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「ザ・コーヴ」シンポ 映画館支配人ら「まず上映を」

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「ザ・コーヴ」シンポ 映画館支配人ら「まず上映を」 (1/3ページ)



映画「ザ・コーヴ」に出演したリック・オバリーさん(堀晃和撮影) 和歌山県太地町のイルカ漁を批判的に描き、上映中止が続いていた米ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」が、予定より一週間遅れで公開される。7月3日からの6館の後、18館で順次上映される。劇場名が発表された今月21日には東京都内でシンポジウムも開かれ、上映館の支配人らが公開に向けた思いを語った。

 シンポジウムには、映画館側から、大阪市の「第七芸術劇場」支配人、松村厚さん▽名古屋市の「名古屋シネマテーク」支配人、平野勇治さん▽京都市の「京都シネマ」社長、神谷雅子さん▽東北と栃木で6館を運営する「フォーラムネットワーク」常務の長澤純さん-の4人が参加。いずれも、2年前に抗議行動などで上映中止の劇場が出たドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の公開に踏み切った映画館だ。

 当初は今月26日を皮切りとして26館での公開が決まっていたが、民間団体のホームページで抗議予告が掲載されたことなどから、東京、大阪の計3館が上映中止を決定。配給会社とほかの映画館の間で調整が続けられていた。

 松村さんは「『靖国』と状況は同じ。『盗撮だ』『反日映画だ』『イルカの肉を食べてなにが悪い』など抗議の電話が日に数件あるが、7月3日に向け、粛々と準備を進めている」と現状を説明する。

 松村さんや神谷さんによると、3館が上映中止を決めた今月上旬、集中的に抗議の電話があったという。神谷さんは「見る側に委ねるのがわれわれの仕事。委ねる前に上映をとめられることは残念だ」と語る。



「ザ・コーヴ」シンポ 映画館支配人ら「まず上映を」 (2/3ページ)
2010.6.26 08:03
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100626/tnr1006260805002-n3.htm

 また平野さんは「抗議は基本的に電話かメール。どういう人たちなのか分かりにくい不安がある」。長澤さんは「(映画は)偏った意見と思うところはたくさんあるが、見た方があとで考えるきっかけになると思う。上映しないのはよくない」と述べた。

 ほかに漫画家の石坂啓さん、映画監督の崔洋一さん、「一水会」顧問の鈴木邦男さん、ジャーナリストの田原総一朗さんらが参加。映画を配給する「アンプラグド」の加藤武史代表は「映画を見た上で、賛成、反対、いろんな意見が出るような状況を作っていきたい」と決意を述べた。

 「ザ・コーヴ」をめぐっては各地で討論会などが相次いで開かれており、22日には早稲田大学でも開催。映画の出演者で来日中のリック・オバリーさんがあいさつした。

                   ◇

 ■イルカ漁は文化ではない/伝統の食文化-真っ向対立

 映画「ザ・コーヴ」に出演した海洋哺乳(ほにゅう)類専門家のリック・オバリーさん(70)が来日し、産経新聞の取材に応じた。上映中止を求める抗議活動について、「言論の自由に対する冒涜(ぼうとく)」と批判するとともに、「映画でとらえた残忍なイルカ漁の手法は、文化、伝統といわれるほど、長く行われているものではない」と主張した。

 オバリーさんは、1960年代の米テレビ番組「わんぱくフリッパー」でイルカの調教を担当。撮影のストレスでイルカが死んだことを契機に保護活動に転じた。太地町は、捕鯨問題のからみで76年に初訪問。2000年代に報道で現地のイルカ漁を知り、03年に実際に足を運んで確認したという。以来、年に5~6回のペースで通っている。

「ザ・コーヴ」シンポ 映画館支配人ら「まず上映を」 (3/3ページ)
2010.6.26 08:03
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100626/tnr1006260805002-n3.htm

 映画については、隠し撮りの手法や「イルカ肉は水銀値が高い」などとする内容に批判や反論の声が上がっている。地元の意見を反映した作品とはいえないことについて、オバリーさんは「映画製作者に聞くべき質問」と前置きした上で、「努力はしたが、断られた。漁師たちを呼んだ上で、彼らが伝統と呼んでいるものを撮影するのが理想だ」と説明。「水銀で汚染されたとわかっているイルカ肉がスーパーマーケットで売られていることは、伝統でも文化でもない」と語った。

 一方、地元の太地町漁協では「太地を中傷する反捕鯨、反イルカ漁のプロパガンダ(宣伝)映画」として上映中止を求める姿勢を崩していない。漁協の担当者は「海が血で染まるような方法の漁は今はやっていない。あのまま上映されると誤解を招く恐れがある」と懸念する。

 太地町は400年続く捕鯨文化の地。「組織的なイルカ漁は昭和40年代からだが、鯨と一緒に昔から捕ってきており、イルカも伝統の食文化。水銀値も事実と違う」と強く反論している。(堀晃和)


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