15年戦争資料 @wiki

上映予定の1館 抗議予告で中止

最終更新:

pipopipo555jp

- view
管理者のみ編集可

映画「ザ・コーヴ」上映中止 都内の映画館、抗議予告で

2010年6月4日3時2分

反捕鯨活動家を主人公に、イルカ漁の「残酷さ」を告発する内容となっている=「ザ・コーヴ」から、アンプラグド提供

4月19日に配給会社前で行われた抗議活動。30人ほどが集まり、激しい言葉でシュプレヒコールをあげ、上映中止を求めた=東京都目黒区、石川写す


 和歌山県太地町のイルカ漁を告発したドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」をめぐり、26日からの封切りを決めていた東京都内の映画館2館のうち1館が、上映中止を決めたことが分かった。映画を「反日的」と糾弾する保守系団体が4日以降、上映館に抗議活動をすることを告知しており、「近隣への迷惑」を考えて自粛したという。

 映画は隠し撮りの手法などが賛否の議論を呼んでおり、今後の動き次第では上映自粛が広がる可能性もある。

 上映中止を決めたのは、メーン館と位置づけられていた東京都渋谷区の「シアターN渋谷」。26日から最低6週間の上映が決まっていた。

 同館を運営する「日本出版販売」(千代田区)によると、2日に市民団体がホームページで上映阻止を求める「抗議活動」を予告。会員らを集め、4日に同社前、5日に映画館前で街頭デモを行うとした。同社は3日に社内で協議。警察とも相談し、「お客様に万が一のことがあってからでは遅い」と中止を決めた。同社のビルには病院も入っており、「他のテナントへの迷惑も避けねばならない」との判断もあったという。

 市民団体は「草の根右派」「新保守」などとくくられるグループ。4月以降、映画の配給会社「アンプラグド」(目黒区)に抗議活動を行っていた。同社前でプラカードを掲げ「上映は許さない」「日本人の精神を破壊するテロリスト」などと拡声機で数時間叫んだ。東京地裁から4月末、同社前での活動を禁じる仮処分も出されていた。

 この団体の代表の男性は取材に「欧米白人の人種差別映画に屈することはない。表現の自由など関係ない。今後も抗議は続ける」と語った。

 「コーヴ」は全国26館での公開が決まっているが、封切り2館のもう一つの「シネマート六本木」(港区)もこの団体の抗議予告の対象になっており、上映の可否を今後検討するという。その他の映画館の多くも「様子を見たい」という態度だという。

 ドキュメンタリー映画の公開をめぐっては2年前、「靖国 YASUKUNI」が右翼団体員の抗議などで上映を中止する映画館が続出し、社会問題化した。アンプラグドの加藤武史社長は「同じ事態にならないか憂慮している。映画館側と対策などの話し合いを続けたい」と話している。(石川智也)



目安箱バナー