続・湯あたり by 800さん


前スレの「湯あたり」はこちら
続きです。


1
やっぱりやきもちじゃないか。
プライドも高いんだな、身長も高いだけあって。
「上田さん、私のこと信じられないんですか?」
「いや、そういうわけじゃない。断じて…」
眉間に皺を寄せて口端を下げている。なんだかもう泣きそうな表情だ。
バカみたいに強がっちゃってる。
もう…上田さんったらしょうがないんだから…。
言いたくはなかったけど、仕方ないや。
私は上田さんを押し倒して、騎乗位になる。
「いいですか?私は過去に一度だけセックスをしました。誰とどういう形でってのは言いたくないし思い出したくないことです。察してください」


いきなり俺を倒してきたかと思いきや、察しろだと?
山田は俺をバカにしてる。

「寝言なんか納得できるかよ!」
「こんの…上田のバカっ!」

怒鳴られたかと思えば、右頬がじんじんと痛かった。
そして山田は俺に泣き崩れた。
って、俺何かしたか?




上田のバカ!いくらなんでも追求していいこととないこともわからないのか?
わからずや!鈍感!!最低!!!巨根!!!!

「出来るのであれば…上田さんに初めてをあげたかった…のに」
あはは、なんか涙が出てきた。なんていうか…
───上田さんの気持ちに答えられなくてくやしい…。


「でもキスは…上田さんが初めてですよ。それに…んっ…にゃぁ…ああっ!」
私は腰を自分で振った。慣れないことでゆっくりと、慎重に。
「自分でこう…動くのはぁあっ、初めて…あぅっ!はぁ」

上田のが奥に当たって気持ち良い。腰を振る速さが気付かないうちに速くなった。
恥じらいも、自然と消えた。


2

「山田…?」
目の前で、泣きながら腰を振っているのは山田なのか?

彼女を傷つけた。罪悪感が俺に重くのし掛かる。


山田は俺を好きだと言っている。でも相手の名前をはっきり言わないのは嫌だ。
しかし、話を聞けばこうして気持ちが通いあってのセックスは初めてだという。

──俺が欲張りなのか。

キスだけでも初めてならそれだけでも嬉しい。


「YOU、すまない…」


体を起こして彼女を抱き締めた。
宙を舞う蝶を捕まえるように、優しく。
逃がさないように。
その小さな身体を包み込む。





「おい、泣くな…奈緒子。だから女性の涙は苦手なんだよ…。もうYOUを責めたりなんかしないから、な?な?」

耳元で甘く低い声で発す言葉が、私の思考回路や体を痺れさせる。
名字でなく名前で呼ばれて、背筋がゾクッとした。
声だけでも感じてしまう。

本来のセックスがこんなに気持ち良いのかと考えただけで、私は上田さんの存在を改めて大きなものだと感じた。

「上田さん…気持ちよかったですか?」
「ああ。でもまだ足りないぞ?」

上田さんはニヤリと怪しい笑みを溢しては、両手で私の足を抱えて腰を振り始めた。


「あ!あっ!あ…あうっ!!」

あまりの激しさに呼吸ができない。息が苦しくなり天を仰いで空気を求めた。

私は今どんな姿を上田さんに見せているのだろう?



3


俺の目の前にいる山田は淫らな姿だった。
膣はモノを再びきゅうきゅうと美味しそうに締め付け、
だらしがなく空いた口からは、甲高く掠れるような喘ぎ声と、唾液が漏れていた。
おまけに俺の動きにあわせて、腰を振ってくる。

「っあ…くふぅ!…ンン!うえだッ…ひぁ!!」

きっと山田がこんな姿を見せたのは俺以外居ないのだろう。
ずっとこいつと一緒に居たわけだが、ちっとも色っぽくなんてなかったんだからな。

「やめっ!あ…ああっ!」

「っく…奈緒子…」

考えているうちに興奮が高まり、たまらず押し倒して自分の勢いに山田を突いた。

動く度に汗が山田の胸にぽたぽたと飛びかかりながら、
打ち付け合う肌の音が、部屋に響いた。




私を揺さぶる激しさにもう頭の思考回路がショートしそうだ。

「や…まだ…、好きだ。好きなんだ…っ」
上田の表情が辛そうだ。
そんな切ない顔をしながら好きだと言われると私も辛い。
私も好きです、上田さん。
ああ…今上田に抱かれてる。そう改めて感じる。

上田のモノが私を突くと気持ちよくて声が出てしまう。

目の前が霞む…下半身が痙攣するかのように震え始めた。
なんだろう…早くこの感覚から抜け出したくって、上田を求めたくなる。



4


「うえださ…、も…とっ!ああぁ…もっ…とぉ!!」

もう、上田さん以外何も見えなくなった。
でもなんだか上田さんも消えちゃいそうで、恐くなった。



限界が近いのだろうか。
膣の締め付けが頻繁になってきた。
それと同時に山田が俺を求めてきた。
……可愛い。いつもの態度とは大違いすぎて気持ち悪いくらいだ。

とはいえ、俺ももう射精してしまいそうだ。
あまりにも女性の中は気持ち良い。想像を超えていた。計算外だった。
俺としたことが。
もう少しこの快楽に酔いしれたかったが…たぶんこれが最後になることは無いのだから諦めよう。
あまり激しくしても山田が辛いだろうしな。

「あ…あッ──!!!」


俺は限界だと気を緩めた。
その瞬間、山田の中に勢いよく精液を注いだ…


山田…いや奈緒子、遅くて悪かった。はっきり好きだと言えたら、もっと早くこの時を迎えられただろうか────





いきなり上田さんが私の上に覆い被さってきたかと思いきや、私の中に何か熱いものが流れ込んだ。
それに私は気を捕らわれた。そして目の前が真っ白になった。

何か、抑えていた何かが弾けたような感覚だった。

「ぇ?ふぁ…あ!あぅ…やぁ…あつぃ…んぁあああーっっ!!!」




5


解き放たれた感覚に全身から力が抜けた。
体にまとわりつく空気が、やけに冷たく感じて気持ち良い。
ピクピクと身を小刻みに震わせ余韻に浸りながら、私はそのまま意識を失った。

上田さん、こんな私を抱いてくれてありがとう。
感じたってこのことですか?
こんな気持ちは初めてです────






「にゃ……、お腹空いたぁ…でも…カメ喰うなぁ!……っ!?」


私は変な夢を見て、はっと目が覚めた。
目の前にペットである二匹の亀が出てきて、思わず食べそうになる夢だった。
友達を食べるなんて冷や汗物だ。

「…!」

青いシーツの海にぽつんと裸の私。
ああ…この部屋上田さんの部屋だったっけ(一度しか来たこと無いからうろ覚えだけど)。
今何時かと見れば夕方だった。昨日の今日で私はぐっすり寝てしまっていたらしい。
となると、今頃上田さんは大学から出る頃かな?


「おかえりって言ってあげなきゃな。えへへへ!」


あと、上田さんが帰ってきたら住まわせてって頼んでみようっと!





強引的におしまい。かも。







以下、勝手にやむ落ち

「膣は処女でないなら、こっちならどうなんだ?まだ処女だろ」
「こら上田!お前ちゃっかりドコ触ってるんだ!」
「YOU、こっちも気持ち良いらしいぞ?」
「まぁ確かに経験は無いですが。…っておい!触るなっ!」


くだらなく終わる。
最終更新:2006年09月21日 23:32