【1-3 黒坂美幸×黒坂洋子】



決行は、明日。
姉妹は作戦の、そして決意の、最後の確認をしていた。

「んっ…あっ!…お姉ちゃっ…はぁんっ!!」
暗い室内で、同じ顔、同じ体の二人が、互いの体を絡め合う。
互いの、一番敏感な所を。
「ふっ、あっ…洋、子…んっ、ここ…気持ちいいでしょ?あぁっ!」

端から見たら異様とも取れるその光景。
だが姉妹にとってはごく当たり前の行為だった。
幼い頃から、喜びも悲しみも共有してきた。処女を捧げたのだって、お互いが相手だった。
姉妹ということを隠して生きてきた二人にとって、セックスは相手との絆を確認する一番の方法だった。

「あっ、あっ…お姉ちゃ…ぁあんっ!…んあっ!」
重なった秘部からクチュクチュと卑猥な水音が響く。
「んあっ!…あっ、そう…よ…んんっ、そこ、もっと…あぁっ」
姉の指導通りに、妹は腰を動かす。

女同士のセックスは、ただでさえお互いの敏感な箇所を理解しやすい。
まして彼女たちの体は、性感帯さえまったく同じなのだからなおさらだった。

絡み合う姉妹の足を、二人分の愛液が伝う。
「きゃうっ…あ、だめぇ…もっ…!!」
「イき、そうなんでしょ?…ふふっ…私も、よっ」
艶容な笑みを浮かべ、快感に翻弄される妹を見つめる姉。
「あぁっ…お姉…ちゃっ…イくっ…イっちゃ…はぁんっ」
必死に腰を揺らす妹。
姉はお互いの最も敏感な突起が擦り合うように、激しく同調した。
「ああぁっ!!…イくわ…洋、子っ…あ、んんっ!!」



まったく同じ絶叫が木霊した。
姉妹は、達する時もいつも一緒だった。


体を離すと、銀色の糸がお互いの秘部を繋いでいた。
紅潮した表情で、荒い息の合間に、妹は姉に尋ねた。
「はぁ、はぁ、……お姉ちゃん、明日、上手くいくよね?」
妹同様、快感の冷め切っていない表情で姉も妹を見た。
「当たり前よ、警察騙すのくらい訳ないわ」
いつものように自分に微笑み掛ける姉。

洋子には分からなかった。
どうして、こんなに不安なのだろう。
こんなにも、自分は姉を愛しているのに。
こんなにも、深く自分たちは繋がっているのに。

「……お姉ちゃん」
裸の姉が、鏡をみるかのように妹を見る。
「ん?」
「…信じて、いいんだよね?」
妹の真剣な表情に、少し驚いたように姉は首を傾げた。
「もちろん。私も、洋子のこと信じてるわ」
姉の優しい微笑を見て、妹は静かに目を閉じた。


最終更新:2006年09月08日 10:16