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尖閣事件船長釈放の驚きの真相

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尖閣事件船長釈放の驚きの真相

官邸と検察の間で一体何が?水面下の緊迫の攻防を青山がズバリ!
9/29放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid889.html

 検察の間では、大林検事総長を除き、「船長釈放は許せない」という声が渦巻いているそうです。
 もちろん船長釈放を主導したのは官邸で、「ニューヨークにいる間に解決してくれ」と菅首相から伝えられた仙谷官房長官は、柳田法務大臣を呼び、「このままでは指揮権を発動せざるを得なくなる可能性もあるが、それでいいのか?」。
 また、28日あたりから中国が急に「軟化」した理由とは?

 コーナー本編は間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。

 画像はテレビ画面からデジカメで撮影しました。
 ※実は今週はYouTubeに動画を見つけることができましたが。が、当方が使用しているMacOS9では基本的にYouTubeは視聴できないため裏技を使って見るしかなく、それも画面が大変小さく表示され、従ってキャプチャ画像も大変粗くなり細かな文字が判読できないため、あえてデジカメ画像をUPさせていただきました。ご了承下さい。


 内容紹介ここから____________________________

■尖閣諸島漁船衝突事件 中国外務省報道官、日本との関係改善を模索する姿勢示す(FNN9/28)
■中国レアアース輸出手続き停止問題 通関手続きの一部が再開か(FNN9/29)
■中国レアアース輸出手続き停止問題 大畠経産相、補正予算で備蓄要求する考え(FNN9/29)
■中国漁船衝突事件受け、国家主権について考える超党派議員連盟発足のための準備会合へ(FNN9/29)

山本浩之
「ま、ここへ来て、態度に、姿勢に、変化が出てきた中国なんですけれども、これについては青山さん、どういうふうにご覧になりますか」

青山繁晴
「これは、日本が船長釈放したから、軟化してきたっていうふうに、受け止めてはいけないと思ってます。これはあの、アメリカはですね、あの、日米安保条約第5条、つまり、日本の統治下にある地域に、危機があったら、もし日本の要請があったらアメリカ軍も動きますよっていう、ま、趣旨なんですけど、尖閣諸島はそれに含まれますということ言いましたね。で、それプラス、でも、日本は早期に解決しなさいよと、してくれよということを、ま、言ったんですね。これ実は中国に対しても言ってるんですよ。ええ。だから、日本が船長釈放したから中国は態度を軟化させてきたように見えるんじゃなくて、その、アメリカにそろそろいい顔しないと、今の現状では、アメリカ軍が本気になったら中国は全く対抗できませんし、それから中国は、ま、だんだん世界の孤児になりつつあって、その、中国も要するに世界経済の中で生きてるだけですから、一人では生きられないから、日本に対してじゃなくて、その、アメリカと世界全体に対して、軟化させ始めたんだと、船長釈放のおかげじゃないという現実を僕らしっかり見る必要があると思いますね」

山本浩之
「なるほど。えー、緊張する日中関係なんですけれども、もちろん今日の青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーでは、詳しくこの問題について解説をしていただきたいというふうに思います」

青山繁晴
「はい。ま、あの、今日は、最初、実はちょっと僕、胸がえぐられる思いなんですけれども、あの、わずか1週間前なんで、あの、このスタジオにいるスタッフも、それから視聴者の方もちろん、ご記憶の通り、僕は先週のこのコーナーで、もしもこの船長を起訴できないようなことがあったら、日本の民主主義は死に瀕しますと、いうことをあえて申したわけですけど、ま、正直その時、まさかこういう処分保留のまま釈放ってことは僕も想像もしなかったんです。で、その、わずかあとの先週金曜日に、えー、船長の釈放ってことが起きてしまいまして、わずかそれから、まだ1週間経ってないわけですけど、何かこう、この国、あるいは世の中が変わってしまったような感じするぐらい、その、大きな衝撃だったですよね。で、こういう時にこそやっぱり僕ら大事なのは、主権者として大事なのは、その事実を、フェアな事実をあくまで踏まえるってことなんで、今日はその、事実は何だったかっていうことを、一番その、軸にしたいんです。で、その上で今日のキーワードはこれです(フリップ出す)」



山本浩之
「『中国の誤算』」

青山繁晴
「はい。これずっと、もうとにかく日本は負けたんだと、中国にやられてしまったという、この世の中の雰囲気になってるし、中国自身も勝った勝ったと今まで言ってるんですが、いや、それだけですか、実は中国も大きな誤算を犯していますよというお話も、えー、一緒にやりたいと思います」

