産経【田母神氏招致・詳報】(1)(2)



(1)「後世の歴史の検証に耐えうる質疑をお願いする」委員長冒頭発言で



参院外交防衛委の参考人招致で、
質問に答える田母神俊雄・前航空幕僚長=11日午前


 11日に参院外交防衛委員会で行われた田母神俊雄・前航空幕僚長の参考人質疑の詳報は以下の通り。

【委員長の冒頭発言】


 北沢俊美・参院外交防衛委員長「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行います。本日は参考人として前防衛省航空幕僚長、田母神俊雄君にご出席をいただいております」

 「この際、田母神参考人に一言申しあげます。現在、本委員会ではいわゆる補給支援特措法改正案を審議しておりますが、今般、参考人の論文をめぐる問題を機にわが国の文民統制に対する国民の懸念が高まり、そのあり方が問われる事態となっております」

 「本日、参考人に出席を求めた趣旨は、国民の代表機関たる国会の場において政府に対し、この問題をただす一環として招致したものであり、決して本委員会は、参考人の個人的見解を表明する場ではありません。参考人におかれてはこの点を十分に理解し、質疑に対し、簡潔にご答弁をいただきますようようお願いをいたします」


 「さらに本日の委員会の質疑にあたって、質疑者ならびに答弁者に対し、委員長から一言お願いをいたします。今回の前航空幕僚長の論文事案は、制服組のトップが自衛隊の最高指揮監督権を有する内閣総理大臣の方針に反したことを公表するという驚愕(きょうがく)の事案であり、政府防衛省において、文民統制が機能していない証であります。このような中で国民が文民統制の最後の砦(とりで)として期待するのは国会であります」

 「昭和の時代に文民統制が機能しなかった結果、三百数十万人の尊い人命が失われ、また、国家が存亡の淵に立たされたことは、忘れてならない過去の過ちであります。国家が存亡の淵に立った最初の一歩は、政府の方針に従わない、軍人の出現と、その軍人を統制できなかった政府議会の弱体化でありました。こうした歴史を振り返りつつ、現在の成熟した民主主義社会の下において、国民の負託を受けた国会がその使命を自覚し、もって後世の歴史の検証に耐えうる質疑をお願いする次第であります。それでは質疑のある方は順次、ご発言をお願いします」


【浅尾氏の質問】


 浅尾慶一郎氏
「冒頭、2、3、参考人に伺いたいと思いますんで。事実関係ですので簡潔にお答えいただきたいと思いますが、いわゆるアパの論文につきまして、235件の応募のうち、94件が自衛官だということが判明しておりますが、参考人は記者会見でですね、「こういう論文があるということを紹介はしたことはあるが、組織的に勧めたことはない」といっておりますが、自衛隊のどなたに紹介をしたのかお答えいただきたいと思います」

 田母神氏
「私は、航空幕僚幹部の教育課長にこういうものがあるというふうに紹介をいたしました。そして、私が指示をしたのではないかというふうに言われておりますが、私が指示をすれば、多分98とか70なんぼとかいう数ではなくてですね、もう1000を超えるような数が集まると思います」

 浅尾氏
「次に、参考人はアパの代表である元谷氏とですね、さまざまな個人的な関係もあるというふうに報道されておりますが、私が調べましたところ、参考人の公用車運行記録、都外、自衛隊の施設所以外というところでですね、本年の6月2日、アパグループ会長元谷氏の出版記念行事に行かれておりますが、このとき参考人は代休をとっておられますが、公用車を使っていかれたということで間違いありませんか」

 田母神氏
「公用車を使って行っております。休暇については、とっていなかったのではないかというふうに思います」

 浅尾
「あの、今朝、防衛省からはですね、代休をとっておられるという説明があったもんですから、ちょっとその辺を明らかにしたいと思いますが、防衛省、分かりますか」

 浜田靖一防衛相
「当日、代休をとり参加したという記録があると承知しております」

 浅尾氏
「代休をとったときに公用車を使うのがいいのかどうか。これは非常に不適切ではないかなあということだけは指摘をさせていただきたいと思います。次に、アパとの関係で、その出版記念パーティーで、あるいはその他のときに、車代等の授受はございますか」

 田母神氏
「車代などをいただいたことはございません」

 浅尾氏
「すなわち一切、資金提供、その他便宜を受けて、提供を受けたことがないということでよろしいですね」

 田母神氏
「はい、資金提供などは一切受けておりません」

 浅尾氏
「次に防衛省に伺いますが、防衛大臣はですね、今回の田母神参考人の論文がですね、自衛隊法第46条の、懲戒処分の規定にある、隊員たるに相応しくない行為について、それの疑義がある、しかし、定年との関係で疑義があるんで、審理の時間がないので、審理はしなかったと答えておられますが、そういう理解でよろしいですね」

 浜田防衛相
「あのー、私、今回の事案につきましてはですね、基本的に、政府見解と異なる答弁を、というか論文を公表したことが極めてわれわれとすれば問題でありますし、まあご自分の職種というものに対して、そこの自覚という部分に対して、その立場にありながら、そういった論文を公表したということが問題だというふうに認識をしているところであります」

