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繰り返す日々にスパイスを」(2006/09/20 (水) 11:23:33) の最新版変更点

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  ダルい。体が重い。このままだとヤバい。 「た、ただいま……」 「おか……どうなさいましてっ!?」   あ……ヤバ、意識が……。 「ん……」 「気がつきまして?」   あれ……俺何やって……。 「帰ってきたと思ったら急に倒れてしまったんですわ。おそらく風邪ですわね。熱はありますがインフルエンザではないと思います」 「あー……部屋まで運んでくれたのか?」 「そんなに玄関が好きなら今から戻しましょうか?」 「いや、ありがとう」   そうだ、たしか鶏冠石の顔を見て緊張と一緒に意識も切れたんだ。 「悪いな。重かったろ?」 「えぇ、思ったよりもしっかりしていました」   なんでそこで微笑むんだ? 「うー……まさか風邪ひくとは……」 「季節の変わり目でしてよ? 体調を崩しやすい時期ですわ」 「でも今までそんなに風邪とかひかなかったんだけどなぁ……」 「過去は過去です。とりあえず今日はゆっくり休んでください」   時計を見る。9時……3時間くらい寝てたのか。 「ずっと看病しててくれたのか……?」 「い、いけませんかっ!?」 「いや、感謝はすれどいけないなんてことは絶対ない」 「当然ですわ」   看病されるっていいな……実はもう体調はバッチリだが、これならもうちょっと病気もアリだ。それに今日の鶏冠石はやけに優しいしな。今ならちょっと無茶なことでも……。 「鶏冠石……」 「? なんですの?」 「俺はもうヤバいかもしれない……寒いんだ……」 「ちょ、どうしましたの?」 「体が震えるんだ……自分の体じゃないみたいで……怖い」 「大丈夫ですわ。ただの風邪です。体の調子が悪いと心も不安になります。ちゃんと私がついていますから」 「なら……キスしてくれないか?」 「は?」 「鶏冠石……頼む……」 「え、そんな……え?」   鶏冠石の腕を引っ張る。うろたえてる鶏冠石が鬼のように可愛い。だがここでニヤけてはおしまいだ。あくまで真剣な顔で責める。 「ちょ! 待っ、ん――」   唇が重なる―― 「ん……ふ――」   鶏冠石の頭はこの事態についてきていないのかもしれない。いつもだと考えられないくらいか弱い。そのギャップで俺の理性はどこかへ飛んでしまったんだろうか。俺は鶏冠石をベッドの上まで引っ張った。 「あ……や、やめなさいっ!! 体調が優れないんじゃありませんの!?」 「いや、ごめんもう我慢ムリ」 「あ、コラ……ちょっと! んむーー!」 「んー」   たまにはこんなのもアリだ。   事後。 「サイテーですわ!」 「ゴメン……」 「知りませんっ!! あんな……」 「ん? あんな、なに?」 「もうっ!」 「俺は鶏冠石が好きだからしたんだけど……鶏冠石は嫌だったか……ごめん」 「そ、そんなこと言ってません! ただその過程というか方法というか……ゴニョゴニョ」   可愛い。可愛すぎるぞ鶏冠石。 「聞いてますの!? って、ん――」   うるさい口は塞いじゃいましょう。もう正直あとのことなんて考えていない。今日くらい俺の勝手にさせてくれたってバチは当たらない。   それに別に悪いことをしてるわけじゃないんだ。これからもたまにこんな日があって鶏冠石の小言を聞いて――きっとそんな毎日が続いていくんだ。いや、絶対に続けるんだ。   終わらせたくない日常を噛みしめるように、そしてまだ見ぬ明日に負けないように――。
  ダルい。体が重い。このままだとヤバい。 「た、ただいま……」 「おか……どうなさいましてっ!?」   あ……ヤバ、意識が……。 「ん……」 「気がつきまして?」   あれ……俺何やって……。 「帰ってきたと思ったら急に倒れてしまったんですわ。おそらく風邪ですわね。熱はありますがインフルエンザではないと思います」 「あー……部屋まで運んでくれたのか?」 「そんなに玄関が好きなら今から戻しましょうか?」 「いや、ありがとう」   そうだ、たしか鶏冠石の顔を見て緊張と一緒に意識も切れたんだ。 「悪いな。重かったろ?」 「えぇ、思ったよりもしっかりしていました」   なんでそこで微笑むんだ? #ref(13903.gif) 「うー……まさか風邪ひくとは……」 「季節の変わり目でしてよ? 体調を崩しやすい時期ですわ」 「でも今までそんなに風邪とかひかなかったんだけどなぁ……」 「過去は過去です。とりあえず今日はゆっくり休んでください」   時計を見る。9時……3時間くらい寝てたのか。 「ずっと看病しててくれたのか……?」 「い、いけませんかっ!?」 「いや、感謝はすれどいけないなんてことは絶対ない」 「当然ですわ」   看病されるっていいな……実はもう体調はバッチリだが、これならもうちょっと病気もアリだ。それに今日の鶏冠石はやけに優しいしな。今ならちょっと無茶なことでも……。 「鶏冠石……」 「? なんですの?」 「俺はもうヤバいかもしれない……寒いんだ……」 「ちょ、どうしましたの?」 「体が震えるんだ……自分の体じゃないみたいで……怖い」 「大丈夫ですわ。ただの風邪です。体の調子が悪いと心も不安になります。ちゃんと私がついていますから」 「なら……キスしてくれないか?」 「は?」 「鶏冠石……頼む……」 「え、そんな……え?」   鶏冠石の腕を引っ張る。うろたえてる鶏冠石が鬼のように可愛い。だがここでニヤけてはおしまいだ。あくまで真剣な顔で責める。 「ちょ! 待っ、ん――」   唇が重なる―― 「ん……ふ――」   鶏冠石の頭はこの事態についてきていないのかもしれない。いつもだと考えられないくらいか弱い。そのギャップで俺の理性はどこかへ飛んでしまったんだろうか。俺は鶏冠石をベッドの上まで引っ張った。 「あ……や、やめなさいっ!! 体調が優れないんじゃありませんの!?」 「いや、ごめんもう我慢ムリ」 「あ、コラ……ちょっと! んむーー!」 「んー」   たまにはこんなのもアリだ。   事後。 「サイテーですわ!」 「ゴメン……」 「知りませんっ!! あんな……」 「ん? あんな、なに?」 「もうっ!」 「俺は鶏冠石が好きだからしたんだけど……鶏冠石は嫌だったか……ごめん」 「そ、そんなこと言ってません! ただその過程というか方法というか……ゴニョゴニョ」   可愛い。可愛すぎるぞ鶏冠石。 「聞いてますの!? って、ん――」   うるさい口は塞いじゃいましょう。もう正直あとのことなんて考えていない。今日くらい俺の勝手にさせてくれたってバチは当たらない。   それに別に悪いことをしてるわけじゃないんだ。これからもたまにこんな日があって鶏冠石の小言を聞いて――きっとそんな毎日が続いていくんだ。いや、絶対に続けるんだ。   終わらせたくない日常を噛みしめるように、そしてまだ見ぬ明日に負けないように――。

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