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ここから本文エリア 福島市で計画的除染開始/「大事な一歩」2011年10月19日
●大波地区 住民、首相に要望も 福島市の大波地区で18日始まった「面的除染」は、民間住宅や道路などを含む地域一帯で行う除染で、同市で初めて。地区内のすべての住宅や道路などで順次、作業を進め、山林や田畑を除いて12月には終える計画だ。作業の様子を見学する住民たちもいた。 大波水戸内向の代行運転手須田義春さん(61)方は、前日の測定で庭が毎時2.2マイクロシーベルト程度だったという。午前8時ごろ始まった屋根の高圧放水での洗浄や、ブラシを使った外壁の洗浄、庭木の伐採、重機での表土削りといった作業を見守った。汚染された土はすべて庭に埋めて一時保管するという。 地区全体の除染が始まったことについて須田さんは「放射線量が下がり、避難しているたくさんの子どもたちが戻って来るのを期待している」と話した。 この日は野田佳彦首相が現地を約20分間視察し、瀬戸孝則市長らが除染計画や仮置き場などについて説明した。同席した同地区町会連合会長の佐藤秀雄さん(64)は「地区の現状を分かってもらったと思う。子どもたちが学校より長い時間生活する自宅の線量を下げることが大事で、除染は大事な一歩だ」と話した。 近くに住む看護師野田康代さん(38)は、放射線量が高い中で子どもたちと住んでいることを野田首相に伝えたいとの思いで現場に来たという。視察後、車両の窓を開けてすぐ前を通りかかった首相に、持参した子ども3人の写真を見せて「子どものためにお願いします」と声を掛けると、車中から「わかりました」との返事があったという。 康代さんは「(今の政府には)子どものための政策がない。思いは伝わったと思う」と話した。 大波地区の除染は市の「ふるさと除染計画」に基づく。計画では、25日までに6戸をモデルケースとして除染し、26日〜11月中旬には線量が一定程度高い56戸を、26日〜12月下旬はそれ以外の305戸で順次、作業する。生活道路と通学路も26日〜12月下旬に行う。農地、山林、河川は別に計画を作る。(鬼久保幹男)
マイタウン福島
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