山本浩之
「はい。えー、ではコマーシャルを挟んで青山さんの解説です」

(いったんCM)

山本浩之
「尖閣諸島沖で発生した中国漁船の衝突事件。船長釈放に至るまで、一体何があったのか。まずはそこからお願いしたいと思います。よろしくお願いします」



青山繁晴
「はい。ここにまあ、日本で犯罪を犯したままの、この船長がVサイン出してる写真があって、皆さんカーッと来るでしょうけど、カーッと来るよりも、やっぱりほんとは何があったのかを、僕らはこの国の主人公として、主権者として、ほんとに知ることが今、一番大事だと思います。その上で、一番最初に皆さんに知っていただきたい、報道されざる事実をまず申しますと、実は検察の中で、この船長の釈放に賛成の人っていうのは、僕が知る限りは、僕が知る限りは、一人しかいないんですよ」

村西利恵
「一人?」

青山繁晴
「全検察の中で。ま、もちろん僕は全検事に会ったわけじゃありませんよ。あるいは副検事も含めて会ったわけじゃないけど、少なくとも首脳陣、幹部と言われる中で、賛成という人は一人しかいない。それ誰かというと、岡安ちゃん、誰ですか?」

岡安譲
「えー?!それは長官ですか?」

青山繁晴
「はい。久しぶりに来ましたが、えー、検察には長官て人はいなくて、でも言いたいことは分かる。トップ、つまり、検事総長ですね。大林宏さんて検事総長、は、えー、この決断を下したから賛成なんですけれども、実はそのすぐ下から、ずーっと下に、若手検事に至るまでですね、これ許せないっていう声が、検察の中に実は渦巻いてるわけですよ。表に出てきてませんけれども」

村西利恵
「出てきてませんね」

青山繁晴
「はい。従って、その僕の取材の手がかり、きっかけの一つは、その、検察の中の、良心にかけて、本当のことを明らかにしたいっていう人々です。一人ではありません。で、さらにどれだけだとあの、一方通行になりますから、実は現職閣僚も含めて、僕なりの確認作業をいたしました。それを踏まえて、えー、しっかり見ていただきたいと思うんですが、まず今までの事実経過を見ましょう」



村西利恵
「船長の拘置の延長が決定した19日から、釈放が決まった24日までの動きです」

青山繁晴
「はい。これ皆さん、これあえてこの前(19日より前)が抜いてありますよね。つまりご記憶の通り、9月の8日にこの船長を逮捕いたしました。で、それがどうして抜けてるかというとですよ、つまり、9月8日からこの最初の拘置期限が切れるまでの(19日までの)、この間と、それからあとが、全然、世界が違ってしまったということなんですよね。で、実は、この、日本が、えー、日本ていうか日本の、司法が、拘置延長を決めるまでは、明らかに中国は、もうこの拘置延長なくて釈放されると思ってたわけです。で、それは、この船長のところに、実は毎日、えー、中国の大使館員と領事館員がやってきて、えー、いろんな相談をしてたと。例えば、その、弁護士もお断りする、それから全面否認をするってことをやってたわけですね。だからあの、日本人が、ま、捕まってる4人の日本人の方々が、やっと領事と2回目に会えるっていうのは、そういう意味からも極めてバランスを失しているわけですけれども。話戻しますとね、その、日本はその様子を見てて、要するにあくまで否認をしてですよ、この船長が、そして弁護士もつけないんだったら、まず略式起訴ってのはできないんですよ。略式起訴って基本的には本人が容疑を認めた上で略式になるわけですからね。すると、起訴か不起訴しかないわけですけど、その不起訴っていうことは、あの、ここにちょっとだけ写真載ってますけど、前原外務大臣が言ってる通り、ビデオ観れば一目瞭然で、意図的にぶつけてきたわけですから、不起訴はないという判断に至って、すなわちこの時点では何のために拘置延長したかというと、えー、皆さん、出してくれますか、はい」



