理由 (リレー作品) by 151




奈緒子の顔や、首や、胸にしばらくそっと唇を這わせた後、俺は奈緒子と見つめ合った。
お互い、もう残る行為は一つしかないことに気付いていて、顔が緊張している。
俺が生唾をゴクリと飲む音が静寂に響く。
「山田、その……いいか?」
奈緒子の躰の方の準備は、おそらくもう十分整っている。俺の方は言わずもがなだ。
「う、えっと…はい」
奈緒子は緊張した面持ちで答える。
ついに来たその時に、俺の心臓は嘗てない程の心拍数を記録する。
奈緒子の足を拡げようとその太股に手を伸ばした瞬間、あることに気付いた。

…忘れるところだった。
「ちょ、ちょっと待っててくれ」
奈緒子に愛想良く微笑み、俺はベッドから体を降ろす。
背中に奈緒子の視線を感じながら、脇にある机の引き出しの奥をまさぐった。
…確か、以前買っておいたはずだ。………あった!
目的の物は一番奥で埃を被っていた。
……まぁ、いい。こいつも日の目を見るときが来たんだ。よかったなぁ、俺もお前も…。

「上田さん、さっきから何ブツブツ言ってるんですか?」
背中から奈緒子からの問いに、初めて自分が考えを口に出していたことに気付く。
「な、何でもないよ。ああ、そうだ…ちょっと目瞑っててくれないか?」
「は?」
俺の不審な様子を、奈緒子が訝しんでいるのが声色から伝わる。



俺は奈緒子に背を向けたまま続けた。
「いいから!瞑ってろ!」
「……はぁ」
奈緒子が気のない返事をする。
そっと振り向くと、奈緒子は上半身を起こし、言いつけ通り目を瞑っていた。
……よし。
視線を手元の箱に戻す。
これを付ける時ほど間抜けな時はないからな。
とにかく、奈緒子が痺れをきらす前に早く装着しなくては。
邪魔な埃を吹き飛ばし、箱を開ける。
中には、一個、コンドームが入っていた。
……って、一個だけかよ!!
思わず心の中で突っ込む。
そして過去の自分の行動を思い出した。
今より少し若い自分が、いずれ来るときの為に練習を繰り返している光景が脳裏に浮かぶ。
俺は1ダース入りのそれの、実に11個を練習で消費してしまっていた。
……情けねぇ。
がっくりと肩を落とした後、改めて今の状況を思いだし奮い立つ。
…とにかく、一個はあるんだ。
落ち着け、失敗は許されない。慎重に…。
箱を放り投げ、ビニールに切れ目を入れ、恐る恐るコンドームを取り出す。
……どっちが表だ?
練習はあまりに前に行われていたため、俺は装着方法を忘却していた。
慌てて放り投げた箱から説明書を取り出し、ベッドの横に置いておいたメガネを掛けそれを読む。



…そうか、ふっ、わかったぞ。
一瞬で説明書を熟読した俺は、再び装着作業に取りかかる。
…急げ、だが焦らずに。
ピタリと先端にはめたそれをゆっくりと根本に向け降ろしていく。
……よし、いいぞ、よーし、もう少しだ。
口端をあげ、後一歩というところまで装着する。
……やったぞ、終わっ…!
そう思った瞬間、小指の爪がゴムに引っかかる。
…ま、まずい!…いや、落ち着け、そっと外すんだ。そう簡単に破れたりは…。
──ブチッ!!
小指を引っ張った結果、ゴムは思いきり破れた。
おそらくあまりに前に買っていたため劣化していたのだろう。あるいは元々不良だったか。


…ばんなそかな!!!
俺は半泣きでうずくまった。
…そんな、なんてことだ。
これはわざわざコンドーム専用店にまで行き、そこでもなかったので特注したものだった。
…何がなかったかって?俺に合うサイズだよ!!
俺は意味のない自問自答をしてしまうほど混乱していた。
特注品を頼んだ時の、男性店員の羨望の眼差しと、女性店員の引きつった笑顔を思い出す。
とにかく、すぐそこのコンビニでちょっと買ってくるなどという代用の効かない、非常に大事な
物だったのだが。
俺は泣き笑いながら、もはや役に立たないそれを外し、放り投げた。
…はっはっはっ、自業自得か……くそー!!



