星が降る by ◆QKZh6v4e9wさん

17-20




夢中になってしまう。

山田が俺にしがみつく。
「んっーーーーーー!!」
触れ合う肌全てが温かくて柔らかすぎる。
彼女が快感を滲ませて甘く喘ぐ。上向いた乳房の先端が指先を弾いて、つるんと滑る。
その紅色を甘噛みすると、山田の躯は逃げるようにくねくねと悶え始めた。
「いや…あん…あ…」
俺も苦しい。もっと肌を絡めたい。
苦労してパジャマのズボンを脱いだ。
ブリーフをとり、山田のジャージと同じ運命を辿らせる。

もう俺たちは裸のままだ。
何も遮るものもなく、身を寄せると勃起したモノがするっと山田の腿の合間に落ち着いた。
「んっ…」
彼女は反射的な動きで腿をすりあわせて拒もうとした。俺は耳元で囁いた。
「山田」
「ん…ん…」
視線が絡むと、彼女の声に滲んだ艶が拒絶の色を裏切ってゆく。
触れている、腿の弾力が気持ちいい。
「やっ……」
俺は腰を押し付けた。ゆっくりと、動きを大胆にしていく。
「ん、あ……あん」
彼女の腿のくねりが大きくなり、挟んだモノを優しく揉んだ。
山田の腰を抱え込んだ。
意識的に腿の内側を抉られた彼女は泣き声のような喘ぎをあげた。
「あっ、あっ…」
喘ぎながら、彼女は俺の首にすがりつく。
腰をくねらせ、押し付けたモノに柔らかな谷間を擦り付けた。
ぴくりと震え、一瞬後にはまたためらいがちに腰をすり寄せてくる。
「ゆ、you……っ」
その動きもさることながら、彼女の上気した表情の艶かしさに俺は心を奪われた。
「ああ……あ…やだ」
彼女が囁く。
「き、気持ちいい」
「俺も気持ちいい」
「いや…見ないで……は、あ…」

そのまま突っ走りたいのは山々だったが、そうもいかないのが人生だ。

「you」
俺は山田を抱き直した。
「…ちょっと待っててくれないか」
「えっ?」
彼女が濡れて虚ろな目を向けた。
「このまましちゃったら、まずいだろ。…コンドームとってくるから」
囁いてから身を起こす。彼女は不安げに囁き返した。
「どこに?」
「寝室──」
俺はまじまじと、広いとはいえこんな行為には不向きなソファに埋もれて窮屈そうな山田を見つめた。
そうか、なにも俺だけ行くことはないんだ。
彼女の乱れた髪をかきわけ、染まった耳朶に囁いた。
「一緒に行くか」
「……」
彼女はかすかに頷いて、俺の躯にしがみついた。



 *

素っ裸で部屋を移動するのに俺は慣れているのだが、山田はかなり恥ずかしい思いをしたらしい。
寝室に到着すると彼女はベッドに飛び込んで、急いでベッドカバーの内側に潜り込んだ。
俺はクローゼットの扉を開けて、ごそごそと中の引出しを探り始めた。
たしか、このへんに──。

「あった」

振り向いて山田に見せると彼女は落ち着かなげに眉を寄せた。
「──準備、いいですね」
「たしなみってもんだ。男のな」
良かった、まだ何枚か残っている。
こういうものは使う機会がいつ来るかわからない。
厳選に厳選を重ねて通販で手に入れたコンドームがやっと役立つ時が来た。
きたるべき日に備え、時折訓練を重ねてきたので目を瞑っていても装着できる。
だが、まさか山田相手に使う事になるとは思わなかった。

素早くつけて、俺はそわそわとベッドに入った。
カバーを外すと毛布の上に白うさぎのような山田がいて、居心地悪気に俺を見た。
さっきの興奮が少しおさまったらしく、表情がとても恥ずかし気だ。
「厭になったか」
山田は首を振った。可愛い奴め。
毛布の上に長くひろがった髪からこめかみ、頬、顎からくびすじ、肩から胸に手を滑らせていく。
しっとり色づいた肌のきめのこまかなすべすべした感触。
乳房を揉むと彼女は鼻にかかった声を漏らして俺の手を掴んだ。
「まだ痛い?」
「い、いいえ。それほどでも──」
鎖骨にキスし、掌を腹からくびれた腰に落とす。
ぷっくりと持ち上がった乳首を吸いながら腰から腿にふれていく。
腹に舌を滑らせる。臍のまわりを舐めるとひげの感触がくすぐったいのか、小さく悶えた。
余計な抵抗もなく、いらない恥じらいも見せない。
彼女の素直な反応に、俺の熱は簡単に、再びあがっていく。

それでも腿をたてるようにして俺が茂みに近づくと、山田はちょっと抵抗した。
「そこは…あの、ちょっと…き、きたな」
「風呂に入ってたじゃないか」
呟くと、彼女の躯が揺れる。
「そ、そりゃあ、清潔にしてないと……た、たしなみですから…でもっ」
心理的な抵抗が強いらしい。俺は構わず茂みを開いた。
ふっくらとした白い肉を指でおさえる。
「ほら。汚くなんかないぞ」
ちょっと生々しいけどな。前後に走っている中心は綺麗な淡紅色だ。
各種画像で予習済みの俺には別の生き物のようなこの器官の見た目にはさほど衝撃はない。
それより、山田のここを目の当たりにしているという別の意味での衝撃がある。
それも、もうすぐここに入れられる。
興奮で躯が熱い。



