国語


《現代文編》(あまとう式)
 田村のやさしく語る現代文(高1) & 現代文キーワード読解(高1~高3)
→ 入試現代文へのアクセス(高2) &   現代文と格闘する(高2)
→ 過去問(高3) (&余力があれば『得点奪取現代文』も。)

※その他、年間100冊ほど本を読む。
※『現代文キーワード読解』が難しければ、『ことばはちからダ!』を使っても良いです。

《古文編》
  • 単語:
重要古文単語315(高1~高3) & ゴロ565(高1~高3)
  • 文法:
望月古典文法の実況中継(高1~高3) & 古典文法基礎ドリル――ステップアップノート30(高1~高2)
  • 読解:
古文解釈 はじめの一歩(高1) → 古文上達(基礎編)(高2) → 古文解釈の方法(高2)
→ 得点奪取古文(高3) → センター古文満点のコツ(センター直前)
  • その他:
マドンナ古文常識(高3)、和歌の修辞法(高3)

《漢文編》
教科書音読(高1~高3)
新漢文の基本ノート(高1) → 早覚え速答法(高2) → 得点奪取漢文(高3)
※単語集として『漢文重要単語集』(高3~)を使用。
これは漢文常識を身につけるための本なので通読するだけでいい。上級者向け。


注意:
古文漢文に関しては学校の授業を優先させてください。
読解問題集には主に夏休み・冬休み・春休みなどまとまった時間が取れるときに一気に取り組むといいでしょう。
現代文と古文の読解問題集は念のため少し多めにしましたが、塾や予備校やZ会を利用している人はもっと少なくて構わないと思います。
特にセンターまでしか国語が必要でない人は難しい問題集は大胆にカットしても大丈夫です。


<古文の読解問題集に関して一言。>
センターまでの人は『古文解釈はじめの一歩』と『古文上達基礎編』の2冊で十分。
2次に古文がある人は上記2冊に加えて『古文解釈の方法』と『得点奪取』のうち1~2冊追加してください。
ただし、『古文解釈の方法』はかなりの良書ですが、相当難しい問題集です。
もし『古文解釈の方法』が難しければ、一段レベルを落として『はじめの一歩 古文読解問題集』に取り組むといいでしょう。

<東大受験生に一言。>
古文漢文の『得点奪取』の代わりに『鉄緑会東大古典問題集』をやるといいと思います。
過去10年分の東大の過去問が収録されており、ここまで詳しい解説問題集はないというぐらい非常に素晴らしい出来です!!
東大受験生の半分以上が使っていると思われます。




~現代文~


「現代文なんて勉強してもしなくても同じでしょ?」
もしかして、そう思ってませんか。
確かに現代文は他の教科と違って知識以外の要素が大幅に含まれるので、
勉強時間に比例してすぐに偏差値が伸びるなどという性質のものではないようです。
現代文の勉強の仕方がわからないという声は、こうした点からくるものなのでしょう。
しかし、現代文には現代文なりのアプローチの仕方が確かに存在するんです!
私もその正しいアプローチを意識した途端、ある日突然現代文の実力が急に上がる時期が訪れました。
逆にアプローチが間違っていれば現代文の実力は思うように伸びないはずです。
現代文の勉強法さえ知ることができれば、適度な勉強時間で効率よく実力を伸ばすことが可能なのです。

「でも、現代文にはセンスが必要なんでしょ?」
そんなボヤキの声が聞こえてきそうですね。
確かに「なぜか知らないけど昔から特別勉強しなくても国語ができたんだー」という人は一定数いますよね。
しかし、どうやら入試現代文に天賦の才能はほとんど要求されないみたいです。
その証拠に、今の段階で中学生用のテストを解いたら皆さんほとんど満点取れるはずです。
現代文の実力は、経験を積めば誰でも備わってくるものだという何よりの証拠でしょう。
現代文は、だから、正しい勉強の仕方をすれば必ず伸びるはずです。

