- イ 渡嘉敷島について
- (ア)(赤松命令説記載文献)*
j 「家永第3次教科書訴訟第1審 安仁屋政昭証言」(安仁屋政昭編「裁かれた沖縄戦」所収)(ha)
安仁屋政昭は,家永第3次教科書訴訟第1審における証言当時は沖縄国際大学の歴史学の教授であり,沖縄史料編集所に勤務した経歴を持ち,渡嘉敷村史の編集にも携わった者である。
『家永第3次教科書訴訟第1審 安仁屋政昭証言」には,
「米軍の上陸前に赤松部隊から渡嘉敷村の兵事主任に対して手榴弾が渡されておって,いざというときにはこれで自決するようにという命令を受けていたと,それから,いわゆる集団的な殺し合いのときに,防衛隊員が手榴弾を持ち込んでいると,集団的な殺し合いを促している事実があります。これは厳しい実証的な検証の中で証言を得ております。曽野綾子さんなどは,『ある神話の背景』という作品の中でこれを否定しているようですけれども,兵事主任が証言をしております。兵事主任の証言というのはかなり重要であるということを強調しておきたいと思います。」
「兵事主任という役割は,大きな役割だと言いましたが,兵事主任の証言を得ているということは,決定的であります。これは,赤松部隊から,米軍の上陸前に手榴弾を渡されて,いざというときには,これで自決しろ,と命令を出しているわけですから,それが自決命令でないと言われるのであれぱ,これはもう言葉をもてあそんでいるとしか言いようがないわけです。命令は明らかに出ているということですね。」
との記述がある(乙11・54,69頁)。
また,安仁屋政昭は,陳述書においても,同趣旨の記載をしている(乙68)。