「そ、そこで…喋らないで、ください」
「恥ずかしかったら、目を閉じてろ」
山田は、小さく言った。
「私が瞑ったって……意味な…あぁ…ん」
指で開くと花びらのように少しはみ出した部分に舌で触れる。
唾液を絡めるとぴちゃ、とかすかな音がした。
粘膜なんだな、本当に。
薄くて滑らかでひらひらしている。舌に淑やかにまとわりつく。
…冷たいような、熱いような。
唇で挟んでひっぱってみる。視界の端に赤みが増す。
わずかに躯の芯が露出して、俺の鼻先に触れた。
抵抗せずにこすりつけると抱え込んでいる腰が跳ねた。
「あ、ふっ!」
含むように口を押し付け、舌先で辿る。艶っぽく水気を帯びたその粘膜を柔らかく啜る。
閉鎖的で淫らな水音。くちゅ。ちゅくちゅ、ちゅっ。
山田の匂いと味で俺の口腔は一杯になる。
「すっ、吸わないで、恥ずかしッ……!…んー…んっ…やだ…」
躯をひねり、俺の頭をおしやろうとした山田の手首を掴む。
邪魔するな。
これはyouが生まれて初めて経験する、『気持ちいい』事のはずなんだから。

「あんっ…、ふ、あ」
小さな粒を探り当てると彼女は腰を高く浮かせた。
………愉しい。
くちゅ…ぴちゃっ…くちゅ。
特に敏感らしいその粒を、強すぎないよう注意しながらくっきりと尖らせていく。
集中的に周辺を苛めながら上目遣いに反応を探る。
身悶えし、彼女は顔を振っている。腰は俺が固定したからもう動かせない。
俺の髪に差し込まれた指の力が今にも抜けそうだ。
「……あん、あん、いや…っ…ああっ…」
拒絶は弱々しく、悲鳴は甘い。
じわりと滲んでくる蜜を啜ると声はもっと甘さを増した。
大丈夫みたいだ。いい感じだ…。
俺は満足して顔をあげ、躯を起こした。
上気した彼女の顔をまともに見下ろす。
「あ」
山田は俺の口に視線を走らせ、これ以上ないくらい赤くなった。
顔を背けると長い髪がうねって頬を半分隠す。
…ああ、そうか。
俺は舌で濡れた唇の縁を舐めた。

興奮しているのに、俺の頭の隅っこはなんだか落ち着き払っていた。
いや、落ち着き払おうと努力していた。
彼女があまりにも頼りなくて不安そうだからかもしれない。
その不安を埋めたかった。

「you」
腿の間に俺が割り込んでいるから、山田は逃げることができない。
「んは…」
強くだきしめると、彼女は俺にすがりついた。
深いキスをすると呼吸音がからみあう。
山田の動悸は激しくて、今にも破裂しそうだった。
唇の間から、喘ぐように囁いてくる。
「上田さん」
片方の手を毛布と彼女の間に差し込み、柔らかな尻の肉を掴んだ。
腰を彼女に押し付ける。




「you……」

俺の声は優しくて、触れた谷間は温かくて、彼女はうっすら目を開いた。
「痛くしないから。大丈夫」
見え透いた嘘だが、山田は唇の端をわずかにあげた。
「はい……あの」
俺の目に彼女は囁いた。
「…痛がっても、途中でやめないでください」
俺は頷き、調整しなくてもとっくに行き先に触れているモノを確認して力をこめた。
くちゅりと濡れた音がした。
「ふ…っ……」
ぐん、と少しだけ入った。
柔らかな肉の壁が、いきなり侵入してきた俺に驚いて抵抗しているのがわかる。
…狭そうだな。
「濡れてる、から…大丈夫。力、抜いて」
「あっ…」
彼女は急いで躯の力を抜こうとした。難しいみたいだ。
躯の入り口は俺の先端で完全に塞がれて、これが奥までちゃんと入るのかどうか心配なんだろう。
「上田さん」
不安がそのまま声に出ている。
もっと不安になって緊張が高まったらきっとろくな事はない。
俺は一気に腰を突き入れた──途端、もの凄い抵抗が俺を包んだ。
あ、の形に唇を開け、山田は限界まで目を見開いた。
息は吸えても声が出ないらしい。
喉から掠れた呻きが漏れただけだ。
その場所の柔らかさもぬめりも全部どこかに行ってしまったようだった。
直接彼女の躯の構造をこじ開けているような気がする。
温かいけど容赦のない圧力。…本当に俺のはでかいんだなと実感する。
だけど止まれない。
山田の躯が跳ねた。

ぎちぎちと彼女の柔らかな内側を削る。
ようやく、ぬるみを感じた。一気に楽になり、俺は身勝手な喜びで呻いた。
「you、濡れて…」
「んっ…」
浮かれそうになり、覗き込んだ山田の苦痛に満ちた表情でその正体に気付く。
出血したのだ、俺の巨根で。いや、破瓜って奴か。同じ事か。ややこしい。
「はあっ、あ、あ、あふぁ…っ」
ショックから…だろう、快感のはずがない…がくがくと小さく白い躯が震えている。
申し訳なさに肩を竦めながら、俺はそれをやめられない。
絶対にそれだけはできない。
どこまでも入り込む。
この華奢な躯のどこに俺のモノを受け入れるような隙間があるのかわからない。
……ようやく、深い奥底にいきあたった。
何度かさらに入り込もうと捏ねつけ、それから納得して、俺はようやく侵入を止めた。
「you…っ…」
気持ち良さそうな呻き。俺の、声だ。
彼女と交わっている。深く。


最終更新:2006年11月17日 22:27