現代文の実力の正体というのは、どうも文脈の流れを正しく把握する仕方、
すなわち“論理的思考力”のことを指す場合が多いようです。
国語のセンスがある人は、今までその作業を無意識にやっていたに過ぎないのでしょう。
無論、そうしたセンスがある人も、正しい訓練をつめば、更に点数が伸びるはずです。
これは参考書や授業などで正しい読解法を学べば、
あとは読解量を積んだり、問題を解いたりする過程で誰でも必ず伸びると思います。
文脈の流れを正しく追うことができれば、少なくとも読解力の面で減点されることはないでしょう。
あとは正しい記述力を身に付けるだけです。
こうした記述力を磨く方法はどうしても独学で会得するのは難しいので、
学校の先生に方法論を教えてもらうのもいいですし、
学校の先生の教え方がわかりにくいと感じたなら予備校を利用するのもいいでしょう。


では、以下に現代文の「読解力」を身につけ、記述問題に対応できるだけの「解答力」を
養成するにはどうすればいいのか、
私なりに気づいた点を述べていきたいと思います。


<高1の勉強法>

高1の段階では以下の基本的な参考書2冊だけにしぼって、何度も読み込んでみてください。
おすすめの参考書は、『田村のやさしく語る現代文』と『現代文キーワード読解』です。
『田村のやさしく語る現代文』で現代文が得意な人の思考回路を学び取り、
『現代文キーワード読解』で評論文特有の抽象的な用語や話題を押さえ、語彙力をつけます。
(『現代文キーワード読解』はやや難しい本なので、代わりに『ことばはちからダ!』でも悪くはないです)
この2冊は評論文を解くためのアプローチと知識を身につけるために最適な本であり、
必ずや、現代文における骨太の基礎力を養ってくれるでしょう。
この2冊さえ何周もすれば、高1段階で問題演習はほとんどしなくても構わないと思います。

<高2の勉強法>

高2になるとようやく問題演習に入ります。
定評のある標準的な記述問題集
(例:『入試現代文へのアクセス』『現代文読解力の開発講座 』『現代文と格闘する』etc)
を1~2冊コツコツと仕上げていき、
高1で学んだ基礎を生かす練習をします。
現代文という科目は、自分の頭でとことん思考してはじめて実力が伸びる科目です。
したがって、この時期は記述問題をどんどん解いていくのが得策です。
この時期は、問題を解くのにいくら時間がかかっても構わないです。
問題文を精読し、粘り強く答案を作成することでどんどん現代文の実力が伸びるはずです。 
現代文は、基本的にある程度高2の終わりまでに完成させておくと
高3になった時に理科や社会、古文漢文といった暗記の比重の高い科目に多くの時間を割けます。

<高3の勉強法>

高3になったらいよいよ空いた時間に大学の過去問です。
記述問題が課される人は早速過去問を解いて難易度を体感してみます。
11月以降は、センター対策として「センターの過去問」を中心にやっていくのが良いです

<定期テスト対策>

英語や数学や古文漢文に比べれば、現代文の定期テスト対策は少なめで良いでしょう。

現代文に関しては、以下の[入試現代文概論]というサイトにもかなり詳しく載ってますので、
参照されると良いと思います。


以下、入試現代文の点数を上げる方法を詳しく教えます。

①現代文の論理的な読解法


論説文は非常に論理的に段落が構成されており、
明確な“主張(結論)”とそれを支える“理由”が明示された文章だといえるでしょう。
これを論理的に解明していく作業が「文章を読解する」ということなのです。
これには“論理的思考能力”が大きく介在しており、ひいてはそれが現代文の実力の源泉になります。
ゆえに、単なる日本語の能力だけでは現代文の点数は取れないのです。
現代文を勉強する意義とは、このような論理的思考力を養うことと言っても良いでしょう。
このようにして備わった論理的思考力は、数学や理科など他科目の理解を深めるうえでも貢献してくれることでしょう。
『田村のやさしく語る現代文』をはじめとした問題集はまさに以上のような論理的読解力をつけるのに最適な書となります。


②現代文の客観的な解答法


「現代文なんてフィーリングで解けばいいじゃん」なんて思ってる人はいませんか。
現代文はフィーリングで解かないでください。
例えば、マーク式の問題を解く際は、なぜその選択肢が正しいのかor間違っているのか、
確かな客観的根拠を本文中から見出さなければなりません。
このような理由付けをやらないとなかなか現代文の実力は伸びないはずです。
現代文が得意な人は、頭の中でこのような思考回路を使って問題を解いているので
それを真似すれば良いのです。
マーク式の現代文の問題では、正解以外の選択肢をきちんと消去法で消せるようにしましょう。
 
