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一 一橋出版「世界史A」「世界史B」の南京事件記述

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pipopipo555jp

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中国女性にとっての日中十五年戦争

一 一橋出版『世界史A』『世界史B』の南京事件記述

私たちが一橋出版から新しく発行する世界史の教科書では、南京大虐殺事件(略して南京事件という)についてかなり詳しく叙述している。『世界史A』では「日中戦争と抗日戦争」という筋立で、本文半ぺージをさいて南京事件の生じた経緯を記述し、『世界史B』では「中国の抗日戦争」というテーマで、ほぼ一ぺージをつかって、南京大虐殺がどのような経緯でなぜ発生したかを、日本兵士の日記を引用しながらできるだけ具体的に記述した。おそらく日本の歴史教科書のなかで、これほど詳しく南京事件に言及したのは一橋出版の世界史教科書が初めてではないかと思う。

周知のように、南京大虐殺と日本軍の中国掃女凌辱の問題は、第三次家永教科書検定訴訟の重要な争点の一つである。とりわけ、中国婦女凌辱の問題については、教科書検定で厳しくチェックされ、従来の歴史教科書にはその記述が認められなかった箇所である。今回一橋出版の世界史教科書で、
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「婦女を強姦」という言葉を「帰女を暴行」と修正を求められたものの、その他は原稿どおり記述できたことは、教科書検定訴訟支援運動の大切な成果の一つであると私には思える〔検定合格した同教科書記述に対して、その後南京大虐殺を否定する文筆家や文芸春秋、産経新聞などのタカ派ジャーナリズムから「外圧」が文部省と出版社・著者に加えられ、前述の一兵士の日記を中島今朝吾第一六師団長日記に差し換えて引用することになった〕。


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