村西利恵
「この19日の拘置延長が決まった段階で、那覇地検と福岡高検の判断で『正式起訴』を決めていた」

青山繁晴
「はい。皆さんこれ、あれっと思われる人いらっしゃるでしょう?つまりずっとこのあとの24日、釈放決定したのは那覇地検が発表したじゃないですか。ところがそうじゃなくて、実はこの拘置延長する時には、今言ったような事情で、もうこれは正式起訴、つまり裁判をやるしかないと決めていた。だから、この容疑者の人権のためにも拘置延長したんですよ。言い分をしっかり聞かなきゃいけない。弁護士もついてないから、本人からちゃんと話も聞かなきゃいけないし、裁判やる以上は、その証拠も、もうきっちり固めなきゃいけないってことで、拘置延長して、拘置延長して、この意思を、那覇地検と福岡高検、これ那覇地検の上が福岡高検になるわけですが、この一番上は最高検になるわけですね。その最高検に報告もしてて、その時は、ま、はっきり申すと検事総長以下、えー、実は納得するっていうか、反対がなかったんですよ。だからこの時の検察の意思はそうだったわけです。ところがですよ、この直後から、中国の態度がガラリと変わったわけですよ。ね。それはどうしてかというと、拘置延長するってことに中国も気がついたわけです。中国は、中国の普通の国民だけじゃなくて、意外にも政府当局者も、日本の民主主義や司法制度がよく分からないわけです、本当のところは。僕、今まで接してきた中国の当局者からもそういう印象を受けてます。やっぱり、本来司法というのは政府の言う通りになるはずだというイメージがあって、どうしてもこういう、検察だ裁判だってその、そこが決定していくというのが分かんないわけです」

村西利恵
「自分たちの概念にないわけですもんね」

青山繁晴
「ところがこの拘置延長があって、実は日本人の弁護士にもかなり取材したようで、領事館員や大使館員が。ということは、これ裁判やるのかと。裁判やったら船長がその、公判廷に立たされるんだと。ということは延長した、ほんとは29日まで延長あるわけですけど、それだけじゃなくて、初公判が始まるまで拘留されてですよ、いや、すみません、拘置されて、そして初公判の法廷にこうやって船長が立つのかと。Vサインじゃなくて。そうするとこれは日本の領土だってことが国際社会に、領土領海ってことが国際社会にアピールされるから、それ避けなきゃいけないんで、中国はそれまでやや柔軟な態度からものすごい強硬にいきなり変わったんですよ」

山本浩之
「船長の人権とかそういうこっちゃなかったわけですね、つまりは」

青山繁晴
「その通り。船長の人権じゃなくて、あくまで中国の国益を考えてやったわけですよ。で、そりゃまあ、あの、中国だけじゃないんですけどね、そういう動きは。そして、だからこのわずか2日後に、それまで日本が想像してなかった、温家宝首相が即時釈放を急に要求することになった。で、これに驚いたってこと自体が、皆さんほんとはこれ、僕たち怒らなきゃいけなくてですね、それまでまさか総理大臣が出てこないと思ってたんですよ、日本側は。しかし日本側は菅総理以下がこの問題に取り組んでたわけでしょ。ということは、日本は、総理と総理が対等じゃないってことですか。日本は総理大臣が一生懸命やってて、中国はもっと下がやってて、それでいいんだというのが、ここにあったわけでしょ、この間に(21日までの間に)。そして、いわば中国の首相が出てきたら大慌てしたわけですよ。ということは、日本の総理から見たら上に扱ってるようになるから、これ自体、非常に間違ったメッセージを国際社会、あるいは中国に発したことになるんですが、これで驚いてですね、実はその、日本側が、あの、ま、はっきり言うと慌てたわけです。特に官邸が慌てた。慌てたために、その翌日に迫っていた渡米の時に何があったかというと、こうです」



村西利恵
「菅総理は、訪米前に『ニューヨークにいる間に解決してくれ』と、仙谷官房長官に伝えたと」

山本浩之
「へえー」

青山繁晴
「はい。これ(モニターの「政府高官」)はですね、あの、もちろん一人ではありません。で、この件は意外にたくさんの政府当局者が知ってます。で、これあの、ま、菅さんらしいなと僕は思うんですけども、言ってるようで、何も言ってないようで、言ってるんですよ。というのは、例えば船長釈放しろとかですよ、ね」

一同
「そうか…」

青山繁晴
「あの、例えばあの、極端な話、指揮権発動しろとかいうようなことは一切言ってないわけじゃないですか」

村西利恵
「具体的には言ってませんね」

青山繁晴
「さらに温家宝さんとニューヨークで会いたいとも言ってないわけですよ。しかしこれを受け取ったその、仙谷さん、それから仙谷さんを支えるその高官たち、スタッフたちは、みんなはこれはどういう意味かというとですよ、この、自分がニューヨークにいる間に、つまり25日帰るはずだから、24日ぐらいまでに、24日ぐらいまでに釈放しろと、してくれって意味だなあと思い、それはどうしてそうやって急ぐのかというと、同じニューヨークに温家宝さんが行くんだから、そこで、その日中首脳会談やりたいよと、いうふうに受け取ったわけですよ」