以上のようにして論理的・客観的に問題を解く練習をするようにすると
途端に現代文の実力が付くはずです。
これに関しても『田村のやさしく語る現代文』をはじめとした問題集を使用することでコツがつかめるでしょう。
マーク式の問題ならほぼ満点、記述問題でもそこそこ以上の点数を稼げるようになります。


③現代文の語彙力をつける


さて、上で述べた読解力・記述力をつける作業と並行して語彙力をつける作業も必要です。
語彙力育成の本を1冊用意しておく必要があります。
おすすめは『現代文キーワード読解』や『ことばはちからダ!』etcです。
また、意味を知らない言葉が出てきたら国語辞書で調べてみる癖をつけておくことも大切です。


④漢字の対策


大学入試とはいえども、たいていの大学では高校入試+α程度の漢字しか出ません。
したがって、漢字対策にそれほど時間を割かないようにしたいところです。
おすすめは『見て覚える頻出漢字』です。
815個という最低限の数の漢字が過不足なく載っていて、
なおかつ重要漢字のみに絞っているのでコストパフォーマンスは高いです。


<小説の対策>


今までの話は論説文に関する話ばかりに終始してしまったので、小説対策についても簡単に触れます。
ほとんどの皆さんは、センター試験のみで小説が課されるにすぎないのでマーク式の問題が解ければ問題ないです。
ということは、誤答選択肢を「消去法」を用いて除外できさえすればOKであり、
それほど小説対策に時間をかける必要はなさそうです
小説というと、登場人物の心情に自分の心情を深く重ねすぎて、
「小説の登場人物のAさんの気持ち、とっても共感できるの!Aさんって私と同じできっとこんな風に思ってるんだわ♪」
などという風に、主観的で恣意的で自分勝手な読み方をしてしまう人も中にはいますが、
そうではなく、あくまでも解答の根拠を本文中に求めるという理性的な読解を心がけてください
小説は論説文と比べて確かに使用される語彙はやさしいものが多いのですが、
そのかわりつかみどころのない文章が採用されることも多く、なかなか高得点に直結しない分野です。
よって、小説問題は過度に対策しすぎることのないようにしてください。
小説で記述問題が出る大学を志望する人のみ 
『大学受験のための小説講義』(ちくま新書)で小説対策すると良いでしょう。

<読書は現代文に役立つか>


新書などに掲載されている論説文や、小説の純文学ならば役立つでしょう。


<問題文を要約するべし>


より現代文の実力をつけたいなら、本文を要約してみる練習も良いでしょう。
ちなみに『現代文読解力の開発講座』や『現代文と格闘する』などの問題集には多くの要約問題が載っています。
こうして作成した要約文は、力のある先生に添削してもらうのも一案です。 



~古文~


古文は満点狙いは難しいですが、安定してある程度の得点を見込める分野です。
センター試験なら8~9割、2次試験なら6~7割の得点を安定して取ることができるはずです。
このように古文は他の科目に比べ、屈指の安定感を誇る科目ですが、
それは「知識」の占めるウエイトが高く、ある程度知識で解答できる問題が多いからです。

しかし、それでも古文は平均点が現代文や漢文に比べて低めの傾向にあります。
それは現代文や漢文に比べて要求される知識量が圧倒的に多く、
それゆえ古文の勉強が最後まで終わらない人が多いからだと推測できます。
特に理系の人は古文を高3からようやく始める人が多いようですが、
直前期には理科や社会の勉強で手いっぱいになってしまうことを考えると
やはり古文は高1の頃からコツコツと取り組んでいったほうが無難でしょう。
学校でも古典文法は高1の頃から熱心に練習させてくれるはずです。それを利用するといいでしょう。

また、古文の文章は論理的な文章とはいえず、それがかえってつかみどころがない原因になっています。
というのも、文章がダラダラと長々と続くし、論理の飛躍や、主語・目的語の省略なども多いので、
論説文とは違う意味で読解するのが一苦労となるのです。
和歌に至っては完全に感性の世界なので、特に理性的に読み取りにくいところでもあります。

しかし、このような感性的で非論理的な文章といえども「論理的に」読解するためのテクニックがあります。
これには古典文法(助動詞・助詞・敬語)や重要構文の知識が大きな威力を発揮してくれます。
良質な問題集を用いて、これらの文法事項を論理的読解に生かす練習を積みましょう。


