最近、電気石がよく分からない。
「わんもあせ?」
「……何?」
いや、前から色々と不思議なことを言う子だというのは知っているのだが、
今回のは特に分からない。
「びくとりー」
先の言葉との繋がりが、全く見えてこない。
一体これは……。
「解説しよう」
「うわ!?」
横から唐突に虎目石ちゃんが現れる。
というか、解説? 虎目石ちゃんは何か知っているのかな。
「電気石は今、ビリーズブートキャンプをやっている」
……え?
「ごめん、余計分からない」
「だからビリーのブートキャンプに入隊している」
「それはいいんだけど、でもなんで電気石が……」
「全ては姉のようになるため」
姉……つまり蛋白石のようになりたいって事か。
確かに電気石は蛋白石より遙かに非力だ。卵を割るのにも苦労するほどに。
でも、宝石乙女ってトレーニングで筋力上がるのかな……いや、それを言ったら
金剛石ちゃんのことを全否定するわけだし。
うーん……よく分からない。
「ちなみに相談を受けたのは私。勧めたのも私」
「そ、そう……」
なんというか、虎目石ちゃんらしいチョイスではあると思う……。
「わんもあせ?」
「……何?」
いや、前から色々と不思議なことを言う子だというのは知っているのだが、
今回のは特に分からない。
「びくとりー」
先の言葉との繋がりが、全く見えてこない。
一体これは……。
「解説しよう」
「うわ!?」
横から唐突に虎目石ちゃんが現れる。
というか、解説? 虎目石ちゃんは何か知っているのかな。
「電気石は今、ビリーズブートキャンプをやっている」
……え?
「ごめん、余計分からない」
「だからビリーのブートキャンプに入隊している」
「それはいいんだけど、でもなんで電気石が……」
「全ては姉のようになるため」
姉……つまり蛋白石のようになりたいって事か。
確かに電気石は蛋白石より遙かに非力だ。卵を割るのにも苦労するほどに。
でも、宝石乙女ってトレーニングで筋力上がるのかな……いや、それを言ったら
金剛石ちゃんのことを全否定するわけだし。
うーん……よく分からない。
「ちなみに相談を受けたのは私。勧めたのも私」
「そ、そう……」
なんというか、虎目石ちゃんらしいチョイスではあると思う……。
◆
えっと、ビリーバンド、だったか。それを持って何かをしている電気石。
両端を手で持って、思いっきり引っ張る。
「んにぃーっ」
……全然伸びない。というかそう使う物ではないと思う。
しばらくやっても伸びないそれを見て、今度は輪っかっぽくなってる方を足にかけて、
両手で引っ張る。
「んーっ」
伸びない。
「あうっ」
しかも、手から離れた反動で後ろにひっくり返る。
……これって、トレーニング以前に出来ないんじゃないだろうか。
「で、電気石、大丈夫?」
「マスター……伸びない」
「う、うん、そうだね」
「……欠陥?」
いや、多分電気石の力が足りないのが問題だろう。真っ向からは言えないけれど。
「え、えーと、電気石にはまだ早いんだよ、うん。これはお姉さん達がやるものなんだよ」
「……やっちゃ、めー?」
しょんぼりした様子で、こちらを見上げてくる。
これではまるで僕がいじめているみたいだ。何とかしないと。
「あー……じゃあ、その、えー……僕と一緒に体鍛えようよ。電気石にも出来る方法で」
「マスターと、いっしょ?」
途端に顔が明るくなったような気がする電気石。
本当はそんなつもりなかったけど、言ってしまったからには仕方ない。
「……姉様みたく、なれる?」
「そう、だね。頑張れば」
「んー……」
いや、正直電気石はほどほどで……蛋白石並みになられると困るというか。
「……頑張る」
でも、電気石はやる気のようだ。
こういうやる気は大切にしてあげるのが一番なんだろうけど、なんだか複雑な気分というか何というか。
「う、うん……でも、どうして蛋白石みたいになりたいの?」
「……胸、おっきい。ぼいん?」
……電気石も胸のサイズとか気にするんだ。
両端を手で持って、思いっきり引っ張る。
「んにぃーっ」
……全然伸びない。というかそう使う物ではないと思う。
しばらくやっても伸びないそれを見て、今度は輪っかっぽくなってる方を足にかけて、
両手で引っ張る。
「んーっ」
伸びない。
「あうっ」
しかも、手から離れた反動で後ろにひっくり返る。
……これって、トレーニング以前に出来ないんじゃないだろうか。
「で、電気石、大丈夫?」
「マスター……伸びない」
「う、うん、そうだね」
「……欠陥?」
いや、多分電気石の力が足りないのが問題だろう。真っ向からは言えないけれど。
「え、えーと、電気石にはまだ早いんだよ、うん。これはお姉さん達がやるものなんだよ」
「……やっちゃ、めー?」
しょんぼりした様子で、こちらを見上げてくる。
これではまるで僕がいじめているみたいだ。何とかしないと。
「あー……じゃあ、その、えー……僕と一緒に体鍛えようよ。電気石にも出来る方法で」
「マスターと、いっしょ?」
途端に顔が明るくなったような気がする電気石。
本当はそんなつもりなかったけど、言ってしまったからには仕方ない。
「……姉様みたく、なれる?」
「そう、だね。頑張れば」
「んー……」
いや、正直電気石はほどほどで……蛋白石並みになられると困るというか。
「……頑張る」
でも、電気石はやる気のようだ。
こういうやる気は大切にしてあげるのが一番なんだろうけど、なんだか複雑な気分というか何というか。
「う、うん……でも、どうして蛋白石みたいになりたいの?」
「……胸、おっきい。ぼいん?」
……電気石も胸のサイズとか気にするんだ。
「虎目、あんた電気石にはブートキャンプ無理って分からなかったの?」
「……全ては、計算通り。私の思ったとおり【蛋白石のマスター】さんと一緒にトレーニングを」
「はい、適当なこと言わないの」
「……全ては、計算通り。私の思ったとおり【蛋白石のマスター】さんと一緒にトレーニングを」
「はい、適当なこと言わないの」