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歴博対応に疑問と反発 「集団自決」の軍関与削除

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歴博対応に疑問と反発 「集団自決」の軍関与削除 委員ら議論不足を指摘

社会 2010年3月10日 09時37分


 国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)が、沖縄戦の「集団自決(集団強制死)」の記述から軍の命令などの文言を削除し展示する問題で、軍命の有無をめぐって係争中の裁判を主な理由に挙げる同博物館の説明に、地元の反発が強まっている。展示内容に助言する立場の大学関係者らから「解説文を練り上げる作業が絶対的に足りない」などと、議論不足を指摘する声が漏れる。

 沖縄戦や原爆投下をパネル3枚で説明する「大量殺戮(りく)の時代」の展示案は昨年9月、東京大大学院や防衛大学校などの歴史学者ら館内外の20人でつくる展示プロジェクト委員会に提示され、同博物館は委員の助言を受ける形で準備を進めてきた。

 先月中旬には、各委員に解説文の「最終校正」原稿を送付。関係者によると、その時点では「集団自決」と題した項目があり「軍人からの指示や命令など、住民の意思決定を左右する戦時下のさまざまな要因があった」などと記述。

 3月に入って「集団自決」の項目が「戦場の民間人」に変わり「犠牲者のなかには、戦闘ばかりでなく、『集団自決』に追い込まれた人びともいた」などの表現になったという。

 ある委員は「委員会で『集団自決』に具体的に触れた記憶はないが、その後、博物館側が個別の委員とやりとりして表現を変えたのかもしれない」と推測。報道で削除の事実を知ったという別の委員は「校正段階で削除されたことが分かっていれば、クレームを付けていたと思う」と語った。「軍命」について、同博物館側に注文を出したと明かす委員もいる。「軍の関与を否定する委員はおそらくいない。ただ、命令があったというなら、防衛省の実物史料などを使って実証的に展示するよう要望した。その意見は反映されず、突然『集団自決』の項目自体がなくなった」と、同博物館の対応を疑問視した。同博物館は沖縄戦の記述を含む新常設展示室「現代」がオープンする16日までに最終の展示委員会を開き、展示内容の確認などを行う予定。

抗議文作成へ 実現させる会

 国立歴史民俗博物館の「集団自決」の記述をめぐる問題で、県内6団体でつくる「9・29県民大会決議を実現させる会」(世話人・玉寄哲永県子ども会育成連絡協議会会長)は9日、団体の代表らを集めて11日に緊急の会合を開き、同博物館あての抗議文の作成などを協議することを決めた。

 同会は、県老人クラブ連合会や県青年団協議会など6団体で構成。高校歴史教科書の「集団自決」の記述から軍強制を削除させた教科書検定意見の撤回を求めて活動している。

 玉寄世話人は「歴史を学ぶ博物館で、来館者に誤った伝え方をされる。最高裁で係争中ということを根拠にせず、史実通りの展示を強く求めたい」と話した。


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