「はっきり言って、うちの姉妹はストロベリってるのばっかりだと思うのよ!」
そんなことを唐突に言い放ったのは、うちの姉置石。
それを聞かされた私と月長石、そして呼び出された天河石。別にそんなの私は気にしないし、
そもそも月長石は……。
「天河石、イチゴ大好きだよ?」
「ノンノン。いい天河石、そーいう意味じゃなくてね」
と、子供らしい返答をした天河石に対し、置石が額をくっつけてお説教を始める。
天河石の方は、突然のことにとまどっている様子だ。だがそんなのを置石が気にするはずがない。
「つまり、不純異性交遊がはびこるこの宝石乙女姉妹。これをあたしはどげんかせんといかんって思う訳で」
「あうぅ……どげ?」
「置石、去年の流行語はもう古い」
「うっさい! とにかく、あたしはこのラブラブでストロベリってる連中の頭を冷やすために実力行使」
「あー……なんかよく分かんないけど、あたし帰っていい? あいつと約束あるから」
と、ずっとめんどくさそうに置石の話を聞いていた月長石が立ち上がる。
そして、開けっ放しになっていた窓の枠に足をかけ……。
「あいつ……あいつってまさか!」
「置石には関係なーし。じゃ、あたしはこれでぇ」
それだけ言い残し、窓から飛び出す月長石。
おそらくマスターがいるであろう場所に向けて飛び去ってしまった。
誰もいない窓。それを憤怒の表情で睨み付ける置石。おお怖い。
「あンの裏切り者ぉー……」
「姉さんもその気になればあっちの仲間入り出来る」
「うーるーさーいーっ!」
その凶暴な顔が、こちらに向けられる。いつの間にか天河石は私の背後に隠れていた。ずるい。
「あたしはねぇー、珊瑚みたいな初々しいのも嫌いなら、ペリ姉様みたいに大人なのも嫌いなの!
そもそも男相手に何であんな」
「置石は、どちらかといえばツンデレルート……だね。あとペリドット姉様に喧嘩売るのは良くない」
「ツンデレ言うな! というか、あたしは誰にもデレたりしないもん」
そう言って強がる置石。
でも私は知っている。本当は置石だって恋に心焦がす乙女なのだと。問題は相手がいないだけであって……。
「アンタ、今テキトーな事考えてたでしょ」
「……ばれた?」
「バレバレ!」
残念。
「それより、私としては天河石は何も関係ない。無関係の子供を巻き込むなんて年上としてどうかと思う」
「そ、それはほら、あたしが正しい付き合いというのをこれから多感的な時期に入る天河石に調きょ……
教え込んであげようと」
「あうー……て、天河石より電ちゃんの方が、お姉さんだよ?」
「うっさいうっさい。という訳で天河石、ちょっとこっちに」
天河石に向けて手を伸ばそうとする置石。
……その細い手を、近づけるわけにはいかないか。そう思ったとき、すでに私の手は置石の手をはたいていた。
「いたっ」
「適当な理由付けて、天河石にいたずらしようとしない」
そう、手を伸ばしていた置石の顔は、お説教というより何か企みがある顔だ。
妹として、これは見逃せない。小一時間は問いつめさせてもらう。
「なっ……あ、あたしは別にっ、天河石に催眠術かけたりなんてするつもりは」
「それで昨日は私の催眠術パーフェクトガイドを読んでたんだ。珍しく読書してると思えば……」
図星と言わんばかりに、置石の頬が引きつる。
「これは、ちゃんと話を聞かないとダメだね。置石、覚悟してもらうよ」
「え、あ、その……虎眼、目が怖いよ? ってこら天河石っ、あたしを置いて逃げるなっ!」
「置石は、逃げちゃダメ」
そんなことを唐突に言い放ったのは、うちの姉置石。
それを聞かされた私と月長石、そして呼び出された天河石。別にそんなの私は気にしないし、
そもそも月長石は……。
「天河石、イチゴ大好きだよ?」
「ノンノン。いい天河石、そーいう意味じゃなくてね」
と、子供らしい返答をした天河石に対し、置石が額をくっつけてお説教を始める。
天河石の方は、突然のことにとまどっている様子だ。だがそんなのを置石が気にするはずがない。
「つまり、不純異性交遊がはびこるこの宝石乙女姉妹。これをあたしはどげんかせんといかんって思う訳で」
「あうぅ……どげ?」
「置石、去年の流行語はもう古い」
「うっさい! とにかく、あたしはこのラブラブでストロベリってる連中の頭を冷やすために実力行使」
「あー……なんかよく分かんないけど、あたし帰っていい? あいつと約束あるから」
と、ずっとめんどくさそうに置石の話を聞いていた月長石が立ち上がる。
そして、開けっ放しになっていた窓の枠に足をかけ……。
「あいつ……あいつってまさか!」
「置石には関係なーし。じゃ、あたしはこれでぇ」
それだけ言い残し、窓から飛び出す月長石。
おそらくマスターがいるであろう場所に向けて飛び去ってしまった。
誰もいない窓。それを憤怒の表情で睨み付ける置石。おお怖い。
「あンの裏切り者ぉー……」
「姉さんもその気になればあっちの仲間入り出来る」
「うーるーさーいーっ!」
その凶暴な顔が、こちらに向けられる。いつの間にか天河石は私の背後に隠れていた。ずるい。
「あたしはねぇー、珊瑚みたいな初々しいのも嫌いなら、ペリ姉様みたいに大人なのも嫌いなの!
