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 赤道斎と大妖弧により破壊された街の修復に今日も啓太は駆り出されていました。

暗い破壊の後のひどい公園に少年の罵声が聞こえる。
「だ~!そこ!!違うだろ!」
罵声を飛ばしているのは犬神使いの川平啓太である。
「む…そうか?ここはこのようなモニュメントの方が見栄えが良かろう」
とぼけたように赤道斎は言った。
それに、さらに怒る啓太。
「公園の噴水に裸の男の像がある方がおかしいわ!!」
自分の考えが啓太に伝わってないと思い、
「おかしいな…古来より男の像が中心なのが普通ではないのか?」
軽く三百歳を超えているので古い知識も混ざっていたのである。
「どん位前の話だ!!ここは日本の平成で、ソドムがあった時代じゃな~~い!!」
受験生である啓太は世界史の勉強もしていたのであった。
赤道斎はふと別の方を見て言った。
「私一人に構っていていいのか?ほれ、あそこを見てみろ」
赤道斎が指差す方向には大妖弧がいた。
啓太は電灯を直すように言っといたはずである。
(まさか…)
不安に駆られる啓太は急いで近づいた。
「おい!大妖弧なにやってんだよ!!」
啓太は信じられない光景を目にした。
電灯の形が全部、ようこの姿であったのである。
大きさにして4倍にしたくらいであった。
「お、啓太か。見てみろ!これが俺様の力作だぞ!!」
大妖弧は子供の様にはしゃいでいる。
その様子にキレた啓太は。
「なんで電灯がようこの形してるんだよ!昔から電灯はあそこにあるような形だ!」
二人の行動があまりにも常識はずれの為。
「お前ら、二人ともこっちこい!!」
啓太は二人を徹底的に常識を教え込もうと思っていたのであるが、そこへ。
「三人とも~。お夜食お持ちいたしましたよ~」
今は行方不明になっている薫の犬神であるフラノであった。
時々、暇だからとこうして3人+仮名の夜食を持ってきているのです。
「今日はですね~。梅と鮭と昆布のおにぎりですよ~」
マイペースに話されてしまい、怒ることが出来ない啓太。
啓太の集合合図で集まった二人は、嬉々としておにぎりにむしゃぶりつく。
「梅はどれですかな?お茶は玉露は無いかね?」
自分勝手な注文をする赤道斎に、
「あ~腹減った。鮭多いのはどれだ?これか?」
やっぱりこっちも自分勝手な大妖弧である。
「啓太様もお一ついかがですか?この昆布中々美味しくできましたよ~」
マイペースに夜食を薦めるフラノ。
「それじゃ、休憩するぞ~。時間は気分しだいで」
二人の相手を一人でするのは流石に疲れたようで、啓太はふらふらになっていた。

啓太は流石に疲れていた。
普段は仮名と二人であの問題児に立ち向かっているのに、今日は仕事で居ない。
「でさ~、ホントにあの二人にはどうにかならないのかな~」
普段の二倍以上の労力とか気苦労で身も心もボロボロになっているのである。
「私は、お二人は真面目にやっていると思いますけどね~。お茶いかかです?」
そう言いつつ、啓太にお茶のおかわりを入れるフラノ。
「サンキュー。ようこやともはねはどうした?」
啓太は夜家に居ないことがあるのでちょっと心配していた。
「お二人はぐっすりと寝ていますよ~。ともはねには昔話を語ってあげましたし~」
のんびりと言うフラノに啓太は聞いた。
「昔話ってどんな?水戸黄門とか?」
時代劇の好きな啓太は尋ねてみた。
「そんなに重くない話ですよ~。啓太様のイジワルですね」
困ったような顔をしてるフラノを見て、啓太は
「ま、冗談はさておき、どんな話?」
茶化すのをやめた啓太は聞いてみた。
「ちょっと長くなりますけど、聞きます?」
「そりゃ、もちろん!」
啓太はフラノがどんな話を聞かせてくれるのか興味があった。
「え~~と、今から百年くらい昔に一人の少女がいました。
 少女は小さい頃から山に住んでいて、少女は山に来たある人と一緒に街に下りて行きました。
 少女は周りが珍しいものだらけのために、あちこちを覗いてははしゃぎ回っていました。
 気が付くと山から一緒に来た人とはぐれてしまったのです!
 さあ大変!どうしようと周りを見ても、知らない場所で知ってる人は誰も居ない。
 困り果てていた少女を助けたのは、異国の服を着た少年であったのです!