 浅尾氏
「私の質問は、まず政府見解と異なるものを発表したので、人事上の措置として空幕長の職を説いた、その次に、過去にも国会の中で、懲戒処分はしないのかという質問に対して、時間がないという答えだったので、懲戒処分にあたる自衛隊法第46条に規定する隊員たるに相応しくない行為があったと、あった可能性については否定しないという理解でよろしいですかということなんで、簡潔にお答えいただきたい」

 浜田防衛相
「今回の今、委員のご指摘の点につきましては、われわれとすれば今回時間がないというようなお話をさせていただきましてたけれども、今回の手続きなどを考えれば、われわれすれば、この田母神幕僚長に対して、いろいろな形でお働きかけをさせていただいて、辞任を説得いたしましたけれどもですね、ご自分がそういった意味では、この処分に対してですね、えー、いろいろな審理に対してですね、お答えをしていくということでお話しをされましたので、そういった意味で、今回その手続きにあたってですね、時間がかかるというお話しをさせていただいたわけですんで、そういう意味ではわれわれとすれば、その点も含めて、しっかりと判断をさせていただいたいということであります」

 浅尾氏
「長く答えていただく必要はないんです。疑いがあったけど、審理の時間がとれなかったので、定年退職という措置をとったということで間違いないかどうかだけお答えいただきたい。

 浜田防衛相
「結果的にそういう判断をしたということです」

 浅尾氏
「私は、審理に時間がかかるということであっても、述べられている中身を争ってもそんなに時間がかかるものではないので、その判断間違っていると思う。ちなみに、自衛隊法の施行規則があり、自衛隊法施行規則の第72条、勤務の停止、任命権者は、規律違反の疑がある隊員を、みだりに退職させてはならない。自衛隊法施行規則に反するんじゃないですか」

 浜田防衛相
「人事監督権は私にございますので、総理というよりも私の人事監督権と思っておりますし、その中において、むやみということではなく、私とすれば、今回の田母神幕僚長のとった立場、そしてまた、そのお考えが、私共政府と見解が違うということを考えたときに、当然、われわれとすれば、今、こういう形で、懲戒処分ができないということであるならば、当然、それを私どもとすれば、しっかりとこのまま長くこのままとどまっていただくことが、今後自衛隊に対してのいろいろな士気の影響というものも考えて、そういう部分で勘案をしたと思っておりますので、決してそれに該当するものではないと思っております。

 浅尾氏
「規律違反の疑がある、どういう場合はみだりに退職させて、なぜみだりにじゃないかということをお答えいただきたい」

 浜田防衛相
「基本的に今回の場合は、みだりということではなく、その理由がしっかりあるからそういう形をとったということです」

(続く)


(2)「村山談話の見解と私の論文は別物」



参院外交防衛委に参考人招致され、
発言を求め手を挙げる田母神俊雄・前航空幕僚長。
手前は右から河村官房長官、中曽根外相=11日午前


 11日の参院外交防衛委員会ので田母神俊雄・前航空幕僚長の参考人招致の詳報(2)は以下の通り。

【浅尾氏の質問】


 浅尾氏
「手続きにおいて時間がかかるから、ということだが、過去の平均日数54日。私は時間をとらなかったのは(規則が禁じる)『みだり』(に退職させてはならない)にあたると思う。鵬友という雑誌の昨年の5月号に今回の論文と同じ趣旨の意見を発表しているが、間違いないか」

 田母神氏
「間違いございません」

 浅尾氏
「鵬友に寄稿されたときに内局などから何から注意はあったか」

 田母神氏
「注意はありません」

 浅尾氏
「そうすると、昨年5月の段階では問題なかったことが、今年になって問題になってきているというのは、マスコミが本件を大きく取り上げたから問題になったと田母神参考人は思っているのか。別の聞き方をすると、内局としては昨年5月に同じことを認識していたが、注意をしなかった。本年になって世間が騒いだから注意をするようになったとの認識を田母神参考人はもっているか」

 田母神氏
「騒がれたから話題になったという風に思います」

 浅尾氏
「では、防衛大臣にうかがうが、なぜ昨年5月の段階でまったく注意がなかったのか」

 浜田防衛相
「鵬友の雑誌の性格が部内誌あったということもありますし、そこまでわれわれとしてはそこまで目が及んでいなかったのは事実だ」

 浅尾氏
「鵬友が部内誌というのは任意のサークルがつくっている。国会図書館にも出されている資料で、しかも大臣のところには100冊ぐらい届けられている。従って部内誌だから政府の見解と異なることを発表してもいいということをおっしゃっているのか」

 浜田防衛相
「われわれとすると、その今回の件を含めてそうだが、自分の意見、考えを決していってはいけないということはいっているわけではない。当然、専門知識などを私どもにいってもらうのはいけないといっていない。監督不行き届きといわれても今の状況からいえば当時の同人雑誌への寄稿をチェックしていなかったのは事実だと思います」

 浅尾氏
「なぜ今回はチェックをしたから航空幕僚長の職を解いたのか」

 浜田防衛相
「私とすれば、さきほど来、今回の皆様方のシビリアンコントロールの指摘を受けた際に、航空幕僚長の立場で見解を通知せずに、立場において発表したのは極めて問題と思っている。その意味では、私どもの判断としておやめ頂いた、ということ」