そもそも男相手に何であんな」
「置石は、どちらかといえばツンデレルート……だね。あとペリドット姉様に喧嘩売るのは良くない」
「ツンデレ言うな! というか、あたしは誰にもデレたりしないもん」
そう言って強がる置石。
でも私は知っている。本当は置石だって恋に心焦がす乙女なのだと。問題は相手がいないだけであって……。
「アンタ、今テキトーな事考えてたでしょ」
「……ばれた?」
「バレバレ!」
残念。
「それより、私としては天河石は何も関係ない。無関係の子供を巻き込むなんて年上としてどうかと思う」
「そ、それはほら、あたしが正しい付き合いというのをこれから多感的な時期に入る天河石に調きょ……
教え込んであげようと」
「あうー……て、天河石より電ちゃんの方が、お姉さんだよ?」
「うっさいうっさい。という訳で天河石、ちょっとこっちに」
天河石に向けて手を伸ばそうとする置石。
……その細い手を、近づけるわけにはいかないか。そう思ったとき、すでに私の手は置石の手をはたいていた。
「いたっ」
「適当な理由付けて、天河石にいたずらしようとしない」
そう、手を伸ばしていた置石の顔は、お説教というより何か企みがある顔だ。
妹として、これは見逃せない。小一時間は問いつめさせてもらう。
「なっ……あ、あたしは別にっ、天河石に催眠術かけたりなんてするつもりは」
「それで昨日は私の催眠術パーフェクトガイドを読んでたんだ。珍しく読書してると思えば……」
図星と言わんばかりに、置石の頬が引きつる。
「これは、ちゃんと話を聞かないとダメだね。置石、覚悟してもらうよ」
「え、あ、その……虎眼、目が怖いよ? ってこら天河石っ、あたしを置いて逃げるなっ!」
「置石は、逃げちゃダメ」
「で、何かデレデレしてた珊瑚が妬ましくて、天河石を使ったいたずらを」
「妬ましくないっ。ただいたずらしようと思っただけよ……というか話したんだからほどきなさいよ!」
縛り付けられた椅子ごと暴れ出す置石。
しかし、強がりか単純に気付いていないだけか……間違いなく、置石は珊瑚が羨ましいんだと思う。
まぁ、気付いているのかどうかも怪しいし、そんなこと素直に言うわけがない。テーブルに頬杖を付きながら、
ため息を漏らす。
「な、何よぉー」
私の態度が相当不満なのか、置石の鋭い睨みがこちらに向けられる。
「私は心配してるんだよ。置石がちゃんと女性としての幸せを成就できるのかと」
「なっ……何でそんな心配されないといけないのよ!」
「このままじゃダメだね、うん。もう少し素直になって、男性の知り合いを……いや、
その前に女性らしさを磨くべきか」
「し、失礼なっ! これでもあたしが本気になれば男の一人や二人ホイホイ」
「じゃあ、なぜベストを尽くさないのかっ」
「だからストロベリってるのは嫌だって言ってるでしょうがー!」
……ほんと、うちの姉は素直になれない。
まぁ、そういうのがツンデレって言うのかも知れない。この長所をもっと伸ばせば……。
「仕方ない。今日は私が色々教えてあげるから、置石はそこで聞いてて」
「えっ、何でそんな流れに……ってぇ、今日はあたしが説教するつもりだったのにぃー!!」
……というわけで、置石の嫉妬計画は色んな意味で大失敗したという。めでたしめでたし。
「妬ましくないっ。ただいたずらしようと思っただけよ……というか話したんだからほどきなさいよ!」
縛り付けられた椅子ごと暴れ出す置石。
しかし、強がりか単純に気付いていないだけか……間違いなく、置石は珊瑚が羨ましいんだと思う。
まぁ、気付いているのかどうかも怪しいし、そんなこと素直に言うわけがない。テーブルに頬杖を付きながら、
ため息を漏らす。
「な、何よぉー」
私の態度が相当不満なのか、置石の鋭い睨みがこちらに向けられる。
「私は心配してるんだよ。置石がちゃんと女性としての幸せを成就できるのかと」
「なっ……何でそんな心配されないといけないのよ!」
「このままじゃダメだね、うん。もう少し素直になって、男性の知り合いを……いや、
その前に女性らしさを磨くべきか」
「し、失礼なっ! これでもあたしが本気になれば男の一人や二人ホイホイ」
「じゃあ、なぜベストを尽くさないのかっ」
「だからストロベリってるのは嫌だって言ってるでしょうがー!」
……ほんと、うちの姉は素直になれない。
まぁ、そういうのがツンデレって言うのかも知れない。この長所をもっと伸ばせば……。
「仕方ない。今日は私が色々教えてあげるから、置石はそこで聞いてて」
「えっ、何でそんな流れに……ってぇ、今日はあたしが説教するつもりだったのにぃー!!」
……というわけで、置石の嫉妬計画は色んな意味で大失敗したという。めでたしめでたし。