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【沖縄タイムス】元戦隊長の控訴棄却 「集団自決」訴訟

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【沖縄タイムス】元戦隊長の控訴棄却 「集団自決」訴訟

一審判決を支持/大阪高裁 傍聴券求め281人


 沖縄戦時に慶良間諸島で相次いだ住民の「集団自決(強制集団死)」をめぐり、座間味島と渡嘉敷島に駐屯していた旧日本軍の元戦隊長やその遺族が、戦隊長が自決を命じたとする著作の記述は誤りとして、作家の大江健三郎氏と岩波書店に「沖縄ノート」などの出版の差し止めや慰謝料などを求めている訴訟の控訴審判決が三十一日午後、大阪高裁であった。小田耕治裁判長は元戦隊長側の控訴を棄却した。

 今年三月の一審・大阪地裁判決は、「集団自決」の軍命令が援護法の適用を受けるための捏造だったとする元戦隊長側の主張を退けたほか、部下が住民に手榴弾を配っていた事実を知らなかったという梅澤氏の主張の信用性を否定。体験者証言を評価し、米軍への秘密の漏えいを恐れた日本軍が、捕虜にならずに自決するよう住民に手榴弾を手渡していた事実を指摘した。

 その上で、「集団自決」に対する日本軍の深い関与を認め、両戦隊長による関与も十分に推認できると認定。

 各書籍に記載された通りの命令については「認定に躊躇を禁じ得ない」としたが、記載には事実を真実と信じるだけの十分な資料と根拠があるとの判断を示していた。

 控訴審では、原告と被告の双方が主張を補強する住民らの「新証言」を証拠として提出しており、大阪高裁がどのような判断を示しているかも注目となる。

 訴えていたのは、座間味島の戦隊長だった梅澤裕氏(91)と、渡嘉敷島の戦隊長だった故赤松嘉次氏の弟の秀一氏(75)。「沖縄ノート」と故家永三郎氏の「太平洋戦争」で、両元戦隊長の名誉が傷つけられているほか、弟の秀一氏が兄の故赤松氏を敬い慕う「敬愛追慕の情」の侵害を主張していた。

 開廷前に行われた傍聴抽選には、記者席を除く六十五の傍聴席を求めて二百八十一人が列をつくった。



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