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歴博、沖縄戦「集団自決」展示 きょうから一般公開

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歴博、沖縄戦「集団自決」展示 きょうから一般公開

2010年3月16日

16日の公開を前に内覧された沖縄戦の展示パネル=15日、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館


 【千葉】沖縄戦の「集団自決」(強制集団死)に関する展示パネルから軍関与の記述を削除したことが問題となっている国立歴史民俗博物館(佐倉市、平川南館長)は15日、同展示を含む「現代」展の内覧会を関係者80人を招き開いた。16日から一般公開される。

 沖縄戦の「集団自決」に関する記述は「大量殺戮(さつりく)の時代―沖縄戦と原爆投下―」の中の一こま。渡嘉敷島の「集団自決」跡地の碑の写真上部に「犠牲者のなかには戦闘ばかりでなく、『集団自決』に追い込まれた人びともいた」として、旧日本軍関与の表記が削除され5行の解説文が付いた。

 「現代」展責任者の安田常雄同館副館長は、「集団自決」に関する文言などを再検討する第6展示室リニューアル委員会の開催時期について「年度末と重なり4月は越えると思うが、できるだけ早くと考えている」と述べ、5月にも開催する考えを示した。

 15日は「沖縄戦の歴史歪曲(わいきょく)を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」など5団体が、史実を正確に反映した展示を求める声明を発表した。


◆最高裁判断も影響 安田副館長一問一答

 「現代」展示責任者の安田常雄副館長との一問一答(要旨)は次の通り。

 ―「集団自決」など再検討する時期は。
 「できるだけ早い時期に委員会を開きたい。集団自決の話ももちろんだが、経緯も含め今後直すとすれば、どういう方向で直すかも含め検討する。年度末で忙しい委員もいるので、四月は越える。見直しの対象は展示全体になると思う」

 ―軍関与修正は委員からの指摘も踏まえた判断か。
 「委員の意見は踏まえた。軍関与が全くなかったと考える先生は非常に少ないと思う。ただ具体的なパネル文言となると、いくつか振れ幅が出る。教科書準拠でいった方がよいという意見や、表現を慎重にという意見もあった。軍関与を最終的に館がどう考えるか。結論として館がああいう形で記入することにした」

 ―大江・岩波訴訟なども影響しているのか。
 「踏まえているとは思うが、どれくらい影響があったかとなると、よく分からない。ただ一般状況として背後にあったとは思う」

 ―最高裁判決の結果で表現に影響も出るのか。
 「司法判断だけではないが、あるんじゃないか。影響がないとは言えない」

 ―抗議声明も出た。
 「当然起こるべき動きと思う。率直に受け止め、誠実に対応する以外にないというのが基本的考え方だ」

 ―裁判以外の削除理由は。
 「一般的には教科書問題に絡むことと、係争中ということ。研究者個人でも意見の違いが出る難しい問題ということだ」

(聞き手・斎藤学)


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