山本浩之
「はいはい…」

青山繁晴
「で、これで、その、いわばお尻が決まってしまった、事実上24日までに決めなきゃいけないってことに決まってしまったっていう面があるんですね。で、皆さんこれ(時系列の表)見ていただくとですよ、ちょうどこの23日に、例のフジタの4人の方々が拘束された。これほんとは20日から拘束されてたんですが、23日に、わざわざ中国の国営通信社の新華社が、予告までして、日本人を調べてるって報道をこれからやりますよと(笑)、僕は元共同通信ですから、新華社の人たちも昔から知ってますけど、そんな予告報道って生まれて初めて聞いたんですよ」

一同
「うーん」

青山繁晴
「それまでわざわざやって、23日に、この、4人を捕まえたよっていうのをですね、わざわざ公表したわけですね、中国は。そして24日未明、これは日本でも報道されて、そして例のレアアースの、事実上禁輸状態にしてるっていうのも、もう少し前から始まってたけども、明らかになったのはこのあたりなんですよ。そうするとですよ、この、その人命に関わることと、それからレアアースの禁輸、つまりレアアースが入ってこなかったら日本の誇るハイテク製品が作れないと、こういう大きな危機、命の危機と経済の危機があったから釈放になったかに見えるじゃないですか」

岡安譲
「見えますね」

青山繁晴
「これははっきり言うと、からくりなんですよ。これが上手く弁明に使われてると、いうのが、こう実態だと、言わざるを得ないと思います。その証拠として、皆さん、那覇地検の会見の内容をちょっと見て下さい」



村西利恵
「那覇地検の鈴木次席検事は24日、会見で、『当庁は本日、公務執行妨害容疑で拘置していた中国人船長を、処分保留のまま釈放することを決定した』。中略します。『中国人船長の身柄を拘置したまま、捜査を継続した場合の、わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断した』と」

青山繁晴
「はい。この24日の、午後2時半頃だったと思いますけど、この那覇地検の鈴木次席検事が発表した時には、僕も本当にびっくりしたですよ。しかしその上でですね、皆さんにまず、この会見で申しておきたいのは、この文章はこの那覇地検が作ったものではありません。これは結論から申しますと、さっき申しました大林宏検事総長を含め、検察のトップのところで作ったものを、那覇地検が、これも、これは僕の責任でこの言葉使いますが、無理やり読まされただけであって」

村西利恵
「無理やり」

青山繁晴
「那覇地検が作ったものではありません。そして、この、全体を通じてですね、まず驚くのは、その、僕も若い頃は司法記者でしたが、その、検察はいかなる事件があっても、発表する時には、法と証拠に基づいて、この処分決定をいたしましたと、言うんですよ。ところが全文の中に、法と証拠ってのが、出てこないんですよ。ということは何を言おうとしてるかというと、法に基づいてません、証拠にも基づいてませんってこと言ってるわけですよ」

一同
「ああー」

青山繁晴
「ね。で、そのかわりにこういう後ろの言葉が入ってくるんですが、その前にですね、この処分保留っていうのも、これ理屈から言うと当たり前のようにも見えるんですよ。つまり、処分保留ってやり方は実際はあります。例えばその、容疑者が病気になったりした時は、とりあえず釈放して病院に入れると。で、処分は、つまり起訴するのか不起訴にするのかはあとで決めますっていうのあるんですよ。ところが今回の意味はそうじゃない。何かというとですよ、検察庁の本当の仕事っていうのは、ここに書いてあるように日中関係を考えるとかですよ、国民への影響を考えるのが仕事じゃなくて、あくまでも送られてきた容疑者を、どう処分するのか決めるんですよ。その、今、問題になってる特捜事件は別として、普段は、送られてくるわけですよ、その容疑者が、その容疑付きで。今回も、海上保安庁からですよ、この船長の身柄ごと、送検されてきた、検察庁に送られてきたんですね。その処分、起訴か不起訴か決めるのが仕事なんだけど、それ、できませんでしたと。本来の仕事をやらせてもらえなかったと言ってるわけですよ」

一同
「はあー」

青山繁晴
「で、その上で、その理由として、国民への影響と今後の日中関係、だから、法と証拠じゃなくて、国民への影響と今後の日中関係っていうように、言葉置き換わってんですが、この、今後の日中関係の方からまず見たいんですが、どうしてこういう言葉が、えー、いわば、あの、検察のトップによって盛り込まれたかというと、こういう事実経過があるからです。出して下さい」