 少年も人を探しているそうなので、一緒になって探しました。
 探すうちに、変な人を一緒に懲らしめて笑いあいました。
 いつの間にか、少女は少年に恋をしていたのです。
 楽しい時間はあっという間に過ぎ、山から出してくれた人も見つかりました。
 別れの時、少女は少年にまた会えないのですか?と聞きました。
  少年はまたいつか会えると言って、去っていきました。
 少女はまた会えることを楽しみにしていましたのです。終わりです」
啓太は疑問に思い、聞いてみた。
「その昔話って、なんか思い出話みたいじゃないか?」
フラノが答えようとしたその時。
強い霊力が、公園の中央に集まって来た。
霊力の渦の中心には大妖弧と赤道斎の姿があった。
「てめえに力貸すのは癪だが、お前はコントロールしろよ!」
多量の霊力を周りに集めながら言い。
「言われるまでも無い…。もう少し力を出さんか」
大妖弧の霊力をかき集め何かをしようとしている赤道斎。
「お前ら一体何してるんだ!」
大妖弧と赤道斎が組むとは思ってもいなかった啓太は驚いてしまった。
「ふむ。簡単なことだ。昔に戻って、私達のすることの方が正しいと認めさせに行くのさ」
スケールのでかいことを言う赤道斎に続いて大妖弧も
「おうよ!こいつの手を借りるのは嫌だけど、俺一人では流石に出来ないしな」
と言った。
「我が後継者よ。次に会うときは理想郷でな」
「啓太楽しみにしてろよ!」
好き勝手言う二人に啓太は
「いい加減にしやがれ~!」
二人に突進していた。
啓太が中心に着くか着かない所で、光が広がった。
「啓太様!!!」
(フラノの叫び声が聞こえる。でも,すごく遠くに感じるな…)
そう思いつつ、意識を失った。
「っ……。ここはどこだよ…?」
啓太は目覚めると、
「あれ?たしかさっきまで夜だったよな…。」
周りは日が照っていて公園は無く、周りは畑があり遠くの方に街が見えた。
「ちょっと待てよ…。本当にあいつらが言うように昔にいるのか?」
いくら赤道斎と大妖弧が組んでもそんなこと出来ないと思っていた。
「とりあえず、ここどこだろうな~」
ぽりぽりと頭を掻いて状況を整理しようと考えていると足元に新聞があった。
「ん?何々……。大正××年……?」
(今は平成だろ…。その前が昭和で……)
「どんだけ昔だよ!!て、赤道斎!大妖弧!てめえらどこにいる!!」
啓太は二人がいないことに、やっとこさ気が付いた。
「あいつら~~…。会い次第ボコボコにしてやるからな~」
騒動に巻き込まれてるのは慣れっこの啓太はやるべきことを定めたのであった。
(赤道斎の野望だけは断固として阻止しないとな)
啓太は変態の理想郷を阻止することを固く心に決めたのであった。
(そういえばフラノはどこだろう?)
辺りにはフラノの姿は見えない。
「あいつはまだ、ともはねよりは大人だし大丈夫か」
気楽に考えて、
「ここが過去の吉日市なら、街を探せばいるよな~。こんな時ようこでもいればな~…」
一人だけなのはちょっぴり寂しい啓太でした。

その頃、問題の二人は山の頂上にいたのであった。
不機嫌そうな表情で赤道斎は呟いた。
「おおよそ、百年前に戻ったようだな」
赤道斎は啓太の乱入により余分に霊力を使われてしまったために
本来ならさらに昔に行くことが出来なかった。
もう片方の問題児、大妖弧は
「俺は…さすがに疲れたぜ……しばらく休んでるからな…」
膨大な霊力の消費のために疲れていたのであった。
「それでは私はこの街の見学に行くぞ」
そう言って、赤道斎は街に下りていったのであった。
「あ~~眠み。一眠りしたら遊びに行くか」
赤道斎の気配が無くなったのを確認してから、大妖弧は眠りに就いた。
啓太は過去の吉日市の繁華街に到着した。
「ほぉ~~。やっぱ、この頃はみんな着物着てたんだな~」
川平の祖母も写真には着物姿しか無かったので別段驚きは無かった。
「山にいるようこたちは若いのかな~」
ふと思いついた。
(この時にようこや薫の犬神たちを調教して未来の俺がハーレムを満喫することも…)
「むふふ……」
邪な考えで頭がいっぱいになっていた。
「きゃ!」
突然、身体に衝撃が走った。
ちゃんと前を見ていない啓太は少女にぶつかってしまった。
「大丈夫……。て、フラノ!!」
ぶつかったのはフラノであった。
「おまえどこ行ってたんだ?心配したぞ」
啓太はそうフラノに言ったが、様子がおかしい。
フラノは恐る恐る尋ねた。
「あの…どちら様でしょうか?」
啓太はフリーズした。
(どちら様?フラノってこんな冗談言うやつだっけ?)
