理由 by 151さん




…しかし、もう少しの辛抱だ。もう少しで俺の計画は成功する。

揉んでいるほうの指で乳首をクリクリとこね回し、一方で吸う力もさらに強める。
「ああぁっ…!!うえださ、わ…たし…もぉ!!」
奈緒子から限界の訴えが聞こえるが無視する。
奈緒子のなだらかな丘を、俺の唾液がゆっくりと何筋も伝うのが視界の端に入った。
そのままそっと奈緒子の様子を伺ってみる。
奈緒子も視線を感じたのか、きつく瞑っていた目をうっすらと開けた。
快感で唇を噛みしめ、躰は桃色に染まり、汗で美しい髪が顔に貼りついている。



俺は奈緒子に問いかけた。
「ひもひひひか?(気持ちいいか?)」
行為はそのまま、視線は奈緒子から離さない。
奈緒子は、一瞬躊躇ったのち、小さく何度もコクコクと頷いた。
俺の心に何とも言えない満足感がわき上がる。
…頃合いだな。

しかし、計画はまだ完成していない。
俺は手を休め、口を乳房から離した。ツーと唾液が糸を轢く。
恥ずかしそうにその光景を見つめる奈緒子。俺は奈緒子に極めて優しい笑顔を向けた。
期待と羞恥に満ちた目で奈緒子は見つめ返してくる。
「はぁ、はぁ…上田、さん?」
「悪かったな」
「…え?」「君があんまりかわいいもんだから本来の目的を忘れていた」
「か、かわいい?」
こみ上げてくる笑いを必死に噛みしめつつ、俺は両手を奈緒子の両胸にそっと添えた。
「舐めたりしても意味がなかった。そんなんじゃyouの豊胸に効果がないからな」
瞬間、奈緒子の顔色が曇る。
俺の笑みは意地の悪いものに変わっていただろう。そのまま胸を優しく揉み上げる。
まだその先端は俺の唾液でヌラヌラと光っていた。
「どうだ?youの家にある豊胸マシーンより効きそうか?」
奈緒子はつらそうに、切なそうに唇を噛みしめた。



少し意地悪が過ぎたか?
しかしここまできたら、奈緒子を陥落させたい。屈服の台詞をこいつの口から言わせたい。

もう何分こうしているのか。
奈緒子の乳首を濡らしていた俺の唾液もすっかり渇きつつある。
奈緒子はさっきから小さく吐息を洩らすだけで、これといったことは言ってこない。
だが腰を時折うねり、太股をこすり合わせるその姿は、限界が近い事を如実に訴えていた。

…まだか!?早く言え!俺の方も限界なんだ。

意地の張り合いでこうなるまで何年も掛かった俺と奈緒子だ。
もしかして永遠にこのままなのではなどという、馬鹿げた不安が脳裏を過ぎったその瞬間。
「……ない……さい」
奈緒子が何か言葉を発した。慌てて視線を合わせる。
奈緒子は顔を真っ赤に染め、しかしその瞳は強く俺に訴えかけていた。
「……何、だって?」
深く息を吸い込んだ後、奈緒子がゆっくりと答える。
「…ぃじわる…しないで、くだ…さい」

これが聞きたかった。
この気の強い女の降伏した姿を見たかった。恥辱に染まった表情が見たかった。
……もう少しいけるか?



「ん~?どうして欲しいんだ?はっきり言わなきゃ分からないぞ」
奈緒子の目に涙が溜まる。
「…うう~!!もぉ、やっ……!」
奈緒子にとってこれ以上は本当に無理なのだろう。
その綺麗な顔をくしゃくしゃに歪め、奈緒子の頬を涙が伝った。
「なっ!?わ、わかったから…泣くな!!」
俺は慌ててその涙を拭った。頬に汗で貼りついていた髪もそっと退けてやる。
「すまなかった。少し、虐めすぎたな」
苦笑しながら奈緒子を見る。もう奈緒子から涙は流れていなかった。
代わりに鋭い目つきで俺を睨んでくる。
「この馬鹿上田が!!サド上田が!!」
クツクツと笑いがこみ上げてくる。俺は愛しさを込めて奈緒子を見つめた。
奈緒子もその視線にあてられたのか、罵倒を止める。
「さっきも言っただろう?かわいすぎるyouが悪い」
その台詞に赤面した奈緒子が顔を逸らす。
「熱でもあるのか?上田さん、今日変ですよ」
「こんな時くらい素直になろうと思っただけさ」
うっと口ごもる奈緒子。俺はその頬にそっと手を添える。
「わ、私はマゾじゃないんだからな」
(そうかな?)
その問いは面倒を避けるため心にしまい、俺は奈緒子に口づけた。

最終更新:2006年09月07日 09:26