宝石乙女まとめwiki まるで新婚さんな家に秋が来る
休日の夜、二人でソファーに座りテレビで紅葉を見る。
 「寒くなってきたと思ったら、秋が深まってきたのですねぇ」
温かいカップを抱えて彼女が紅葉に見入る。
そういえば、ウチの近所も そろそろ色着いてきているなぁ。
 「次の休みには紅葉の並木道でも散歩しようか」
最近は 二人で寄り添って歩くことにも照れずに出来るようになった。
それだけ、彼女と一緒にいる時間が多いということだろうな。

 「秋っていいですねぇ」
うっとりと呟く彼女に問いかけてみる

 「秋といえば?」
 「芸術の秋ですね」
彼女の姉妹が集まって織り成す演奏は素晴らしいの一言につきるものだった。

 「食慾の秋もいいですね」
美味しい食材が揃う季節だものなぁ。彼女も料理の時から楽しそうにしているし。
毎日の食卓は実に素晴らく、僕も食事がなによりも楽しみになっている。

 「読書の秋とも言いますね」
夜長に本を読みふけて ついつい夜更かしをしてしまうのも
この季節だ。 僕も彼女も本を読むことが好きなので
翌朝には腫れぼったい目で顔を合わせることもある。

 「紅葉の秋にマスターと二人で歩くって素敵ですねぇ」
僕と一緒に過ごす時間を とても楽しみにしてくれているのがわかるから、
僕は彼女と一緒にいる時間を多く作りたいと思う。
なにより、いっしょに居れることは僕も嬉しい。

 「人恋しい秋とも言いますね」
いかん。雲行きが怪しくなってきた。
 「逃がしませんよ」
腕を取られる。ぴったりと寄り添う彼女。
こうなると僕の負けだ。
最近、時々だが彼女は大胆になる。二人っきりの時は特に。

 「マスターと一緒に季節を重ねることが、私の一番の幸せです」
彼女のまっすぐな物言いに とろとろに溶けてしまいそうになる。
虜になったのは彼女か僕か。
彼女の体温と柔らかさを感じながら次の休日のことに思いをめぐらせる。
ああ、僕は幸せなんだろうと素直に思うことが出来た。