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Kensaku Kawauchi[uniting-peace][11581] アジアを考えるための本(16)2009/11/15


 河内謙策と申します。“独善的”立場から、アジアを考えるうえで重要と思われる
本や興味深い本を紹介させていただいております。(この情報を重複して受け取られ
た方は失礼をお許し下さい。転送・転載は自由です。)

  • デイヴィッド・ハルバースタム『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争』上・
下 文芸春秋
 ハルバースタムは、ベトナム戦争をとりあげた『ベスト&ブライテスト』で有名な
アメリカのジャーナリストですが、その彼の遺作です。とにかく面白い、歴史に
残る本です。膨大な聞き取りに基づく本です。私も初めて朝鮮戦争の全体像が分かり
ました。また、朝鮮人民に対する軽視でないか、と思える箇所もありますが、全体と
しては公平に書かれています。とにかく、お勧めします。

  • 副島隆彦『ドル亡き後の世界』祥伝社
  • 鬼塚英昭『ロスチャイルドと共産中国が2012年、世界マネー覇権を共有する』成甲書房
 私は、ドル一極世界支配体制は崩壊過程にはいったと考えています。しかし、私
は、中国が世界覇権をにぎるというより、文字通り、多極の時代に入ると見るべきで
はないか、と思っています。
 副島は、今度の本では、2010年末からアメリカは恐慌に突入し、2012年に「どん
底」がやってきて、2015年に中国が新たな世界覇権国になると予言しています。 鬼
塚は、副島が世界を支配しているのはロックフェラーだと言っているのに反対し、世
界を支配しているのはロスチャイルドだと主張し、その立場から2012年に人民元がド
ルの一極支配を打ち破り、ロスチャイルドと中国共産党が世界の覇権を共有すると述
べています。

  • 劉暁波『現代中国知識人批判』徳間書店
  • 金文学『「混」の中国人』祥伝社
 劉暁波は、「08憲章」の起草者の一人で、現在「牢獄」の中です。その彼の本が翻
訳されていることは、恥ずかしいことに、知りませんでした。上記の本は、魯迅を含
めた中国知識人の徹底的批判です。こんな徹底的な批判は、最近読んだことがありま
せん。そして、彼の批判から、中国知識人の負っている歴史的負債の重さ、更に、日
本知識人の歴史的負債の重さを考えこんでしまうのです。
 金文学は、日本に帰化した文化人類学者ですが、彼の中国人批判も激しいものがあ
ります。上記の本は、中国人の国民性を考える上では必読文献でしょう。私の見たと
ころ、中国人をどう考えるかを抜きにした中国論は有り得ないと思います。私は、彼
の見解に80%賛成です。


河内謙策


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