赤松元部隊長戦場日記:『殉国日記』に転写された一節 1946.2.22 - 15年戦争資料 @wiki

沖縄作戦　殉国日記（２）

赤松元部隊長戦場日記:『殉国日記』に転写された一節 1946.2.22

中島幸太郎氏が赤松宅訪問（s21.2.22）の折に転記した「赤松部隊長戦場日記ノ一節」
（これは赤松嘉次が戦場で書いたものではなく、沖縄の収容所で辻政弘中尉「本部陣中日誌」を要約したものと思われます。）

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二○、三、二三、晴
敵機約述三○○機、慶良間列島ノ爆撃銃撃ヲナス
戦死者負傷者各十一名、兵器糧秣其ノ他焼損

二○、三、二四、晴
敵艦載機五○～六○機常時在空シ基地設備地上陣地棲息設備、山林谿谷に対し爆撃並ニ焼夷弾投下、軍ノ情勢ニ依レバ敵機動部隊ハ首里起点一六○度五○浬ノ基点ニ接近シツツアルモノノ如シ

兵戦傷若干、器材糧秣若干損害アリ

二○、三、二五
敵機常時在空三○～四○機主目標基地設備並ニ地上陣地ニ対シ爆撃焼夷弾攻撃及銃撃ヲナス、　敵機動部隊ハ巡洋艦駆逐艦潜水艦砲撃十五隻慶良間海峡ニ侵入、我ガ地上陣地並ニ基地設備ニ対シ熾烈ナル艦砲射撃ヲ加フ
船舶団長基地隊長以下十五名座間味島ヨリ橇船ニテ阿波連ニ上陸渡嘉敷島本部ニ来ル　軍並ニ軍船舶隊ヨリ部隊（戦隊ノミ）ニ対シ那覇ニ転進会合ヲ受領ス　勤務隊主力ニ整備隊一部並ニ水上勤務隊ノ一部ハ船舶隊長ノ意向ニ依リ渡嘉敷ニ残留敵ヲ邀撃ニ決ス　二二二○　部隊全員ヲ以テ舟艇泛水作業ヲ実施ス

我ガ方ノ損害
人員ナシ、兵器並ニ器材糧秣若干焼失、基地設備若干損害

二○、三、二六　晴
渡嘉敷基地ニ全舟艇ハ泛水茲ニ出発準備ハ完了スルモ泛水ニ五時間ヲ要シ出発準備完了ハ払暁ニ近ク然モ敵駆逐艦魚雷艇慶良間海峡に遊弋シ那覇転進ハ不可能ノ状態ニアレバ部隊ハ他日ヲ期シ涙ヲ呑ンデ三中隊ノ二艇ヲ残シ全舟艇ヲ渡嘉志久湾ニ自沈ス、阿波連基地ニアル第一中隊ハ泛水ハ阿波連湾内ニ敵駆逐艦並ニ魚雷挺（ママ）アリテ泛水不可能ナリ、敵機常時二○～三○爆撃並ニ渡嘉志久湾ニハ敵艦艇数隻ヲ以テ艦砲射撃ヲナス　攻撃目標ハ自沈舟艇地上陣地棲息設備ニシテ猛烈ヲ極ム　部隊本部旭沢ニ転進ス
船舶団長、基地隊長鈴木少佐外一名那覇帰隊ノタメ舟艇二ヲ以テ出発ス
中島少尉竹島候補生ハ操縦手トシテ整備隊下士官一、兵一ハ助手トナリ出発ス

損害　戦死―水上勤務隊軍夫二名、負傷一名

二○、三、二七　晴　曇
敵艦載機ハ常時二○～三○機在空シ銃撃爆撃熾烈ヲ極ム
艦船又慶良間列島周辺ヲ遊弋シ艦種不明ニシテ一○○数隻ナリ
○二○○　部隊長以下本部主力ハ旭沢ヲ撤退シ渡嘉敷北方複廓陣地ニ向フ
部隊重要書類ハ整備ヲナシ旭沢ニ埋没ス
南少尉以下五名儀志布附近遭難ノ三池少佐以下五名捜索ニ出発ス　
以下略々

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