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東京裁判の見解対立、非公表の要因に 日中歴史共同研究

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東京裁判の見解対立、非公表の要因に 日中歴史共同研究

2010年2月4日3時10分


 日中の有識者による初の歴史共同研究の報告書で、中国側の意向で非公表となった1945年以降の戦後史部分が3日、明らかになった。東京裁判について日本側が問題点を指摘したのに対し、中国側は意義を強調。中国の愛国主義教育をめぐっても日中の意見が対立、こうした食い違いが非公表の要因となった。

 報告書は日中双方の論文で構成。東京裁判について、中国側論文は「侵略戦争を防止し、世界平和を守るための積極的な試みをした」と認定。「日本の侵略戦争を総括し、歴史的結論を出した」とも位置づけた。

 日本側は、軍国主義者の処罰を世界に印象づけるという裁判の政治的な意味を認めつつ、手続きの不公正さや事実認識の不確かさ、戦争時に確立していなかった法律をさかのぼって適用したなどの問題点も指摘。裁判への評価が分かれ、「日本の戦争責任に関する議論をかえって混乱させた」側面もあるとした。

 中国政府は戦争が日本の軍国主義に引き起こされたと位置づけ、軍国主義と日本国民を区別することで対日関係改善を進めてきた。このため、日本側の裁判への評価が共同研究として表に出れば国内の反発を招きかねないと警戒したと見られる。

 中国側論文は一方で、米国による日本の戦争犯罪の追及が不徹底だったと批判。戦争の中心的人物が後に首相などになったとして、「侵略戦争を否定する勢力が公然と活動する結果を招いた」とした。

 双方の論文では「おわび」を表明した95年の村山談話にも言及。中国側は談話の意義は認めつつ、「日本ではいまだに失言する閣僚や右翼勢力が後を絶たない」と失望感もにじませた。愛国主義教育については、日本側が「日本への憎悪」につながる恐れを指摘した。

  共同研究の戦後史部分が非公表になったことについて、日本側有識者は「歴史が中国共産党の正統性と切り離せないと同時に、中国にとっても負の『過去』を直視することが難しいことを示している」としている。(倉重奈苗)


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