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話題騒然『ザ・コーヴ』リック・オバリーが強気発言を連発

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話題騒然『ザ・コーヴ』リック・オバリーが強気発言を連発

2010年07月01日 ニフティ映画


和歌山県大地町でのイルカ漁を隠し撮りした映像が海外各国で大きな話題を呼び、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画『ザ・コーヴ』。上映中止騒ぎが社会問題化する中、撮影グループの中心的な存在である元イルカの調教士リック・オバリー氏が来日した。

リック・オバリー氏は、日本でも放送された人気ドラマ『わんぱくフリッパー』にも参加したイルカの調教士だったが、同番組に出演していたイルカがストレスで死亡したことをきっかけに、世界各地でイルカの保護解放運動に参加するようになる。

開口一番、「ぜひこの映画の上映を予定している劇場に電話をして、言論の自由・報道の自由のために上映するよう劇場のオーナーに訴えて下さい。人間は、自分の権利が脅かされたら、立ち上がらないといけないのです」と切り出すオバリー氏。表現の自由すら守れない日本の現状に厳しいひとことが出た。


上映中止問題は別として、食用のためイルカを捕獲することは、日本人が大切にしてきた食文化の一部。マクドナルドやケンタッキーフライドチキンの母国の人から、わずかな頭数のイルカを食べるために殺戮する行為を批判されるのは釈然としないが、

「イルカは人間より大きな脳を持っている動物です。人間やゴリラと同じように、自分が鏡に写っている姿を見ればそれが自分だと分かる、豚や犬や牛とは全く違う生き物なのです。人間は陸上で最も高等な動物かもしれませんが、イルカは海中で最も優れた動物なのです。ですから、あのような入江で極端な残虐行為を見てしまうと、多くの人たちに訴えたい気持ちになるのです。私は、自分の価値観を人に押し付けようというのではありません。こんなに酷いことが起こっているという事実を、多くの人たちに知ってもらいたいのです。他の国では、日本でこのような行為が行われていることは何人かの人は知っていましたが、日本では誰も知らなかった。この問題が存在することすら知らければ、解決できるはずがありません。日本の人たちが知らない理由は、今回映画が上映できない理由と同じだと思います。日本の憲法では表現や言論の自由を保証していますが、それらが全て無視されているのです。北朝鮮や中国なら分かりますが、日本は民主主義のはずです。」

と熱弁。
生き物の生死を知能レベルで決めたり、日本を北朝鮮や中国と同じように扱うあたり、ますます理解に苦しむ発言が続く。

思わず、日本には実質的な報道の自由が存在し、日本人は食べるためにやむを得ず動物を殺した際にはどんな動物の命にも敬意を持ってきたという歴史があると説明すると、「うん・・・」とひとこと反応があっただけ。

更に、『グランブルー』のモデルとして知られ、オバリー氏同様イルカを深く愛したフリーダイバーのジャック・マイヨール氏が「水族館に入ったイルカは見たくないが、水族館は一般の人がイルカを知る大切な場所なので、水族館でイルカを展示することは肯定します」と発言していたことについても、

「彼とは非常に親しい友人で、マイアミの水族館で一緒に仕事をしていたこともありますが、この件についてだけは意見が一致しませんでした。彼は、多くの人がイルカに触れれば、イルカのファンになってイルカを保護してくれる、支援してくれる気持ちが芽生えるはずだと言っていました。しかし、日本だけでも50近くのイルカを展示する施設がありますが、ここに来た人たちはイルカを保護する活動家になったのでしょうか? いつ彼らは立ち上がるのでしょうか? 亡くなった方を批判するのは申し訳ないですが、ジャック・マイヨールさんは間違っていたと思います」

と、いたって強気だ。

「私は、シーシェパードやグリーンピースとは全く関係がありません。彼らは、日本をボイコットしてイルカを救いましょうという強力な運動を始めていますが、私たちはすべての日本人が悪いといった人種差別的な活動は絶対に反対です。私たちは、日本の人たちと協力してこの問題を解決したいと考えています」
と語るオバリー氏。

暴力をちらつかせた上映阻止運動や、本作の中でかなりの比重で描かれている食用イルカ肉の重金属汚染など、この映画によって改めて日本社会の問題も見えてくるが、欧米では関心の高いイルカ保護活動を少なからず誤解と思い込みが含まれる視点から撮られた作品が、世界における日本のイメージにどのような影響を及ぼすのか?映像の持つ力の恐ろしさを再考するためにも見ておきたい作品だ。


『ザ・コーヴ』は7月3日より順次公開


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