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【琉球新報】一口に歴史といっても正史、外史、裏面史などさまざまだ

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一口に歴史といっても正史、外史、裏面史などさまざまだ


 一口に歴史といっても正史、外史、裏面史などさまざまだ。正史は、その時の王朝が認めた歴史で正しい歴史という意味ではない。都合の悪い部分は粉飾されたり消されたりしている場合もあり史料批判は不可欠だ

▼民俗学者・柳田国男は「毎日われわれの眼前に出ては消える事実のみによって立派な歴史書は書ける」と世相史「明治大正史 世相篇」を1930年に執筆した。衣食住、風景、恋愛、酒、交通など庶民の暮らしを描いたが、その自序で資料収集や執筆法で苦心したことを記している

▼そして「一個人の特殊な地位にある観察者の論断を、人にしいるものとみられるのは迷惑である」と歴史の名で自分の考えを押し売りすることはしていないと明記した

▼オーラル・ヒストリー学会ができるなど聞き取り調査が注目されている。収集された記録の資史料としての適切な保存・公開の方法について、統一的見解をまとめるに至っていないという。きょう岩波・大江「集団自決(強制集団死)」訴訟の控訴審判決がある

▼沖縄戦継承のために掘り起こされた住民証言が検証されている。沖縄国際大学の鳥山淳氏は「事実の確認は必要だが、戦争の痛みを継承しようとする思いが置き去りにされてしまうことに注意する必要がある」と危惧(きぐ)する

▼証言による歴史は聞き手、読み手側の姿勢も問われる。


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