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明るい家族計画

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匿名ユーザー

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  それは学校帰りのこと。珍しい光景を見かけた、電気石と虎目石ちゃんが手を繋いで散歩をしているのだ。
  確かにあの二人は最近仲がいい。きっとどこか似たもの同士で惹かれ合うものがあるのだろう。
  と、電気石が古びた薬局の前で立ち止まる。
「んー……?」
「どうしたの?」
「んー……あれ?」
  電気石が指差す先には自販機らしき……って、あれは!
「あれは明るい家族を維持するために必要な道具」
「あかるい?」
「具体的に言うと……」
「ストップストーップ!」
  この子はいきなり何を言い出すんですか。
「マスター」
「こんにちは」
「あ、うん。こんにちは」
  うぅむ、やっぱりペースが掴めない……って、そうじゃないよ。
「虎目石ちゃん、外でそういう事話しちゃダメだよ」
「つまりあなたが家の中でいろいろと詳しい説明を――」
「ちがーう! そういうことは具体的に説明しちゃダメって、こ……と……うぅ」
  街中で叫ぶなんて、僕は馬鹿か……周りの視線が痛い。うわぁ、薬局のおばちゃん睨んできてる。
  しかし、いつかはこういうこともあるだろうとは思っていたけど、実際直面するとどうすればいいか分からないな。だいたい何で今どきこんな自販機が……。
「マスター」
「ん、どうしたの?」
  僕の服を引っ張り、そして再びあの自販機を指差す。もう関わり合いたくないんだけどなぁ、あれと。
「あかるい?」
「知らない……」
「んー……いる?」
「いらないよ」
「あかるいの……ダメ?」
  ……何が言いたいんだろう。少しだけ見当がつくけど。
「……暗い家族?」
「いや、全然暗くないよ。蛋白石も殺生石もいるし」
「ん……ずっと?」
「うん。ずっと」
「それを維持するために買うと」
「買いません。必要ありません」
  虎目石ちゃんもホントよく分からない……と、僕が頭を抱えているところに、電気石が僕の服を掴んで見上げてくる。もう片方の手は虎目石ちゃんの手を握って。
「……明るい家族?」
「え、うん」
「……明るいの、好き。みんな、ずっと一緒」
  あ、電気石笑ってるよ。
「私も?」
「うん」
「イインダヨー」
「ぐりーんだよー」
「そんな唐突に……まぁいいか」
  電気石の笑顔か……初めて見たかもね。
「あかるい♪」
  家族……他とはちょっと変わった家族だけど、明るいからいいよね。電気石だって笑ってるし、ね。

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