出版社「もめたくない」/「集団自決」記述

再訂正申請 執筆者は反発


 【東京】文部科学省ともめたくない―。再訂正申請に向けた執筆者との話し合いで、会社幹部はこう本音を漏らしたという。五日の社会科教科書懇談会で、執筆者らは、難航する会社側との協議の様子を明かした。

 ある会社は一度は申請に理解を示したが、後日「提出できない」と連絡してきた。反発した執筆者側が問いただすと「訂正申請したからといって(学校現場での)採択率は変わらない。沖縄戦記述が少ない本が採択されている」と反論。

 「文科省は昨年で解決済みという態度。自社だけ突出してにらまれたくない」と説明したという。

 別の社は、執筆者側が示した再訂正申請の文案自体には賛同しつつも「文科省とトラブルを起こしたくない」と申請を拒んだ。

 執筆者の一人は「これ以上局面を打開するのは難しい。あとは、この問題を社会的に訴えていくしかない」と声を上げた。

「一社でも」訴え
県内関係者

 「集団自決(強制集団死)」をめぐる教科書検定問題で、記述に対する再訂正申請が厳しい情勢になったことに対し、県内の関係者からは「最後まであきらめないで」との声が相次いだ。

 「教科書検定意見撤回を求める県民大会」実行委員会の玉寄哲永副委員長は「一社でも申請してくれれば、とても勇気づけられる。沖縄県民は切実に願っている。ギリギリまで申請を目指してもらいたい」と話した。

 高教組の松田寛委員長は、「裁判では軍の強制が明確になったのに、教科書がそのままでは県民として納得できない」と話した。