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【沖縄集団自決訴訟・大江氏側会見詳報】(3)「中傷のために書いたのではない」-MSN産経

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【沖縄集団自決訴訟・大江氏側会見詳報】(3)「中傷のために書いたのではない」

2008.3.28 12:48


 --原告側の元隊長の2人が実際に集団自決を命令したかどうかで、判決は命令が島民らに伝達されたかどうかは断定できないとしていることをどう考えるか

 大江氏「命令がどのような経路で伝達されたかは、はっきりしないし、断定できないと裁判官も言っていたが、そのことは一切『沖縄ノート』には触れていない。命令経路が問題ではなく、軍の強制があり、600人が亡くなったことが問題。私は2つの島にこういうことが実在したことを書いた。命令の伝達は私の関心にはない。今も同じだ」

 --原告の2人にコメントすることはないか

 大江氏「2人に訴訟を起こされ、法廷で判決を聞いた。その過程で、陳述書を通じ2人の考え方を知った。陳述書では私に対するさまざまな批判が述べられていた。その批判は『沖縄ノート』を読んで、というよりも、作家の曽野綾子氏の本を読んで大江に怒りを覚えるといった形だった。『自分や兄について大犯罪人とか口を汚くしてののしっている』と書かれていたが、私はそういうことは『沖縄ノート』に記述していない。2人には『沖縄ノート』をもう一度読んでいただければと思う。それが私の2人に対する個人的な感情だ」




 --本を読んで頂ければわかるということか

 大江氏「2人を個人的に誹謗中傷するために書いたものではないということが、分かってもらえると思う」

 --有事法制や教科書の記述変更の問題の流れに対し、今回の判決はどう影響すると思うか

 大江氏「有事法制から教科書の書き換えという2年ごとに行われた大きな動きがあるなかで、一番力を持ったのは、11万人が集まった沖縄の集会だ。日本本土にも大きな問題であることが知らされた。

 判決を拝見すると、軍の関与はすごい強いものだと思う。現場の先生方も教科書に『関与』という言葉しかなくても、その背景の意味を教えることができる。今度の裁判で『沖縄ノート』が敗訴しなかったことは、教育の場所で、例にひくことができる出来事だと思う。

 一人の小説家としてこれからも書いていくが、経験上、このような大きな社会的効果をあげられるとは今後、ありえない。これらが、この裁判の大きな収穫だと思う」


 --日本軍の命令をどう解釈したらよいか

 弁護団「判決文を全文読んでいないが、関与が事実上強制であると書き込まれていると思う。文部科学省が考えている遠い意味での関与ではなく、強制的な関与であったと、資料から認定されていると考えている。そうでなければこういう判断はありえない。この訴訟は、大江さんと岩波書店が訴えられたという意味ではなく『集団自決が日本軍の強制ではない』と歴史を塗り替える目的で起こされた裁判だ。私たちは責任を感じており、裁判の証人を発掘してきたが、この裁判は歴史的にも意味があると思っているし、沖縄の熱い思いがこの裁判にも反映されていると考えている」

 --岩波書店は出版社の立場からこの判決をどうとらえるか

 岩波書店側「家永(三郎)さんのように亡くなってしまった著者の歴史書に、例えば、名誉棄損という形で訴訟を提起することができるのか。我々は亡くなってしまった著者の記述を直すことができない。今回の判決で、私たちは安心している。特に、現代史を記述することには、歴史研究者は常に名誉棄損を考えながらやらなければならず、非常に大変な問題になると思っていた。今回の判決はそういう意味でよかった」

 ここで記者会見が終了。大江氏らが会場をあとにした。
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