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「集団自決」知ってほしい 「ウンジュよ」宮里さんが朗読作品

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「集団自決」知ってほしい 「ウンジュよ」宮里さんが朗読作品

2009年6月22日


「ウンジュよ」を朗読する女優の谷英美さん

 【東京】「集団自決」で息子を絞殺した母親の嘆き、苦しみを伝える朗読作品「ウンジュよ」を今帰仁村出身の宮里政充さん(70)=東京都北区=が著し、女優の谷英美さん=東京都北区=と共に9月に県内で初めて朗読公演を行う。「集団自決という伏せておきたい事実をあえて語り続ける体験者の声に感動し、この事実が知られていない本土に伝えたい」と突き動かされ、執筆した。宮里さんは「言葉の紡ぐ力を通じて沖縄の集団自決という問題を本土の人々と共有するきっかけにしたい」と語る。

 「わたしはもう年をとりました。体の肉はそげ落ちて骨と皮ばかりになりました」。そんな書き出しで始まる作品「ウンジュよ」は、旧日本軍の自決命令の中、一人息子を殺害した母親が「地獄の住人」として生き抜き、胸の奥にしまい込んでいた55年間の苦しみを回想する物語。県外では上演されてきたが、県内では9月12日に浦添市のベッテルハイムホールで「アローンシアター」公演実行委員会(宮城成子代表)が主催して初の公演となる。

 原作者で埼玉県立高校で36年間教師を務めてきた宮里政充さんは「白骨がごろごろ転がるガマの中で生きてきた」という沖縄戦体験者。「あえて東京都出身の女優、谷さんが朗読することで、当事者の体験を普遍性のある言葉の力で本土に広げたい」と話す。これまで朗読公演を県外で続け、今回、県内での初公演につなげたのは高校教師時代の日の丸掲揚問題など国内における時代的危機感も原動力になっている。

 公演する女優の谷さんも「交流を最大限生かせるよう精いっぱい努めたい」と期待を込める。

 9月13日には那覇市の青少年研修センターで詩人・金子みすゞの詩を読みながら生涯をたどり、人権を考えるワークショップも開催する。

 公演の問い合わせは沖縄公演実行委員会(電話)098(885)2425。


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