しかし、だからといって避妊しない訳にはいかない。
この年になって、十代の若者のような間違いは許されない。
…できちゃった結婚などという情けないものはごめんだからな。
何より、自分より一回りも若い奈緒子を相手に、大人の俺がそんな無責任な真似をするわけにはいかない。
…しかたがない、諦め……無理だ!!!
俺は蹲ったり起きあがったりしながら苦悶した。


「あの、上田さん…全部聞こえてますけど」
突然の奈緒子の台詞に仰天して、振り返る。
「…ど、どこから聞いてた?」
「『ばんなそかな!!!』から」
俺は混乱のあまりつい口に出していたらしい。
メガネを机に置き、奈緒子の待つベッドに腰掛ける。
…終わったな。
俺は必死に涙を堪えながら、最悪の結論を口にした。
「……そういうわけだ。残念だが、今日は……」
「大丈夫ですよ」
奈緒子の返事を受け、俺はもの凄い勢いで奈緒子を見た。
その様子に奈緒子が少し驚きながらも話を続ける。
「その、だから…ちゃんと今日が『安全日』というやつだと、確認して来ましたから」
「…本当か?」
奈緒子が頷く。
「ここ何ヶ月も、ちゃんと朝一で体温計ってたんだ!……だから、えっと、安心して下さい」
絶望の淵から天国まで一気に移動し、安堵のあまり、体の力が抜けていく。



奈緒子がそんな俺を見てクスリと笑う。
「でも、ありがとうございました。上田さんの心遣い、嬉し…かったです」
「……ま、まぁ男として当然だよ」
俺は照れ隠しに、そっけなく答えた。

とにかく、これで心おきなく奈緒子と結ばれる。
改めて奈緒子の頬に手を添え口づける。
心なしか、奈緒子は先程の緊張が少し解けているように感じた。
そのまま押し倒し、奈緒子の足を開かせ、体を割り込ませる。

…ついに、この時が。

俺はペニスに手を添え、まだ先程の愛撫で潤沢な奈緒子の膣に先端をピタリと当てた。
…頑張れよ、お前。長く保てよ。
心の中で分身を励まし、挿入のねらいを定める。
だが、愛液でヌルヌルと滑り、なかなかうまくいかない。
「んっ!やっ…上田さ…!」
自然と先端が奈緒子の秘部を刺激する形になり、奈緒子が堪らず嬌声をあげる。
愛液がチュプチュプと音を立て、奈緒子の息がしだいに荒くなっていく。
しかし、焦れば焦るほど、うまく挿入の目安がつけずにいた。
「あっ…んんっ!やだっ…そこ!!」
いつの間にかクリトリスのあたりまで移動していたペニスは、グリグリと突起を刺激していた。
「んあっ!な…に、あんっ…してる、ん、ふぁっ…です、か?」
まさかうまく入らないというわけにもいかず、返答に困る。
すると事情を察したのか、奈緒子が頬を赤らめながら俺のペニスに手を伸ばした。



そのまま膣口までペニスの先端を誘導する。
「はぁ…はぁ…たぶ、ん…ここだと思います」
「あ、あぁ…分かった」
奈緒子の教えは正しかった。うまい具合にペニスと膣穴が重なる。
俺は奈緒子と目を合わせた。
「じゃあ…入れるぞ。痛いかもしれないが…」
かもではなく、絶対に痛いとお互いに分かっていた。
だが奈緒子はあくまで平気そうに、微笑んだ。
そんな奈緒子を胸が苦しくなるほど愛しく思う。
「優しくするから」
俺のその言葉で、緊張していた奈緒子の肩の力がぬける。
それと同時に、きつく閉じられていた膣穴が俺を受け入れるように開いた。
グッと重心を下半身に掛け、ペニスを進行させる。
「くっ…きついな」
奈緒子の中は、あまりに狭く、俺の侵入を拒否しているかのようだった。
「んんっ!…はぁ、ふあっ!」
奈緒子は大きく息を吐きながら、両手を俺の背中に回し、これから訪れる痛みに構えている。
熱く、きつく、蠢く膣内に、ペニスの先端が完全に収まる。
とりあえず、入口の時点で挿入不可になることがなく、軽く安心した。
だが、これからだ。
そのまま体重を掛けていくと、とうとう奈緒子の処女膜に先端が触れた。
奈緒子が背中に回した手に力をこめる。
これから受ける奈緒子の痛みを思うと、申し訳なく、変わってやりたい気持ちで一杯になる。



