第3・4(1)ウ(キ)(安里巡査の説明と星雅彦記者の記事)
原告らは,渡嘉敷島の集団自決の経緯について,安里巡査の説明(甲B16)と星雅彦記者の記事(甲B17)に基づいて主張しているが,両者の説明はいずれも信用性がない。
まず,星雅彦については,いかなる対象についていかなる取材を行ったか明らかでないし,星雅彦自身認めるとおり,星雅彦の記事は,星の想像に基づいたものにすぎない。
安里巡査については,集団自決の現場へ住民を集結させながら,状況を赤松大尉に報告するため自決はできないとして,自らは,集団自決の現場から少し離れたところから見ていたとされる人物であり(乙9・768頁),その責任を逃れるため,集団自決は軍や赤松大尉の命令によるものではなかったとしなければならない立場にある人物であるから,信用性がない。