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歴博展示室で内覧会 きょう一般公開 館側「誠実に対応」

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歴博展示室で内覧会 きょう一般公開 館側「誠実に対応」

社会 2010年3月16日 09時42分

(2時間8分前に更新)

 【千葉】国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)が沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の記述から軍人の指示や命令の文言を削除した問題で、同博物館は15日午後、パネルを展示する新設展示室「現代」の内覧会を開いた。展示室は16日から一般公開される。館の責任者は内外からの意見を踏まえ、早急にリニューアル委員会を開き、今後の対応を考える姿勢を強調した。

 「集団自決(強制集団死)」は「戦場の民間人」の項目で取り上げられ、軍関与の記述を削除した上で「犠犠牲者の中には、戦闘ばかりではなく、『集団自決』に追い込まれた人びともいた」とされた。同項目では、渡嘉敷島の「集団自決」跡地に立つ慰霊碑やガマから米軍に投降する住民らの写真が展示されている。

 沖縄戦は、大テーマ「戦争と平和」の最終コーナーにパネル3枚を掲示。10・10空襲に始まり、沖縄戦の経過、「鉄の暴風」、艦砲射撃、戦争マラリアなどの概説が写真や地図も用い、説明されている。

 新常設室では沖縄の体験者の証言を映像化した「島クトゥバで語る戦世(いくさゆ)」が上映される。

 展示責任者の安田常雄副館長は記者団に対し「教科書問題や係争中の裁判などの問題があり、委員の中で意見が分かれ、館全体の判断で修正した」と説明。「抗議や意見に率直に受け止め、誠実に対応する。できるだけ早くリニューアル委員会を開き、検討したい」とした。

 内覧会は招待された研究者や開設に協力した関係者を対象に開かれ、約70人が参加した。

「軍関与記述を」県教育長対応検討

 沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」をめぐり、軍人による指示・命令の文言が削除された国立歴史民俗博物館の展示問題で、金武正八郎県教育長は15日の県議会予算特別委員会で「(集団自決は)住民に手榴弾(しゅりゅうだん)が配られていることから、広い意味で日本軍の関与があった」とした上で「史実に照らして記述されるべきだ」との認識を示した。

 同博物館は3月中にも展示内容を再検討するとしており、金武教育長は「再検討の結果を踏まえて対応を決めたい」としている。

 再検討の結果を待たずに「教育長として抗議するべきだ」(上里直司議員)、「記者会見などで見解を明らかにするべきだ」(渡久地修議員)とした各議員に答弁した。

記述回復求め市民団体声明 歴博に要請書送付

 国立歴史民俗博物館の「集団自決」の記述をめぐる問題で「沖縄戦の歴史歪曲(わいきょく)を許さず、沖縄から平和教育を進める会」など東京、大阪、沖縄の五つの市民団体は15日、展示を改めるよう求める声明を発表し、同様の内容の要請書を同博物館あてに送付した。

 声明を出したのは同会のほか「大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会」「大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会」「子どもと教科書全国ネット21」「日本出版労働組合連合会」の4団体。

 (1)展示を歴史研究の成果にもとづき史実を正確に反映したものに改めること(2)歴史をゆがめようとする外部からの圧力に対しては毅然(きぜん)と対処すること―を求めた。


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