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毎日:座間味村教委がガイド本、体験者30人が証言

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沖縄戦集団自決:「軍の強制伝えたい」 座間味村教委がガイド本、体験者30人が証言



 太平洋戦争末期の沖縄戦で住民が集団自決に追い込まれた座間味村(ざまみそん)教委が、生き残った村民の証言などを平和学習用ガイドブックにまとめ、30日、村で発刊式があった。高校日本史の教科書検定は軍の「強制」を認めなかったが、ガイドブックには軍の命令があったとする村民の証言が盛り込まれた。村教委は2000部を印刷して修学旅行生などの教材に使う。

 「戦世(いくさゆ)を語りつぐ」(A5判、136ページ)。村教委が06年12月、編集委員9人に委託し、改めて約30人から当時の証言を聞き取った。

 軍の命令を証言したのは当時、兄盛秀さんが村助役だった宮平春子さん(81)。米軍上陸前夜、盛秀さんが父に「米軍が上陸するのは間違いないので敵の手にとられないよう玉砕するよう、軍から命令があった。だから潔く死のう」と話したことを書いた宮平さんの寄稿を掲載した。

 一方、生存者の多くは高齢化で記憶があいまいだったり、証言を拒む人もいた。このため、89年に発刊された村史から24人の証言を抜粋した。また、聞き取り調査や村史を総合して村内5地区ごとの住民の避難状況や戦後の暮らしもまとめた。

 自らも集団自決の生き残りで編集委員長の宮城恒彦さん(74)は「日本軍隊長の命令があったかどうかはもう検証のしようがない。しかし、住民は軍から米軍に捕まれば殺されたり強姦(ごうかん)されると教えこまれており、軍の強制があったのは間違いない。こうした歴史を後世にきちんと伝えたい」と話している。

 ガイドブックは希望者には販売する予定。問い合わせは村教委(098・987・2153)。【三森輝久】

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 ■ことば

 ◇集団自決

 沖縄戦で米軍は本島上陸に先立つ1945年3月26日、座間味島など慶良間(けらま)列島に上陸。県のまとめでは日本軍が配った手りゅう弾などで座間味島で171人▽慶留間(げるま)島で53人▽渡嘉敷島で329人が集団自決に追い込まれた。

毎日新聞 2008年1月31日 西部朝刊
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