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坪内祐三『靖国』

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坪内祐三『靖国』

1999年1月30日発行 新潮社

単行本

坪内さんが著わした『靖国』は労作・大著です。(文庫本の案内はこちら
そしてとても優れた「羊頭狗肉」本です。
読者は「羊頭狗肉」に関して不満は持ちません。
靖国神社の神義にかんする「羊頭」部分よりも、靖国神社アミューズメントパークにかんする「狗肉」の部分の方が圧倒的におもしろいからです。

著者自身も、「羊頭」部分はまえがきで触れてはみたものの、本編ではいっさいふれていません。「招魂斎庭」がなぜ消えてしまったのか、著者自身の問いかけに対する解答努力は、著者自身によって完璧に忌避されています。

しかし、ブックレビューかせいぜい「まえがき」しか読まない新聞記者や雑誌編集者の皆さんは、そんな実態をしりません。坪内さんを「靖国神社評論家」と思こんでいますから、天皇の靖国参拝から御神体に関するまで、何かというと『識者回答』を坪内さんに求めます。


目次

プロローグ 招魂斎庭が駐車場に変わる時
第一章 「英霊」たちを祀る空間
第二章 大村益次郎はなぜその場所を選んだのか
第三章 嘉仁親王は靖国神社がお好き
第四章 招魂社から靖国神社へ、そして大鳥居
第五章 河竹黙阿弥『島衛月白浪』の「招魂社鳥居前の場」
第六章 遊就館と勧工場
第七章 日露戦争という巨大な見世物
第八章 九段坂を上る二人の男
第九章 軍人会館と野々宮アパート
第十章 力道山の奉納プロレス
第十一章 柳田國男の文化講座と靖国神社アミューズメントパーク化計画
エピローグ 「SUKIYAKI」と「YASUKUNI」


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