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【沖縄集団自決訴訟・大江氏側会見詳報】(1)「軍命令を明確に認定」-MSN産経

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【沖縄集団自決訴訟・大江氏側会見詳報】(1)「軍命令を明確に認定」

2008.3.28 11:49



判決後に記者会見する(右から)岩波書店の宮部信明編集局部長、作家の大江健三郎さんら=28日午前10時50分、大阪市北区の大阪司法記者クラブ


 沖縄戦の集団自決訴訟の被告で、ノーベル賞作家、大江健三郎氏と岩波書店側の記者会見は28日午前10時45分から、大阪司法記者クラブで始まった。まずは、弁護団から判決内容についての説明があった。

 弁護団「時間も限られているので、こちらからごく簡単に述べた上で、ご質問にお答えしたい。本日の判決の内容は、裁判長が述べた通り、原告の請求をいずれも棄却。『太平洋戦争』それから『沖縄ノート』いずれも違法性がないとして損害賠償を棄却しています。判決要旨で述べられている通り、本件の重要な争点は座間味島、渡嘉敷島などで起きた集団自決が日本軍の命令、あるいは強制によって行ったのかが問題点。これについて今日の判決はその点を明確に認定している。『隊長が具体的に自決命令を出したのかどうかは、伝達経路が明確でないという点があるので、あったと断定するには躊躇(ちゅうちょ)を禁じ得ないが、いろんな資料などから2人の隊長が自決命令を下したと信じる根拠がある』と、はっきり判決を下しました。この訴訟の役割を明確にとらえた判決と考えています」

 さらに弁護団が続ける。


 弁護団「なお1点申し述べると『沖縄ノート』については、隊長命令があったとは書いておらず、日本軍の命令があったとしていた。それについて、『隊長命令があった』と裁判所が認定した点はわれわれの主張とは違います。ただ、われわれも隊長命令の根拠は『日本軍の命令』だとしているわけですから、その点は齟齬(そご)がないともいえます」

 続いて、岩波書店側がコメントを読み上げる。

 岩波書店「私たちの主張を認めた妥当な判決である。沈黙を破って貴重な証言をしていただいた沖縄の生存者方々ほか多くのご支援に感謝したい」

 ここで、大江氏がコメントを述べた。

 大江氏「私が『沖縄ノート』には、2つの島で600人にも及ぶ人たちが軍に強制されて自殺した史的な事実を書いています。私は隊長の名を書かず、個人の名前をあげて悪人としたり罪人としたりしたことは一度もしていません。それはこれを個人の犯罪とは考えていないからです。これは軍と国が天皇の国民をつくるための教育を背景に、軍の強制があったとしているわけで、私の書物が主張していることは、きょうの裁判で良く読み取っていただいたと考えております」
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