 浅尾氏
「確認ですが、政府見解と異なることを発表しても、通知があればいいと。あるいは政府見解と異なることを申し上げても気づかなければいいということか」

 浜田防衛相
「そのようなことではございません。これを手続き上、こういった形で応募しました、内容はこうですということを報告いただければ適切な指摘をさせていただいて、その認識についてわれわれとすれば、われわれの考えを伝えて当然そこでどのような判断されるかを含めて、幕僚長の立場としての意見を正していかなければいけない立場であるから、ですから言わないからとか、いったからではなくて、今回の航空幕僚長の立場において極めて不適切であるという判断をした」

 浅尾氏
「政府見解と異なっても思う可能性もあるので、雑誌にのせた段階で政府側がチェックをし、指摘するべきではなかったか。その点に政府に誤りがあったかどうか」

 浜田防衛相
「その時にチェックできていなかったのは事実だ。そしてそれを多くの隊員に影響を及ぼしたかという可能性は否定しないが、まだその点をチェックしていないわけで、要するに影響がでたとか、でないとかについては。まだそれは今ここでお答えすることはできない」

 浅尾氏
「チェックできなかった責任は」

 浜田防衛相
「いま雑誌に関しての記事はチェックしていなかったのは事実でそれは問題」

 浅尾氏
「その責任はどなたがとるのか」

 浜田防衛相
「これはそういった場合には上司の判断をうるので、いま田母神幕僚長のそのときの地位の、あとのきは自衛隊幹部学校でしたか、ここの上司がチェックする責任があった」

 浅尾氏
「そのときは航空幕僚長でありましたので、従って官房長が責任があるとの理解でいいか」

 浜田防衛相
「そういうことになると思います」

 浅尾氏
「官房長に対し処分するのか」

 浜田防衛相
「これは昨日処分させていただいた。今回の処分でしたが、そのときの処分に対してわれわれとしては考えておりませんで、今回の件に関しての処分をした」

 浅尾氏
「田母神参考人は東大で講演されている。かなり論文と異なっている。当時の講演は石破大臣が原稿をチェックしたと聞いているが、その理解でいいか」

 田母神氏
「原稿は書いておりません。チェック受けていないが、石破大臣から発言には十分注意してくださいとの指導は受けた」

 浅尾氏
「東大のときとアパの論文のときと内容を変えた理由は」

 田母神氏
「それは大臣の指示でありますから、これには従わなければいけないということで、アパの論文に比べればやわらかい表現にした。ただ、私は村山談話の見解と私の論文は別物だ。村山談話は具体的にどの場面が侵略だとかまったくいっておりませんので、私は村山談話と違った見解を書いたとは思っていない。われわれも憲法19条、21条、23条の自由は…」

 浅尾氏
「小松基地での論文は田母神参考人と同じ趣旨の論文だが、すべて中身をチェックをしたのか」

 浜田防衛相
「いま調査しているところで、今回チェックした中身は同じ趣旨のものはなかったと聞いている。ただ、聞き取りの形しかとれないので、まだ調査段階」

 浅尾氏
「94人のうちの小松基地所属の分については事前に読んでいたのか」

 浜田防衛相
「いま調査している中では項目立て 本人に対して確認というとこまで、すべて読んでいるというわけではない」

 浅尾氏
「小松基地においては提出期限をのばして、とりまとめて出したということなので、全部読んだということではないのか」

 浜田防衛相
「私への報告は、全部読んだと聞いていない」

 浅尾氏
「企業がメセナ活動とはいえ、主催する論文に航空の教育課長が通知するのは一般的に行われていることなのか」

 浜田防衛相
「今回のような形は初めて。ただ、論文提出に応募することは禁止していない。ただ、今回のように極めて異例の、異例というかそういった状況で応募するというのは今後考えないといけない」

 浅尾氏
「特定の企業が主催している懸賞論文をすすめるのは異例か」

 浜田防衛相
「今回の案件に関しては委員のおっしゃるとおり」

 浅尾氏
「隊員にふさわしくない行為ではないのか」

 浜田防衛相
「いま指摘の点は検討しなければいけないので、お時間をいただきたい」

 浅尾氏
「参考人は論文で集団的自衛権や武器の使用など政府解釈と異なる見解を述べているが、その解釈を変えた方がいい。あるいは憲法改正の気持ちをもって書いたのか」

 田母神氏
「その時点では紹介されておる、一般に話されていることをまとめて書いて、日本の状況はこうなっていますと書いただけです」

 浅尾氏
「集団的自衛権の行使を認めるべきだという趣旨で書かれたのではないということか」

 田母神氏
「とくにそこまでは訴えていません」

 浅尾氏
「私が読んだ限りにおいてはそういうものがなくて大変だと書いている気がするが、気持ちが変わったのか」

 田母神氏
「いまは改正すべきと思っている」

 浅尾氏
「憲法をか」

 田母神氏
「国を守ることについて意見が割れるようなものは直したほうがいい」