を支える統一戦線です。これは、もっと端的な形で言えば、当面、広範な平和勢力の統一の力で、憲法9条を守る議員もっと当選させること、参議院または衆議院の議員の三分の一以上を占めるようにすることだと思います。私は、このことの重要性を考え、昨年末から始まった“「平和への結集」をめざす市民の風”の運動に参加しています。同運動は来年の参議院選挙での平和共同候補・平和共同リストを求める運動を展開しています。念のために言えば、この運動は平和政党に共同候補を求める運動で、自分たちが立候補する運動ではありません。現在、400名をこえる賛同者が結集しています。本集会の資料の袋の中に、同運動の資料や呼びかけ人・賛同人一覧を入れさせていただきましたので、御覧になってください。

この運動に参加して一番感じるのは、平和共同候補を求める声が国民の間に如何に強いか、ということです。ごく最近到着した手紙を読んでみます。

「美しい初夏の候ですがご精励のことと存じます。 さて、突然お手紙を差し上げまして、失礼いたします。私は現在62歳で、私立高校の教員をしている者です。この度、世界5月号に発表されました声明を読みました。趣旨に全く同感です。60年安保よりこの数十年間、日本の革新勢力がまとまって協力体制ができることを遥かに期待して来ましたが、残念ながら、その様にはなりません
でした。


私自身殆ど無力で、何ら積極的に動くこともできませんでした。もし革新勢力がこの方向でまとまり、協力体制ができるなら、現在の絶望的な状況を変える希望が生まれます。[以下、略]」

平和共同候補の必要性はわかるが、国政選挙は憲法9条だけでないから条件がない、という意見も聞きます。しかし、では何故2004年に糸数選挙で共闘が実現したのでしょうか。また、実際の選挙の政策という点でいけば、あまり細かい点まで政策の一致を求めるのは妥当でない、と思います(去年の総選挙では、郵政民営化、のシングル・イッシューが争点になりました。)中国共産党と中国国民党の合作は、その直前まで、国民党が共産党員を殺している事態の下でも実現しました。日本の支配層は、来年の参院選挙で憲法の争点を隠し、あたらしい参議院・衆議院の下で、超党派で憲法改正案を作り、国会の名の下で、これを国民に押し付けようとしているのです。そのような重大な事態だからこそ、単に条件が無いのでは、済まされないのです。

また、平和共同候補の必要性はわかるが、政党の状況をみると実現が困難だ、という意見もよく聞きます。たしかに、困難でしょう。それは、日本の平和政党に根強い自政党第1主義があるからです。私は、これを克服するのは、政党自身の努力では限界があると思います。また、昔のように、少数の顔のきく知識人が間に立って話をまとめるのも困難と思います。広範な市民が間に立って調整役・接着剤になるしかない、と思います。それは、市民が政党に指図するものだ、という意見も聞きますが、そのような意見に基づけば、市民が政党を批判することができなくなります。市民と政党の間を、形式的・概念的に区分するのでなく、市民と政党が相互に交流する中で、相互に成長していく関係が求められていると思います。

私は、市民が政党間の調整役・接着剤になっていくうえで、自由法曹団の果たす役割が非常に大きいと思っています。しかし、現実には、そうなっていません。むしろ、“自由法曹団は口だけだ”“自由法曹団は、本当は平和の統一をのぞんでいないんだ”“自由法曹団は共産党の直属部隊じゃないか”という悪い噂が一部で一人歩きをしています。これは悲しいことです。私は、自由法曹団は、平和の統一のためのコーディネーターでなければならない、と思っています。そのためには広範な平和勢力から信頼されることが前提です。どのような政党に対しても、モノをいうべきときにはモノをいう。それでこそ、広範な平和勢力に信頼されるのです。自由法曹団は、そういう団体だったのではないでしょうか。

私は、自由法曹団員で、かつ、共産党員の人、社民党員の人、新社会党員の人、緑のテーブルの人に言いたいのです。本当に重要な問題については、政党の決定に基づいて考えるのでなしに、1人の法律家として、1人の人間として考えて行動してほしい、と。そうでなければ、自由法曹団は、自由法曹団でなくなるでしょう、と。

時間がないので、以上で触れられなかった点は、特別報告集86頁以下の私の原稿や、資料袋の中に入っている7.7シンポジウム関係のビラ等を読んでください。

最後に、私達が、歴史に対する責任を自覚し、全力を挙げて広範な統一戦線結成の道を歩むことを訴えて発言を終わらせていただきたい、と思います。

以 上


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