村西利恵
「『このままでは指揮権を発動せざるを得なくなる可能性もあるが、それでいいのか?』」

青山繁晴
「はい。この言葉なんですが、ここに書かれてる通り、仙谷官房長官が、2度以上にわたって柳田法務大臣を呼んで、仙谷さんから柳田さんに言い渡した言葉なんですよ。で、これも、さっきの菅さんの時とちょっと似てますけど、なかなか、したたかというか巧妙というか、ほんとは姑息と言うべき言い方であって、指揮権発動すると命ずるとも言ってないし、指揮権発動してくれないかって法務大臣に相談もしてないわけですよ。それから、船長釈放しろとも言ってないわけですよ。このままでは、指揮権を発動せざるを得なくなる可能性もあるが、それでもいいのかと言ってるだけで、ね。でも柳田さんは当然、これは、あの、タイミングが24日よりあとにずれていったりするとですよ、指揮権を発動、法務大臣が、検事総長に対してやって、船長を釈放しなきゃいけないようになんのかなあ、これはえらいことだなあと思うでしょ?ね。思いますよね。思う時に、そこまでは誰でもそうなんですが、これ、はっきり言うと、毅然とした法務大臣なら、これ押し返すはずですよ。ね。法務・検察預かってんですから。ちょっと待って下さいよと押し返すはずが、スコーンと大林宏検事総長に下ろしたんですよ。さて、その上で指揮権発動って何なのか、念のために見ましょう。はい、出して下さい」



青山繁晴
「はい。ここにちょっとずらっとこう文字が並んでますが、あの、分かりやすく言いますからね。検察庁法、当然、全部法律ですから、検察庁法の中にこういう定めがあります。まず最初はですね、法務大臣は、検察官を一般的に指揮監督できる。それは当たり前ですよね。検察庁っていうのは準司法機関、準ってのは準ずるって意味です、純粋じゃなくてね。で、準司法機関であると同時に、行政機関でもあるんですよ。だから法務大臣が一般的には指揮監督できますよと。但し、それぞれの事件の取り調べ、あるいは処分、つまり起訴するのか不起訴については、検事総長だけを指揮できるって書いてるわけですよ。これを指揮権発動って言うんですね。つまりこれは何を言ってるかというと、一般的なことじゃなくて、例えば政治家の取り調べ方法とか、政治家の起訴不起訴については、その、検事総長にしか指揮できないよと。つまり検事総長の意思に任されてるよって意味でもあるわけですよ。で、従って、伊藤栄樹(いとうしげき)さんっていう、『人間は死んだらゴミになる』(『人は死ねばゴミになる』)っていう有名な本を書いた、もう亡くなりましたけど、その検事総長は、指揮権発動された時は、検事総長には3つの道があるとも言ってんですよ。その通りやるのか、その通りやらないのか、それとも、自分が辞めて抗議するのか、3つやり方があると言ってるんですが、ということは、これフェアに言うと、下ろしてきたことだけが問題じゃなくて、この大林検事総長がどういう判断をなさったのかっていうのが、問われなきゃいけないですね」

山本浩之
「そうですね」

青山繁晴
「それは、実はこうです。はい、出して下さい」



村西利恵
「検察のまず内部では、『あえて指揮権を発動させるべきだ。これは強硬論ではない』という声があった」

青山繁晴
「はい。声があったとは、今は村西さんが柔らかく言ってくれたんですが、僕の知る限り、これはあくまでも僕の責任ですけれども、大林さん以外の他の方は、皆そうだったと、僕は取材の結果、えー、ほぼ確信する、ほぼじゃない、確信するに至ったんですよ。で、これは強硬論じゃないってのが大事なところでですよ。今、皆さん、検察庁法第14条で見ていただきましたね。難しいなと思いながら、皆さんも頑張って見ていただいたと思うんですけど、ということは、ちゃんと指揮権発動は法律の中に書いてあるんですよね。だから、政府としてですよ、これもうやむを得ないと、だから指揮権発動しますと、この件はとりあえず船長を釈放して、処分あとで決めようと、いう指揮権をやると、いうことを、国民と世界に示したならば、何とか司法は、その、フェアネスと独立が保たれるんですよ。何でかというと、法律の枠内ですから」

一同
「うん」

青山繁晴
「ところが、それを明らかにしないまま、このうやむやな言葉のまま、検事総長が決断してしまえば、船長釈放を決断してしまえば、それは法を超えた話になってしまうから、あえて、指揮権発動させるべきだと、強硬論で言ってんじゃありませんと、いうことだったんですけれども、結果はこうなりました」



