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コレヒドール 困惑の空気に救われ

2010年2月17日

 「みんなであの大砲の所で『バンザイ』と言いながら写真を撮りましょう!」。観光ガイドの元気な呼び掛けに、ツアー客たちがシンとなる。「バスから降りましょうか」と呼び掛けても、だれも降りようとしない。

 フィリピン・マニラ湾の入り口に浮かぶコレヒドール島。太平洋戦争で旧日本軍と米軍が激戦を繰り広げ、多くの命が失われた島だ。旧日本軍の集団自決もあった。

 白人中心のツアーに入れてもらって訪れた。当然のことながら、ガイドは「バンザイ」を“敵”である旧日本軍の言葉として紹介。そして、冒頭の呼び掛けとなった。

 それまで冗談も交えながら質問を投げかけ、和気あいあいと盛り上がっていた一行だが、この提案に全員が押し黙った。私たち数人の日本人をおもんぱかる空気や戸惑いが伝わってきた。

 もし、この時、一行が「写真を撮ろう」とバスを降りていったら、自分はどうしただろうか。 (吉枝道生)