せめてもの負担を減らしてやりたい。
俺は精一杯の愛情を込めて、奈緒子に囁いた。
「好きだ…、ずっと、ずっと好きだった」
奈緒子が俺を抱きしめる手に力を込める。
「奈緒子」
名前を呼ぶと、俺の胸に埋めていた顔を離し、奈緒子は火照った表情で俺を見上げた。
その瞳が潤っているのは、痛みのせいだけではないと思うのは、俺の自惚れだろうか。
「奈緒子…俺の、奈緒子」
今まで気恥ずかしくて呼べなかった奈緒子の名を、俺は何度も口にする。
奈緒子も何か口にしようとしたが、後一歩の所で言葉がでないようだった。
パクパクと必死に言葉を紡ごうとする唇に口づけ、腰に力を入れた。
「あうっ!いっ……たあぁっ!」
奈緒子から悲痛な声があがり、躰がビクリと跳ね、爪が俺の肩にくい込み、
口づけていた俺の唇を噛みしめる。
処女膜を通過した俺のペニスは、その後はいとも簡単に最奥まで突き当たった。
根本まで、とはいかないが、俺のペニスの大部分は奈緒子の中に埋め込まれた。
それと同時になんとも言えない満足感がふつふつと沸き上がってくる。
「っ!うっ…!」
その上、あまりの締め付けにそれだけで達してしまいそうになる。
一刻も早く腰を動かしたい衝動に駆られるが、拳に力を込め、息を大きく吐いてその衝動を抑えた。

奈緒子はビクビクと躰を揺らし、痛みのあまり呼吸もまばらのようだ。
涙を流し、必死にその痛みに耐えている。
「うっ…痛っ…痛いよぉ」
泣きじゃくりながら、俺に訴えてくる。
その姿があまりに痛々しくて、何もしてやれない自分が不甲斐なくて、一人だけ悦楽に興じているのが
申し訳なくて、俺まで泣きそうになる。



ふと頬に手の感触を感じ、奈緒子を見る。
奈緒子は額や頬に冷や汗を一杯浮かばせ、それでも俺に微笑んでいた。
「上…田、さん?」
「どうした?辛いか?」
奈緒子は小さな呼吸を繰り返しながら、ゆっくりと応える。
「つ…らいに、決まってん…だろ!……この、ぼけ、が!!はぁ、はぁ…」
奈緒子のいつも通りの憎まれ口が、逆に今奈緒子が味わっている痛みの凄まじさを露呈する。
「すまない、君が楽になるまでこうしてるから」
俺は精一杯の笑顔を奈緒子に向ける。
奈緒子は辛そうに、切なそうに顔を歪めながら、俺に抱きつき、小さく呟いた。
「痛い…けど、すごく、幸せです」
俺は抱きしめ返すことで奈緒子に答えた。



どのくらい時間が経っただろうか。
ギュウギュウとペニスが締め付けられる快感で、俺の意識は朦朧としていた。
もう、突き上げたい衝動を抑えるのも、限界かもしれない。
そう思ったその時だった。
「もぉ…大丈夫です」
奈緒子が小さな声で俺に言った。
「本当か?痛く、ないのか?」
心配が拭いきれず、奈緒子の表情を伺う。
奈緒子はそんな俺にうっすらと微笑んだ。
「まだ、ちょっと痛いですけど…さっきよりは全然。…それに…」
奈緒子が言葉を途中で止め、代わりに身を小さく震わせる。
「私も、なんだか…」
切なそうに俺を見る目に、その台詞の先を察し、抑えていた欲望が一気に押し寄せてくる。



