電話にさえ出なければ by ◆QKZh6v4e9w さん



1

「あ…あっ、あ……こら、やめろってば。…深いの、厭…」
「奈緒子……」
「あんっ…」
「感じてるのか」
「…あん…ああ…っ…えっ?…か、感じて、なんか…ない」
「……ない?」
「ない!なんなんだ、部屋入るなりいきなり!」
「飛行機には個室がない。トイレは狭すぎる。俺はyouの寝顔を見ながらずっと悶々としてたんだよ!」
「でも床って…ベッド!せめてベッド!」
「じゃあ、youのここはどうしてこんなにヌルヌルでヒクヒクしてるんだ…」
「んん…っあ……やだ、指、動かすな…」
「深いとこは厭なんだろ」
「だからって…あっ、そこは…」
「奈緒子」
「んふぁ…あ…」
「いい声だ」
「はぁん」
「可愛いな」
「あ、あっ…あ、いや、だめ、そこ」
「本当にイヤなのか」
「あん、あ…あ……え?」
「厭か…?ここは…」
「んっ。バ、バカ上田っ。やめろって」
「……だろ?ハハハッ、思った通りだ」
「なんですか…そ、その嬉しそうな顔」
「ここ、気持ちいいんだろ?」
「ふぁっ……んん…そんな、事…」
「バーカ。バレバレだ」
「……ん…にゃあぁ」
「Gスポット。有名な性感帯のひとつだ」
「あ、ああん、あぁ、あん…っう、ああ…やだぁ」
「くくっ…ほらな!youの場合、ここだ、ここ。わかるか?」
「ひ、にゃっ、やぁん!」
「どうだ、どうなんだ?…いいのか。良くないのか、どっちだ、you」
「ばかぁっ!き、嫌いだ、上田、お前なんかっ…あ、あああっ…!」
「おっと…」
「あ、ひ…っ……」
「……」
「んん」
「……」
「……う、上田?」
「ん」
「……どうしたの」
「何が」
「何って…」
「ああ。もっと刺激して欲しいのか?断る」
「…こ、ことわ…る?」
「新婚初夜だぞ。さくさくと進行させてたまるか、じっくりしっぽりねっとりとだな…」
「初夜って。ちょっと待て。お前、まだ昼間…」
「日本時間では夜だ。そうだ、初夜なんだからな。youもまだ開発されてない新妻らしく振る舞うんだ……バカめ。おねだりなんてするんじゃない!」
「か、開発したのお前だろっ!この……」



2

「…問題出してくれないか?」
「問題?」
「ほら、あれ。四桁の四則演算」
「なんでそんな事っ」
「冷静にならなきゃな。ほら、you」
「………こんなのやだっ!変人!巨根!自己中!」
「なに怒ってるんだよ」
「新婚旅行で暗算とかしてる新婚さんなんていないぞ!」
「そうか?」
「当然じゃないか」
「そうかな」
「だって、こんな……あっ」
「ふふ」
「…!…お、お前っ!わざとやってるんだな?そうなんだなっ?」
「可愛いな…」
「…上…んっ…」
「……」
「……ふ…」
「……」
「……んぁ」
「……」
「………うう」
「ふっ。ふっ、ふっふっふ…」
「…な、に…?」
「さっきから、きゅうきゅうって。凄く締まってる。床、好きか?」
「…バカっ!バカ、バカっ!!」
「愛してるよ」
「…………」
「何固まってるんだ」
「………う、うえだ。いきなりそういう事言うのやめろ」
「どうして。状況に相応しい言葉じゃないか」
「本心で言わなきゃ、意味ない…」
「本心だよ」
「………………」
「……だから、どうして固まるんだ、そこで。youは!」
「……だって」
「愛してちゃいけないのか。悪いか?」
「そんな…こと、ない…です」
「………」
「でも、…は、恥ずかしい…じゃないか…床だし」
「ベッドならいいのか。じゃあ潤んだ目で見るなよ。そういう目で訴えられたら言いたくなっちゃうだろ。我慢しろ」
「なにも…訴えてないんですけど」
「嘘つけ」
「……やん…あ、上田…」
「………」
「…んん…あ」
「可愛いよ……なあ、奈緒子」
「……」
「youは言ってくれないのか」
「…え…」
「愛してるって」
「…あ、あい…?」

最終更新:2006年10月03日 01:46