意見原案を審査後公開/教科書検定で改善策/作業部会に文科省示す

審議会は非公開


 【東京】沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」をめぐる教科書検定問題を受けて、検定手続き見直しを検討している教科書検定審議会の作業部会が四日午前、都内で開かれ、文部科学省から改善策素案が示された。審査過程の透明性向上に向けては、検定意見の原案として教科書調査官が作成する「調査意見書」や判定案を審査後に公開することを盛り込んだ。こうした資料公開は初めてとなる。

 検定審議会の各部会や小委員会についても開催日、出席委員、付議事項、決定事項、審議内容をまとめた議事概要を審査終了後に公表するとした。しかし、委員個々の意見のやりとりは記載しないとし、会議自体の公開も見送った。

 申請図書の情報が流出するなど審議に支障があるとされた場合には、審議を一時停止できる措置をより明確化。訂正申請の内容が申請者以外に知られることがないよう適切な情報管理を行うことを規定上はっきりさせる。

 学説が複数ある記述など、審議する上で特に慎重な判断を要する場合は、専門委員の任命や外部専門家の意見聴取を行うとした。

 教科書調査官については、これまで審査要綱に書かれていた具体的な役割や職務内容を教科書検定規則に明文化する。検定の信頼性を一層高めるため、調査官の氏名や職歴を公表するとともに、一九六九年に作られた選考基準も、幅広く適材を確保するため必要な見直しを行う。

 検定意見の伝達については、「丁寧に伝達されるよう運用改善を図る」と
して、事前に教科書会社に資料を手渡し、会社側が問い合わせる時間的余裕を確保する。趣旨や理由が正確に伝わるよう分かりやすい記述に努める。

 教科書検定では、二〇〇六年度検定で「集団自決」をめぐる高校日本史教科書に旧日本軍の「強制」の文言削除を求める検定意見が付き、その根拠や経緯が不透明と指摘された。これを受け、渡海紀三朗文部科学相(当時)が「透明化向上や専門的見地から検定の在り方を議論してもらいたい」と改善策を検討するよう検定審議会に求めていた。