頭の中で何かが弾け飛び、俺は思いきり腰を引いた。
一見抜けてしまったかと思われるまでペニスを引き抜いた所で、力強く最奥まで突き上げた。
「あうっ!!」
瞬間、奈緒子の躰が跳ねる。
やわやわとペニスを締めあげる膣壁が、さらにその力を強め、熱を持つのが伝わる。
奈緒子の頭の両端に手をつき、俺は枷が外れたかのように、激しく奈緒子を突き始めた。
「あんっ!あっ、あっ、あっ!」
俺の突き上げに合わせ、奈緒子が淫猥な声をあげる。
奈緒子に俺の思いをぶつけるかのように、俺は突きまくる。
「やあっ!!上田さ…!んっ、んっ、あぁんっ!!」
限界までズルリと引き抜くと、奈緒子の膣壁は逃すまいとペニスに吸い付いてくる。
「んんんっ!!あっ、はうっ!」
奈緒子が切なそうに喘ぐと同時に、最奥まで激しく打ち付ける。
するとその衝撃で痙攣したかのように、膣壁は震え、俺のペニスを締め付ける。
「きゃぁっ!!やんっ…奥に、あたって…はぁんっ」
その行為を激しく何度も繰り返す。
奈緒子は子犬のように鳴きつづけ、愛液を次から次へと溢れさせる。
──グチュッ、パチュッ、ジュクッ
室内に俺達の行為を物語る水音が、盛大に響きわたる。
奈緒子を見ると、顔中汗まみれで、喘ぎの止まらない口からは涎を垂れ流し、今まで見た中で、
一番厭らしい表情をしていた。
熱い目で奈緒子に見つめられ、背中をゾクリとした感触が襲う。
快感に溺れる奈緒子の表情は、別人のように、大人びて、美しかった。
…俺以外の誰も、奈緒子のこんな顔見たことないんだよな。
そう思うと満足感と、独占欲と、もっと見たいという慟哭に駆られる。



長い間突き続けたため少し腰が疲れ、限界を遠のけるためにも、少し動きを緩やかなものにする。
「あっ、あっ、あっ」
奈緒子は依然切なげな嬌声をあげ、俺を見上げてくる。
この程度の運動なら、片手でも自分の体重を支えられると判断した俺は、空いた方の手で、
奈緒子の胸を揉み上げた。
「はうっ…んんっ!!」
固く勃起している乳首を強くつまみ上げてみる。
「あぁんっ…やっ、だめぇ」
相変わらず奈緒子の反応は可愛らしい。
その表情を見ているだけで達してしまいそうになる。
上下運動ばかりでは芸がないと思った俺は、すこし腰を回してみる。
すると奈緒子は躰をビクビクと痙攣させ、思った以上の反応を返してきた。
膣と、その周りに溜まった愛液が、俺のペニスにかき混ぜられ、パチュンパチュンと厭らしく跳ねる。
奈緒子は赤い顔で、首を激しく横に振った。
「やだ…んっ!この、音…ふあっ、恥ずかし…」
奈緒子は自分の愛液が奏でる音がお気に召さないらしい。
俺はほくそ笑んで奈緒子に問いかける。
「音って、これか?」
──プチュっ、グチュッ
わざと水音が響くように腰を動かす。
恥ずかしさのあまり涙を流し抵抗する奈緒子。
「やぁっ!!やだっ、やだぁ!!」
「でも、君が、たてて、るん、だろ」
腰を回しながら問いかける。
奈緒子は俺の言葉に更に顔を赤らめる。



それと同時にきつく俺を締め上げてきた。
今までの反応から察するに、膣の締まりが良くなるときは、奈緒子が感じているときと一致するらしい。
つまり奈緒子は俺に言葉で攻められ感じている、ということだ。
本人は隠しているつもりだろうから、まさか結合部から伝わる感触で、俺にまるっとお見通されている
とは思うまい。
そう思うと必死に抗う奈緒子が小さく見えて可愛かった。

さっき一度達した甲斐あり、奈緒子のきつい締め付けにも、俺のペニスはもう少し保ちそうだ。
…あれがなかったら、もうとうにイッてるかもな。
そう考えると先程の、自分的には情けない射精も、役にたっているのかもしれない。

それはそもそも、俺はあることを実践に移そうかどうか思案していた。
折角奈緒子と結ばれたんだ。出来うる限りの事をしてみたい。
いろんな角度から奈緒子を味わい、俺に貫かている様を見たい。
やはり、俺はそれを実行することにした。

