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闘魂・格闘乙女金剛石

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匿名ユーザー

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主「おいおい天河石、もっと落ち着いて食えよ」
天「うゅー、でもソフトクリームとけちゃうもーん」
主「ったく……ん、金剛石?」
  どこか思い詰めた表情の金剛石が、窓の外から見える。どうやらどこかに向かっているようだが……。
  いや、それよりもあいつ、何で体操服にブルマ姿なんだ?
天「うにゅ? どうしたのー?」
主「いや……天河石、金剛石のマスターってどんな奴なんだ?」
天「いい人だよー? あ、もちろんマスタぁーもいい人だよっ」
主「あそ……」
  そんないい人が、乙女相手にブルマ? 訳分からん……。
  …………
  1回目はあたしの攻撃があっさり回避され、そのまま柱に激突。
  2回目は同じく回避され、勢い余って雲母で躓き転倒。あの後は怖かった、雲母に耕されそうになったし。
  3回目は……って、そんな負けた事ばかり考えない! あたしがマスターに勝つというイメージも修行の一つ! イメージトレーニング!!
金「あたしは絶対強くな……ります! 強くなっていつかマスターに追いついてみせる……じゃない、みせます!」
  澄み切った青い空に誓う。もう何度誓ったか分かんないけどさ……。
金「修行といえば林の中、林の中で自分を鍛え……ます! さぁ、いざとっかあぁあぁぁぁ!?」
  い、いきなり何! 林に一歩踏み込んだらトラップ!?
  スカートじゃないから良かったものの、すっかり逆さ吊りにされてしまう始末……いきなりなんなのよぉ。
雲「金剛石……」
金「雲母っ、あん……あなたがコレ仕掛けたの!?」
雲「荒巻捕獲用」
金「荒巻がこんなトラップで捕まる訳ないと思いますけど……」
雲「意外と良く捕まる……降ろすぞ」
金「え、降ろすって……ひゃあぁ!」
  近くにあったロープを切り落とす雲母。もちろんあたしは真っ逆さまに落ちて、頭を地面に打ち付けた。
雲「金剛石……さすが頑丈」
金「ば、ばかぁ~!」
  頑丈とかそういう問題じゃないだろぉー!

  林の中は危険がいっぱいという事が分かったので、とりあえず街中をランニングという基本的な運動を心がけてみる。
金「でも宝石乙女って運動で筋力つくのかな……って、うわぁ!?」
  け、気配も無しに虎目石があたしの隣を走ってる!?
虎「……やあ」
金「こ、こんにちは……何?」
虎「お使いの途中で見かけたから、挨拶」
金「そ、そう……でも普通に登場してくれた方が」
虎「……普通じゃないのか」
  そりゃ気配を消して隣に立ってたら普通じゃないよ。
  しかしさっきから息も切らさずについてくる……結構速いペースで走ってるんだけどなぁ。
金「と、ところで、お使いってこっちに用があるんですか?」
虎「ない」
  ストレートで否定って……。
虎「あ……」
金「こ、今度はなんですか?」
  そこで何故か沈黙。ホントなんなのよぉ~。
置「アーブダークショォーン!!」
金「うひゃああぁー!?」
  何何何何! 電柱から何!? 水!?
虎「その先で置石が水を撒こうとしてる」
金「おそーい!」
虎「置石、アブダクションは全然関係ない」
置「いやぁ、なんか言いかけ声ないかと思ったんだけどねぇー」
金「冷静に談笑するなぁ~!」

  はぁ……すっかりびしょ濡れ。これで天気良くなかったら最悪だったなぁ。
瑪「ん、金剛石。そんな格好で何を?」
金「う……って、なんだ瑪瑙……ですか」
  これでまたろくでもない奴が出たら最悪だったなぁ……。
瑪「天気がいいからって、服着たまま水浴びはダメだよ。でもなんでそんな格好を?」
金「修行だ……ですっ!」
瑪「あはは、僕の前では無理して上品にしなくていいよ」
金「そ、そう? ふぅ……」
  結構大変なのよね、上品に振る舞うって……全然上品じゃないと思った奴は一人ずつぶん殴ってやる。
ア「面白い格好の子がいると思ったら、金剛石だったんだね」
月「ブルマって奴だねぇー」
金「うひゃあ!?」
  空からいきなりひねくれコンビ登場!?
  瑪瑙は……うわ、すっかり警戒モードになってる。一つも酷い目に遭わされてるからなぁ。
月「瑪瑙ー、あんたはその格好しないのぉー?」
瑪「し、しないよ。僕は修行とかしないし」
月「修行のためにブルマっていうのも、なかなか愉快だよねぇ~」
ア「ま、確かにそうだね」
金「うっさい! 金糸雀のマスターに運動用の服借りたらこれが出てきたのよ!!」
ア「ほら、もっとお上品にしないと。フフフ」
金「うぐっ……」
  どうもこいつの油断があればソコを確実に突いてくるのは気にくわない……。というか人の話ちゃんと聞いてくれてないし。
月「で、瑪瑙ー、もしかしてブルマに興味ありありかなぁ~?」
瑪「な、なんでいきなりそうなるんだよ!」
月「だってさっき、金剛石の格好に興味ありげじゃなーい?」
瑪「それは珍しい格好をしていたからであって、別に興味はないよ」
月「ふーん。でもブルマ姿の瑪瑙かぁ~。あんたのマスター、きっと喜ぶよぉ?」
瑪「え、そ……そうかな……」
  何故かそこで顔を赤くする瑪瑙。そういう反応するとロクな事ないっしょ。
  案の定、アメジストの口元がにやりとなった。
ア「決まりだね」
月「決まり決まりーっ。ひっまつーぶしー!」
  右腕を月長石に、左腕をアメジストに拘束される瑪瑙。
瑪「えっ! べ、べべ別に今そういう格好する訳じゃないよ!!」
月「いいのいいのぉ~。ほぉら、行こう行こうっ」
ア「フフフ」
瑪「嫌っ、放せ! こ、金剛石っ、助けてー!」
  ……ごめん、相手に飛ばれたらどうしようもない。連れさらわれる瑪瑙を、あたしはただ見送る事しかできなかった。