村西利恵
「検察内部でこのような声があったにも関わらず、大林検事総長は、指揮権が発動される前に自らの判断で船長を釈放するということを話しました」

青山繁晴
「はい。当然これは理由があるわけで、えー、大林さんは、僕は本当は、これはいずれ国民に自ら説明なさるべきだと思います。しかし、その、首脳陣の中で話された理由、まず1個はこうです。はい」



村西利恵
「理由は、発動されると検事総長を辞任になる」

青山繁晴
「はい。皆さんこれ正確に申しますが、実は大林さんはこういう言い方はしてません。これはむしろ周りから、発動されたらですよ、いずれにしろ検事総長を辞めなきゃいけない。ね。これは別にあの、そう法律に書いてあるわけじゃありませんよ。しかし、まあ慣習、慣習といっても一回しか発動してませんけど、おそらくこうなると。ね。で、それをその、大林さんももちろん考えているという、ことだったってことなんですよ。そして僕は取材の過程でですね、え?ということはその、大林検事総長の保身のためですかと言ったら、いや、違いますということなんですよ。2番目、はい、出して下さい」



村西利恵
「理由2つめは、人事権が奪われる」

青山繁晴
「はい。これどういうことかというと、これは今の検察の解釈ですよ。今の検察の解釈として、今の民主党政権は、指揮権発動にためらいが少ない、ハードルが低いと思ってるんですよ。それどうしてかというと、千葉景子さん、前の法務大臣が就任なさる時に、記者会見で、小沢一郎さんの事件の関連で指揮権発動はあり得ますかという、聞かれた時に、必ずしも明確に否定しなかったですね。そのあと検察はいろんな分析をして、この政権は比較的ハードルが低いと判断して、ということは今回、指揮権発動を許すと、抵抗した結果、指揮権がほんとに発動されると、そのあと何かにつけ、何度も発動されるかもしれないと。そうするとそのたびに検事総長辞めなきゃいけなくなって、これ検察もはっきり言うと官僚組織ですから、誰が次の検事総長かっていうのをもう、何代かにわたって事実上決めてるとこあるんですよ。それが崩れてしまって、結局ごちゃごちゃになって最終的には検事総長を、自分たちで決める人事権を奪われてしまう。これ僕、あの、良い認識だと言ってないんですよ。これはだから自己保身というより組織防衛の話なんですよ。官僚組織としてのですね。で、組織防衛って話をされたらですよ、例えば、その、那覇地検がそれに抵抗できるはずがないわけですよね」

山本浩之
「そうですよねー」



青山繁晴
「そして皆さん、もう一回これを見ていただくと」

村西利恵
「24日の会見ですね」

青山繁晴
「はい。ですから、今、皆さんにお話ししたことがここに表れてて、今後の日中関係考慮っていうのは、政治から、指揮権は発動してないけれども、指揮権発動をいわば根拠にした、法律を根拠にしながらも、明らかにできない話で圧力が来ましたよってことを実は示唆してるわけですね」

一同
「うーん」

青山繁晴
「そうすると、これより前にわざわざ置いてある、国民への影響って何だろう、それをこのあと、後半お話ししたいと思うんですね。そして、後半に向けての、今日のキーワードはこれです(フリップ出す)」



村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『ほんとうの亡国』。もう一つの圧力とは一体誰のどんなものがあったのか、CMのあと詳しく話していただきます」

(いったんCM)

