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自由社の歴史教科書が検定合格  「つくる会」メンバーら執筆

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自由社の歴史教科書が検定合格  「つくる会」メンバーら執筆

2009.4.9 11:05


 文部科学省は9日、来春から使用される教科書の検定結果を公表し、中学歴史(自由社)と高校生物II(東京書籍)の2冊が合格した。自由社の教科書は「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらが執筆し、扶桑社が発行する中学歴史教科書と記述の約8割が共通している。扶桑社版、自由社版ともに教育委員会などで8月までに行われる採択の対象となる。

 教科書検定は4年に1度の周期で行われ、今年は22年度から使用する教科書を選ぶ採択年に当たる。中学教科書は新学習指導要領に準拠し24年度から使用される教科書の検定を控え、現行の教科書会社は改訂を見送った。このため中学の検定申請は自由社だけだった。

 自由社の教科書は昨年12月、誤字を中心に516カ所と多くの修正点が指摘され、いったん不合格となった。同社は修正して再申請し、136カ所の検定意見が付いたが再修正して合格した。

 扶桑社版と異なる点は、図版の大半を差し替えたほか、「昭和天皇のお言葉」に1ページを割り当て、見開きで昭和天皇について記述。戦艦大和の戦いについても1ページを割いた。つくる会の藤岡信勝会長は「公共の精神の尊重など、改正された教育基本法の理念を取り入れた」としている。


 つくる会のメンバーらが執筆陣の教科書は扶桑社版が12年度と16年度検定に合格。その後、運営方針の対立などから一部メンバーが分かれ、「日本教育再生機構」を設立した。

 扶桑社側は子会社・育鵬社から新指導要領に合わせ教科書を出す。育鵬社版の執筆は再生機構が事務局の「教科書改善の会」のメンバーが参加する。

 藤岡会長らは昨年6月、現行の扶桑社版について22年度以降の出版差し止めを求めて東京地裁に提訴し、著作権をめぐり係争中。扶桑社は「教科書は執筆者、監修者、出版社が著作権を有する共同著作物。当社は22、23年度の教科書を引き続き発行し、教科書発行者としての責任を全うしたい」とコメントしている。

 自由社、東京書籍の教科書は5月25日から7月24日まで、東京都江東区千石の教科書研究センターで公開。自由社の教科書の検定意見と修正内容は、4月下旬から文科省のホームページに掲載される。





 東京書籍の高校教科書「生物II」は平成18、19年度と2年連続で不合格となったが、3度目の申請で検定を合格した。3度目の申請での合格は、8年度に合格した高校の商業「マーケティング」の教科書以来で、極めて異例。

 同社の「生物II」は18年度申請で641カ所、19年度申請で383カ所に誤りなどを指摘する検定意見が付けられ、100ページ当たり80カ所とされる基準を超えたため不合格。今回も132カ所に検定意見が付いたが、修正して合格した。

 合格が遅れた一方で、万能細胞の「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」を生物IIの教科書で初めて扱うなど、特色が出た一面も。東京書籍の編集者は「より新しい内容を盛り込むのが一貫した編集方針。その分だけ、どのような検定意見が付くのか予測しがたく、説明不足を指摘されることが多かった」と話している。


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