  場所は移って商店街。すっかり服も乾いたあたしは、快調にランニングを続けている。
蛋「金ちゃーんっ!」
金「はっ!?」
  まずいっ、ある意味今日出会った相手で一番デンジャラスになるであろう相手!
  あたしは足踏みを早めてその場から逃げようとする。
  ……あぁ、無駄だ。あの子に足の速さだの力だので勝てる気がしな……。
金「ぐえっ!」
  エルボー! 出会い様にエルボー!?
蛋「あっ、ごめん! 勢い余ってつい……」
  ……だーからあたし蛋白石苦手なのよ……。
蛋「金ちゃんー、起きられる?」
金「だ、だから金ちゃんって呼ばないでと……」
  差し伸べられた手に支えられ、何とか立ち上がる。あー、めまいがする……。
金「うぅ……で、なんで蛋白石がここにいるの……いるんですか?」
蛋「え? 散歩してたらおいしそーな匂いに誘われてねぇ……えへへ~、なんかぁ、いい匂いがぁ……」
金「さすが食い意地だけは……って、コラコラ! 店の物に手ぇ出そうとしない!!」
  魚屋の魚に今にもかぶりつきそうな蛋白石を押さえる。しかし先ほども言った通り、この子はあたしを越える力持ちだ。
  案の定、あたしが押さえた程度ではこの子の進行を止める事は出来ない。ズルズルと引きずられていく……。
蛋「おさかなぁ~……」
金「た、蛋白石っ、落ち着きなさい! 食い逃げする宝石乙女なんてみっともなぁー!?」
  遅かった。店先に置いてある大きな魚をその剛腕で持ち上げ、その柔らかな身にかぶりついた。
店長「なっ……」
  あー、何が起ったか理解できてないよ、このおじさん……。
  だが、すぐに頭の回路は怒りに直結されたらしい。みるみるうちに顔が赤くなる。ちなみにあたしはみるみるうちに顔が青くなってるに違いない。
店長「……くぉらぁ! お前ら何してんだぁー!!」
金「あ、あたしは関係ないー!!」

  あたしは蛋白石を見捨て、その場から逃げ出していた。
  蛋白石がどうなろうとあたしもう知らない……いや、それよりも店長の方が心配か。蛋白石にやられてなきゃいいけどなぁ……。
  って、ドタバタしているうちにすでに夕方。
金「はぁ~……なんかロクに修行できた気がしない」
  なんか疲れるわ憂鬱になるわ、嫌な一日だったよ、ホント。
黒「あ、金剛石ちゃん」
珊「何かろくでもない事があったという顔しているな」
  いつの間にいたんだろ、あたしの後ろから二人が声をかけてきた。
金「あ……まぁ、ロクな事なか……ありませんでしたよ」
黒「そうですか……大変でしたね」
金「あははは……いいの、修行ですから」
珊「修行か。左様なら某を呼べば良かったものを」
金「い、いやぁ、たまにはゆっくりしてもらうのもいいと思ったんですよぉ」
  ホントは珊瑚の修行すっごくきついから、それが嫌なだけだけど……きっと一週間山に篭もるとか平気でやるよ、この人。
黒「それより金剛石ちゃん、そろそろ修行は終わりにして家に帰りませんか? 今日は雲母ちゃんが美味しい物いっぱい取ってきてくれたよ」
珊「うむ。あの荒巻とかいう生物、見た目の割に美味だからな」
  晩ご飯かぁ……あ、よく考えたら昼ご飯食べてなかったんだ、今日。
  ロクに修行は出来なかったけど……まぁ、お腹も空いたし、今の状態ならきっとどんなご飯も美味しいねっ。
  特に黒曜石の作るご飯は最高! よし、修行は明日に持ち越そうっ
金「そっかぁ、じゃあお腹も空いたし、帰りましょうかっ」
黒「はい、帰りましょう」
珊「今度の修行は某も呼んでくれ」
金「……遠慮しておきます」
  ……あたし、マスターに勝てる日が来るのかなぁ。
  …………
月「にゃははー、すっかり可愛い姿になったねぇ、瑪瑙」
ア「そうだね。きっと君のマスターも喜んでくれるさ。そうだ、このスクール水着も使ってみてはどうだろうか」
瑪「うわぁーん!」

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