山本浩之
「官邸の圧力があったとの解説はよく分かりました。では船長釈放の背景にもう一つの理由、これは何なんでしょうか」



青山繁晴
「はい。ここに書いてある国民への影響っていう、いわばこの謎の言葉が出てきた、背景の圧力とはこれです」



村西利恵
「それは、経済界から、検察だけがいい顔をして正義漢になって、その陰で日本経済が破綻してもいいのかという圧力があった」

青山繁晴
「はい。これは、皆さん改めてこっち(時系列の表)見ていただくと、例えばレアアースのことだけ言ってるんじゃないんですよ。で、本当はこの2つはですね、例えば日本人4人、フジタの4人の方ですが、フジタってのは遺棄化学兵器の事業に関わってるんですね。この遺棄化学兵器ってのは、今日時間がなくて全部説明できませんが、本当は日本軍が遺棄したものではありません。これは日本軍が、ちゃんとソ連軍と国民党軍を中心としたところに、ちゃんと正式に渡したんですよ。従って、それが放り出されたりしたらソ連軍とか国民党軍とか、そっちの、あるいは中国側の責任なんであって、これは中国はそれを上手に使いながら、日本から多額のお金を引き出してるわけですね。だからこの、フジタの方をもうほんとに最終的に酷い目に遭わしたりしたら、その事業がおかしくなるから、これは本当はあの、もちろん楽観視はできません、4人の方の命、何より大事ですから、僕たちは全力を挙げて守らなきゃいけないし、守っていますけれども、しかしその、たとえば経済界のこういう圧力の本当の背景ではないんですよ。それからレアアースの方も、これWTOに提訴したら日本が勝ちますし、それからアメリカが何よりもこれ嫌がってるから、アメリカが味方になると、中国はWTOに提訴された時に勝てるわけがないです。だからそうじゃなくて、この経済界の言ってるのは、要するに中国が日本の作ったものを買わなくなってくれたら、日本がものを作って誰が買ってくれるんだと。自動車にしろ何にしろ、もう日本国内もデフレ、世界もだんだんデフレになるのに、中国が買ってくれなかったら日本経済破たんするだろうというプレッシャーをかけてきて、えー、これを僕に証言した、いわば良心派の検察首脳の一人は、これは辛かったと。で、正直、日本の経済界は、愛国者はそんなに多くないからねという言い方をされて、僕の胸にぐさっと突き刺さったんですよ。で、この番組のスタッフの中にもね、僕にこれは拝金主義ですかという意味のことを聞かれた方いらっしゃいますけど、僕はそれは違うと思いますよ。経済活動はまっとうな経済活動であって、それは拝金主義でも何でもない。そうじゃなくてですよ、この経済界の人を一方的に責めるんじゃなくて、日本経済が中国頼みになるっていうのが本当の亡国なんですよ」

一同
「うん」

青山繁晴
「中国頼みじゃない日本経済を作らなきゃいけないということを、本当は僕はこれは物語ってるんだと思うんですね。で、その上で、皆さん、このあと、今どうなってるのか、これからどうなっていくのかを当然考えなきゃいけなんですが、現在はこうです。はい、出して下さい」



村西利恵
「今、尖閣諸島周辺はどうなっているかというと、官邸から海上保安庁に明確な指示は出ていない」

青山繁晴
「この明確な指示ってのは何のことを言ってるかというとですよ、まず、今までと同じように漁船が入ってきて、その漁船が、ま、ひょっとしたら偽装漁船であるのも含めてですよ、巡視船、日本の巡視船に体当たりしてきたりしたら、逮捕します、もう一度。今回が処分保留であろうが釈放だろうが、それは逮捕します。で、僕は、海上保安庁の側に提案してるのは、現行犯逮捕すべきだと、半日置くんじゃなくて、と言ってますが、それは海保ははっきり言って検討中だと聞いてますけれども、いずれにしろ、それははっきりしてんですよ。官邸側の意思がどうであれ」



青山繁晴
「しかし、明確な指示がないって何を言ってるかというと皆さん、この船見て下さい。これ漁政(ぎょせい)って耳慣れない言葉でしょうが、これ日本で言うと水産庁にあたるんですよ。そして漁業監視船って言ってるんですが、これ中国、漁政って書いてますけどね、これが何と、もともと軍艦だった船を改装したものが多いんですよ。これはたまたまこのへん黒いですけど、あの…(VTRに別の白い魚政が映る)」



青山繁晴
「僕も実際に尖閣諸島の近辺で見てますけれども、それから中国でも見ましたけれども、もうあの、要するに白く塗った軍艦なんですよ」

岡安譲
「確かにいかついですねー」



青山繁晴
「ね。で、これが今どこにいるかというと、ここにいるんですよ、今。2隻。ぐるぐる回って。これあの、尖閣諸島ですね。そして領海ってのはその、海があの、要するに、地面に接してるとこですよ。ね。だから島の周りは領海なんですが、その、その周りは、えー、最近の考えで、えー、排他的経済水域ですね。そこの間に、この中間地域、接続地域って言うんですが、ここをぐるぐる回っててですよ、それ今どうしてるかというと、海上保安庁はとりあえずこれ伴走って言うんですけど、あの、一緒に走るですね、その伴走してこうやって付いて回って、付いて回って、その、質によって、スピーカーでやったりしてるんですが、これをどうすんのかっていう指示はないんです。この伴走も、海上保安庁の自分の決意でやってるんですよ」