腰の動きを休め、片手を奈緒子の左の太股に添える。
「はぁ…はぁ…」
息もまばらの奈緒子を暫し見つめた後、奈緒子の片足を大きく上に掲げた。
「んんんっ!やっ!なに…して…」
奈緒子は抵抗しようとするが全くの徒労に終わる。
何せ快感で恍惚とした奈緒子には、まったくと言っていいほど、抗う力は残っていなかった。
掲げた左足を俺の右肩に乗せ、交差したように交わる体勢になる。
限界かと思われていた挿入深度も、まだ余裕があったらしく、奈緒子の膣内に、ペニスが深く突き刺さった。



「ふぁっ!きつっ…んんっ!」
「っ!!…うっ」
ゆっくりとピストンを再開する。
そのまま俺は奈緒子の左足の下をかいくぐり、今度はその足を俺の左肩に乗せる。
すると丁度奈緒子だけ先程の体勢、つまり正常位だが、から横向きになる形となる。
奈緒子の色っぽい横顔を見ながら、俺は激しく突き上げた。
「うぅんっ!!んっ…ふあっ!!」
奈緒子が快感の涙を流す様がよく見える。
しかし、この体位だとどうやら挿入が浅いらしい。
俺も奈緒子も先程の深い挿入による快感を貪った分、微妙に満足できず焦燥感が募る。
……なら、こうしてみるか。
俺は代わりにさっきの挿入ではしなかったことをしてみた。
「ああぁんっ!!きゃうっ…やぁあっ!!」
効果覿面だ。
愛液でヌルヌルと滑るクリトリスをこね回すと、奈緒子は高い嬌声をあげ、ペニスをきつく締め付けた。
「だめっ…うえだ、さ…それ、だめぇ!!」
「それ…って?なんだよ」
奈緒子の反応を見下ろしながら意地悪くほくそ笑む。
もちろん手も、腰も、動きを休めたりはしない。
「そ、そこぉ…んんっ、触、られるとっ!あんっ…おか、しく…なっちゃ…きゃあんっ!!」
俺は荒々しく奈緒子の躰を回転させた。
奈緒子を四つん這いにさせ、尻を突き出させる。
「!!!?!…やぁあっ!!」
その屈辱的な体勢に、奈緒子が必死に抵抗する。



俺の想像以上に、もう殆ど残っていないはずの力が奈緒子から発揮されたことが、
奈緒子がどんなにこの体勢を厭がっているかを、俺に印象づける。
だが、奈緒子が抵抗すればするほど、俺は欲情し、暴れる奈緒子の尻を押さえつけた。
「いやっ…いやぁっ!!」
結局敵わないことを悟り、奈緒子はシーツに顔を埋める。
俺はそのまま奈緒子の腰に手を回し、凄まじい速さで奈緒子を突き始めた。
「んんーっ!!んっ、んっ」
奈緒子が喘ぐが、シーツに顔を埋めているため、口を封じられているかのような声になる。
俺はその声に興奮しながら、奈緒子との結合部に目を遣った。
……本当に入れてるんだな
今、自分が奈緒子の膣に、ペニスを挿入していることをはっきりと思い知る。
俺の目線からは、激しく出し入れされるペニスと、その度にめくりあがる奈緒子の肉壁が、
はっきりと見てとれた。
ブチュブチュと溢れ出る愛液が奈緒子の秘部どころか、尻全体を濡らし、俺のペニスもその恩恵で
濡れて光っている。
ふだん見慣れている自分のペニスがなんだか突然卑猥な物体に変化したように思え、不思議な感覚がした。
今まではっきりとは見えなかった奈緒子の菊穴も、綺麗な色をしていて、くぼんだそこは、
愛液のたまり場になっている。
「やあぁっ!!この…かっこ、やだぁ!!」
顔を横にずらし、やっと鮮明に聞き取れた奈緒子の声で、ハッと我に返る。
俺はかなり長い間自分と奈緒子の結合部に見とれていたらしい。
高まりが治まりきらないところまで来ていることを、本能で感じ取る。

最終更新:2006年09月07日 09:51