さて、古文もそれほど多くの問題集を使う必要はないでしょう。
英語の項でお話ししたのと同じ理由で、教科書第一を心がけます。
市販の問題集は、ある程度教科書の内容を把握していることを前提に作られているので、
教科書程度のことがマスターできていないと市販の問題集もうまく使いこなせないのです。
ちなみに教科書ガイドを利用すると、全文の品詞分解が載っているのでスムーズな学習が期待できるでしょう。
最終的に、教科書の本文は自分で品詞分解し、全訳できるようにしておくことが理想です。
そして、古文の文章に慣れるために数回程度音読もしておきましょう。

古文は、英語以上に単語と文法が重要です。以下各論に入っていきましょう。

①古文単語

単語はある程度高1の時点でどんどん完成させていくといいかもしれません。
ただし、最初のうちは教科書掲載の古文単語を文章の中で覚えていくといいでしょう。
(覚えにくければ『ゴロ565』のゴロを補助的に使うのもアリです。)
ある程度語彙力がついてきてから正統的な単語集を使い始めます。
このときも、古文単語が単語集にある例文の中でどういう使われ方をしてるのかを
確認しつつ、古文単語の意味を覚えていくといいでしょう。
目安としては、高1で150語レベル、高2で300語レベル、高3で400~550語レベルの単語力があれば大丈夫です。
古文は外国語のつもりで勉強しましょう。
単語がわかるようになると、途端に古文は読めるようになります。

②古典文法

文法は、高1で助動詞、高2で敬語と助詞、という風に2年計画で全範囲を網羅する学校が多いようなので
それほど急がなくても大丈夫でしょう。
最重点分野は何と言っても“助動詞”(①意味②接続③活用の仕方の3つを押さえる!)に他なりません。
以上の①~③は正確な古文解釈のために絶対に必要となります。
助動詞は、全ての意味(例:「けり」は過去の助動詞、「ぬ」は完了の助動詞etc)を把握し、
助動詞の活用を一覧表などを利用して定着させていきます。
用言や助動詞の活用表は是非“唱えて”声に出して覚えていきましょう!!
(※助動詞の活用にはある程度法則があるのでそれを把握するのがいいです。
例えば、終止形の語尾がウ段の音なら動詞型活用、
終止形の語尾が「り」で終わるならラ行変格活用(但し「なり」は形容動詞型活用)
終止形の語尾が「し」で終われば形容詞型の活用
と省力化して覚えることが可能です。
すると、完全な変格活用は「ず、き、し、らし」のみになり、
「し、らし」は無変化の助動詞ゆえに簡単に覚えられる以上、
丸暗記が必要なのは「ず、き」の2つに絞られます。)
そのうえで助動詞の識別の問題を、問題集で重点的にやるといいです。
識別の問題を解くには、未然形接続や連用形接続の助動詞などを全部列挙できる必要がありますが、
『ゴロ565』にそのような文法ゴロがまとめて掲載されてるので見ておくといいでしょう。
古典文法には有力なゴロが数多く存在するので、
うまく記憶に役立ててみるといいかもしれません。

敬語や助詞は、読解にも応用できるようにしておく必要があります。
敬語は、省略されている主語を補充するために、助詞は文脈の流れを把握するために活躍してくれます。
(敬語に関しては、尊敬語で話しかけられた相手が身分が高く、
謙譲語を用いられた人物が身分が低いということを手掛かりにして省略された主語を特定できます。
平安期のような厳格な身分制貴族社会の時代に書かれた古文を読解する際に特に敬語の知識は威力を発揮します。
また、助詞に関しても、「を」「に」「ば」の前後で主語が変わる傾向が強い、
「て」の前後で主語は維持される傾向が強い、などいくつかのテクニックがあります。
ここらへんは詳しいことは各自で参考書を見てください。)
このように、文法知識を読解に生かしていくことで、古文の読解力はぐんと上がります。

③古文解釈・古文読解

次に読解のガイドラインについて述べますが、
読解においては英語以上に本文の“解釈”の領域を重視してください。
英語に比べて、古文の問題においては現代語訳の問題の比率がとても大きいからです。
特に現代語訳の問題では、本文では省略されている“主体(主語)と客体(目的語)を
適宜補いつつ”訳出する点にも注意してください。
また、現代語訳ではかなり緻密な採点がされていると予想されるので
文法事項の一つ一つを正確に反映させた“逐語的な訳”にする必要があります。
本文の全文解釈も、以上を踏まえ、教科書etcを通じてやっておきましょう。