山本浩之
「ああー」

青山繁晴
「もうあの、船長が釈放されたからガッカリしてるんじゃなくて、未だに自分の決意を貫いてやってるんですよ、海上保安庁は」

一同
「うーん」

青山繁晴
「で、その上でですね、これがどうなるかというと、やがてこうなるんですよ。はい、出して下さい」



青山繁晴
「はい。これ海監(かいかん)。海監。その、海の監視って言いましてね。これが皆さん、わずか2年前の2008年12月にここにやってきて、その時はまっすぐこの尖閣諸島のこの領海に入ってきたんですよ。で、その時も海上保安庁は、それを伴走してその、出ていって下さい、出ていって下さい、これ実はですね、漁船なら対応できるけども、こういう中国の政府の船が出てきた時は、これあの、海上保安庁は対処できないんですよ。で、しかもその時の日本の報道はでね、海上調査船と報道したんですが、違います。それは中国の言ってる見せかけであって、日本で言ったら、巡視船プラスアルファの、要するに武装してる船なんですよ」

村西利恵
「武装してる」

青山繁晴
「はい。それと2年前に向かい合った時に、海上保安庁の側から出ていって下さいって言った時に、向こうから返答があったんですよ。皆さん、あとでね、当時の新聞記事見て下さい。中国側から返答があったという、そこで記事が終わってんですよ、ほとんどの、全部の記事が。ほんとはその返答っていうのは、ここは中国の領海であると、我々がパトロールするのは当たり前だという返答が返ってきたんですよ。それで済ましてたから、今回の事件も実は起きたわけなんですよ」

一同
「はあー」

青山繁晴
「従って、あの、この先どうなるかについてはですよ、やっぱり、海上自衛隊も含めて、もう一回腹を決め直して、領土と言うなら、領海と言うなら、どう守るかを決めなきゃいけないんです。しかし皆さん、今日、一番最初に言いましたね、中国だって誤算がありますよと。その証拠の顔を見て下さい。はい、出して下さい」



青山繁晴
「はい。これ『きょうゆ』と読みますけれどね」

村西利恵
「報道官」

青山繁晴
「この女性のま、外務副報道局長ですが、この人がまあ、すっごい、すみません、こういう言い方して悪いかもしれないけど、上から目線で、もうあの、中国が世界を支配してるような感じで言うってのは、皆さんお馴染みでしょ。ところが、これ、これ写真では笑ってるように見えないけど、昨日突然にニコニコしてですよ、その、例えば報道ステーションなんかは、急に機嫌が良くなったと報道してましたけど、機嫌が良くなったんじゃありません。これは中国が今、世界から孤立し始めて、おっかないと思われてるから、この報道官もニコニコしなきゃいけないようになったんですよ」

一同
「ああー」

青山繁晴
「つまり中国はやりすぎたんです。中国も世界なしでは生きていけませんから」

山本浩之
「なるほど」

青山繁晴
「それと同時に、もう一つ誤算があって、これです」



村西利恵
「それは、日本国民の目が覚めた」

青山繁晴
「はい。これあの、中国の当局者も当然見てらっしゃるからあえて申しますけれどね、日本の政治家とか官僚を、今まではっきり言うと舐めてかかってこられたんでしょうが、日本国民、私たちみんなが目が覚めていくっていうのは、これは世界を変えていきます。そして、大事なことは、今までこう意識の高かった、あるいは関心の強かった人だけじゃなくて、今回、そんなことを普段考えてない普通の市民からもたくさん僕にお手紙、メールをいただきましたし、みんなが本当に、僕すごいと思ったんです、あの24日の那覇地検の会見の直後から、みんな本気で怒ったじゃないですか。立場の違いを超えて、左右を超えて、怒ったでしょう?」

山本浩之
「そうですねー」

青山繁晴
「それを考える。そして、あるいは教育の現場で、尖閣諸島を通じて、日本の領土とか領海、そもそも国にとって領土、領海は何なのかって教育を、普通の先生ができますから、これで僕は世界は変わっていくと思います」

山本浩之
「民主主義はその、危機に瀕してるかもしれないけれども、今回のことで、そういう意識、問題意識がこう芽生えたとしたら、わずかながらですけども、ま、収穫というふうに言っていいんでしょうか」

青山繁晴
「いったん死に瀕したからこそ、再建が、本物の再建ができると僕は思ってます」

山本浩之
「ありがとうございました。えー、“ニュースDEズバリ”でした」

 ____________________________内容紹介ここまで


 先々週(9/15)の放送で、違法操業の中国漁船を取り締まりたくても取り締まりできない状況にあって、心身に異変を生じる海上保安官までいるという青山さんのお話がありましたが、今回、船長釈放という憂き目にあってもなお決意を貫いて頑張ってらっしゃる海上保安庁の皆さん、本当に素晴らしいと思います。どんなにかお辛いでしょうに。また応援メールを送りたいと思います。

 海上保安庁への意見・質問
  http://www.kaiho.mlit.go.jp/shitugi/index.html


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