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証言資料 重視を 歴博「集団自決」解説文見解

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証言資料 重視を 歴博「集団自決」解説文見解

2010年3月13日


 国立歴史民俗博物館が12日発表した「集団自決」(強制集団死)の解説文に関する見解。沖縄戦体験者の証言は反映させず、文字資料だけを採用した結果「軍人からの指示や命令」という文言は削除され「『集団自決』に追い込まれた人びともいた」との表現にとどまった。同館は「証言を否定するつもりはない」と弁明するが、歴史教育の専門家は沖縄戦研究における証言資料の重要性を強調し、批判した。

 安田常雄副館長は「オーラルヒストリー(聞き取りによる記録)を否定するものではない」と反論。新常設展示室には沖縄戦体験者の証言映像を流すコーナーもあり、複数の「集団自決」体験者の証言も放映される。「解説文と映像が相互に補完できる」と説明した。

 館側は軍命の有無を争点にした大江・岩波訴訟が係争中であることを理由に挙げる。これに対し県歴史教育者協議会の平良宗潤委員長は、同訴訟控訴審判決が「住民側も軍側の意見も聞いた上で、軍が関与したと結論を出している」と住民証言を重視したことに触れ、最高裁で係争中であってもこの結果を踏まえた解説文にすべきだとした。

 高嶋伸欣琉球大学名誉教教授は、これまでの沖縄戦研究で「複数の証言を重ね合わせて事実を検証している」と証言資料の重要性を強調。証言を映像展示することに「個別の体験は事実とずれがある。個別で紹介するとそれがすべて事実だとの誤解を与えかねない。かえってオーラルヒストリーの限界を示すことになる」と危惧(きぐ)する。一方で同館が戦争展示を行うことを「難しいテーマに取り組んでいる」と評価し「沖縄の声を反映させ、いい展示にしてほしい」と期待する。

※注:高嶋伸欣琉球大学名誉教教授の「高」は旧漢字

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