ある程度この古文解釈の実力がついたら、今度は本文の直読直解にも取り組んでいきます。
こうした「精読→速読」の流れは、英語の「英文解釈(精読)→長文読解演習(速読)」の勉強の流れと同じです。
最終的にセンター古文を20分以内に解き終えるためには、この直読直解ができるようになる必要があります。
そのためには、やはり英語と同様、同じ文章を何度も音読・黙読することが大切です。
また、英語のディスコースマーカーと同様、古文にも因果関係を表す助詞だったり重要な構文など
本文読解に役立つディスコースマーカーがあるので、
それらも終盤になったらまとめておさらいしておきましょう。 

④古文常識

また、古文常識も豊富に身に付けておかなければならないので、
空いた時間に『マドンナ古文常識』を読んだり、
「枕草子」や「源氏物語」の原典や漫画本を読みます。
源氏物語のマンガといえば『あさきゆめみし』が有名ですね。
これらを暇なときに読むことで古文特有のストーリー展開を学んでいきます。
(古文のストーリーは“男女間の恋(恋愛句の贈答)”、“歌論”、“出家譚”などかなりパターン化できるので
ある程度内容を予測しながら読み進めることが可能です。)
この作業は古文の学習を楽しくしてくれるばかりか、古文のセンスもつくのでおすすめです。

特に大学によっては頻繁に有名出典から古文の出題をする大学もあります。
そうした大学を志望する場合、有名出典の現代語訳をあらかじめ多く読んでおけば
本番で割と的中し、かなりの高得点をあげることもできるので
その意味でも有名出典の現代語訳を読むのはおすすめです。

⑤和歌対策(和歌が出題される大学の志望者のみ)

大学によっては和歌対策も必須になるので、
『和歌の修辞法』などを用いて枕詞・掛詞・序詞・縁語などの知識を身につけると良いでしょう。


なお、国語の中でも古文は覚えることも多く、完成させるまでに時間がかかるので
一番時間をかけることをおすすめします。
目安としては、現:古:漢=2:5:3ないし3:5:2ぐらいがいいと思います。




~漢文~


漢文は差がつく!!
漢文は受験科目の中では一番簡単な科目だと思います。 
暗記量がかなり少なく、2ヶ月程度の短期間の勉強で 
すぐに入試レベルまで持っていけます。 
(ただし、最低限の古典文法の知識があることが前提)
また、漢文は高得点をコンスタントに取れるので、得点源にすることが可能です。
漢文を絶対的な得点源にすることに成功したならば、
センター試験なら8~10割、2次試験でも7~8割の高得点が見込めるでしょう。 
漢文はオイシイ科目だと認識しておいたほうが良さそうです!! 

しかし、漢文の学習の仕方がわからない人が多いのもまた事実です。
だから満点近く取れる人がいる一方で、一桁台の点数を取ってしまう人も多くいます。
漢文のテストにおいては、このように漢文ができる層とできない層とで大きく二極化してしまうのです。

では、漢文ができる人の勉強法とはどういったものなのか。
以下に気づいた点を記述していきたいと思います。


まず漢文は句法が最重要です!! 
漢文の8割は句法といっても過言ではない!! 
句法さえ極めれば漢文はそれだけでほとんど解ける気がします。 
句法は、使役・受身・比較・反語・疑問・否定・禁止・仮定・抑揚・累加・選択・限定・比況・願望・詠嘆
などに分類されます。
あと再読文字も9個ぐらいありますが、すべて丸暗記必須です。

さて、こららの句法の知識を効率よく覚えるにはどうすればいいのでしょうか。
漢文には二つのアプローチが存在することをまず知っておく必要があります。

①“音読”

まずは“インプット”です。即ち、音読あるのみです!!
書き下しのやり方は、最初のうちは理論よりも感覚で覚えたほうが早いです。
最初は教科書や句法の例文の書き下し文をひたすら音読するのがいいでしょう。
漢文の配列に慣れるという面では音読に勝るものはありません。
漢文には独特のリズムが存在するので、それを体に叩き込むというわけです。
漢文の教科書の本文は短めなので、結果的に“暗誦できるぐらいまで”音読するのがベストです。 
その過程で重要な句法は口をついて自然にスラスラ言えるぐらいまでになってくるはずです。

教科書の音読のやり方ですが、初期段階では普通に音読していき、
慣れてきたら、送り仮名(例:夫レの「レ」の部分)とふりがなを隠した状態、即ち返り点onlyの訓読文を音読します。
これは教科書をコピーしたうえで送りがなとふりがなを修正液で消してもう一度コピーすれば、
その練習ができるようになります。

句法とは、英語で言う構文みたいなものです。 
英語の教科書や速読英熟語の音読をする過程で重要構文が定着するのと同じで、 
漢文も音読をする過程で重要な句法はほとんど定着するはずです。 
句法は公式を眺めるだけじゃなかなか覚えられないのです。
だからまず句法を音読によって自然に定着させるのがベストな方法なのです。

※音読素材として有名なものとしては、他にも『早覚え速答法』があります。
重要な句法と最頻出の単語を全部網羅した筆者作成の暗唱文を、何十回も音読すれば
それだけで入試問題がほとんど解けるようになるという優れものです。

※実は音読は、「重要構文の定着」だけではなく、他にもメリットがあります。
勉強していくうちに分かってきますが、書き下し文の内容というのは意外と、なんとなくでも意味が分かることが多いです。
なので、読み方が分かり、書き下し文を「読める」ようになれば、意味も入ってくるのです。
ただ単に「書き下し文が書ける」だけではなんのプラスにもなりません。読めることが大事なのです。
だから、「読める文章」を何度も音読して沁み込ませることに効果があるわけです。

②“書き下しの問題をひたすら解く”

①であなたは音読をひたすらやることで、漢文のセンスを身につけました。
しかし、さすがに音読だけでは「知識」として句法を使いこなすことはできません。
徹底的な音読によって、身につけた漢文の感覚。
この感覚をもう一度整理し、息吹を吹き込む必要があります。
そこで②の“アウトプット”です。 
ある程度音読した後は“書き下し文を書く練習”を徹底的にやることを薦めます。 
これにより、句法を知識として定着させ直すことができ、記述力がつきます。 
定期テスト前に、①で用意した「返り点onlyの訓読文」を書き下す練習をやってみるのもいいですし、 
(あと、教科書の場合、ついでに本文を日本語に訳す作業もやっておきましょう。)
問題集を使って書き下す練習を徹底的に積むのもいいでしょう。
偏差値70以上を狙う人なら、白文を書き下す練習も教科書etcでやっておくと実力が付きます。
こうした方法で記述力も付き、いわゆる入試レベルの書き下しの問題もどんどん解けるでしょう。

※尚、①と②は同時並行で取り組んでも問題ないです。 

“音読”と“書き下し”は車の両輪みたいなものです。 
“音読”によって漢文の畑を耕し、“書き下し練習”によって漢文の芽を育てることで
漢文の実力はぐんぐん伸びるでしょう。
ここまでくれば漢文の9割は完成したといっても過言ではありません。
残りの1割は、入試問題を解くことで論述問題に対応できる力を身につけるだけです。


漢文単語


漢文にも独特な意味がある単語や読みが難しい単語があります。だいたい100個前後覚える必要があります。
こうした単語も、教科書や副教材などを用いて少しずつ覚えていきましょう。
また、『早覚え速答法』などの問題集の巻末付録にもそのような単語が多く載っています。
句法をマスターした上で単語も極めたら、あとは読解力を養うだけでもう漢文は超得意教科に育っていることでしょう!!




~現古漢の入試問題を解く~


問題を解く順序ですが、センター・2次問わず「漢文→古文→現代文」の順がよいと思います。
漢文は句法の知識を機械的に適用するだけで正解を導ける容易な問題が多いので、
漢文を一番先に片付けるのが得策です。
(どの教科にもあてはまりますが、簡単な問題から先に解いて確実に点数を確保するのが鉄則です。)
また、古文も漢文ほどではないですが、知識で解決できる問題が少なからずあります。
そして一番思考力を要する現代文を一番最後に回すと良いでしょう。

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最終更新:2016年02月18日 03:08
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