もう一度試しに聞いてみた。
「君はフラノ…だよね?憶えてない?啓太だよ」
だけども、フラノはまったく知らないようで顔を横に振った。
(まさか……記憶喪失か?いや、待てよ…。もしかして過去のフラノ?)
そうなら辻褄が合う。
と考えているとフラノが話しかけてきた。
「啓太さん?大丈夫ですか?」
「え!あ、大丈夫大丈夫!ちょっと考え事してたんだ…」
慌てて取り繕う啓太は場凌ぎに聞いてみた。
「君何してるの?」
フラノの顔が暗くなった。
「主人とはぐれてしまって困っているんです…。それに街は初めてなんです」
啓太はさらに尋ねた。
「名前はなんて言うの?俺はさっきも言ったけど、啓太っていうんだけど」
「私にはまだ、名前が無いんです…」
啓太は驚いた。
「えっ!!名前が無いってどういうこと?」
フラノは慌てて訂正した。
「あ!いえ。ただ、山で呼ばれていた名前が嫌だったんです。それで…」
フラノはまた俯いてしまった。
(ん~。これは困ったな…。フラノは山でもこの名前だったのかな…。物は試し、やってみるか)
「それじゃ、君こと『フラノ』って呼んでいいかな?俺の知り合いにすごい似ているし」
フラノは突然の提案にびっくりした。
(む…ハズしたかな?)
啓太は内心冷や冷やしている。
「フラノ……フラノ…」
フラノは何度も呟いていた。
「啓太さんは私のこと『フラノ』と呼んでくださいね」
そう笑顔で言ったのであった。
その笑顔を見て啓太は、
(やっぱりフラノは笑顔が一番だな)
「そういえば、啓太さんはどこから来たんですか?着物にも見えませんし…」
フラノはそう尋ねた。
「そうだな~。フラノが知らないところだね」
啓太はあまり言うとボロが出そうでお茶を濁すことにした。
「啓太さんはこの街に、何しに来たんですか?」
確信を突いて来たフラノである。
(ここは素直に手伝ってもらうか…)
啓太は危ない部分は省略して危険な人物を探していると伝えた。
「フラノも手伝います!そんな危ない人は放っては置けません!」
協力者の存在で少し気分が楽になった啓太であった。
その頃赤道斎はというと…
「ふむ。やはり全員服装がなってないな…。ここは教育的指導が必要だろうな…」
二階建ての家から人々を見ている赤道斎は、おもむろに手に霊力を集め始め。
「我が理想郷の住人になるがいい!」
辺り一面にピンクの霧が生まれた。
人々が包まれると大騒ぎとなった。
突然男達はは全身素っ裸になり、女性までもがその餌食となったのであった。
周りは悲鳴、怒号、泣き声、その場を逃げ出す者と入り混じり混乱の極みであった。
「さあ!全員でこのすばらしさを味わおうではないか!!」
赤道斎の服の股間からは醜い物体がいつの間にか出ていたのであった。
「くっくっくっく……ハァッハァッハァッハァ!!!」

少し時間は戻り、啓太とフラノはというと
「啓太さん!啓太さん!この星の髪飾り可愛くないですか?」
二人はあの後、フラノと一緒に赤道斎と大妖弧を探しつつ、街を探検していた。
「なかなかいいんじゃないか?」
フラノは街の中は物珍しい物でいっぱいで、啓太を引っ張り回していた。
「ちょっと休まないか…。さすがに……。疲れるって…」
フラノのはしゃぎっぷりにだいぶお疲れの啓太。
「そうですか?それじゃ、あそこのお店に行きませんか!」
フラノが指差す方には洋風の高そうなカフェがあった。
「フラノ…お金持ってるか?」
先にそう釘付けするとフラノは
「啓太さんは持ってないんですか?私は持ってないんです…」
そう言うと、気まずい雰囲気になってしまった。
(困ったな~。さすがに金が無いのは不自然だよな……ん?アレなんだ?)
「なあ、フラノ。アレなんだ?」
啓太は嫌な予感がしてフラノに聞いてみた。
「なんでしょう?ピンク色の霧ですよね?」
フラノも困惑していた。
ちょうど、そっちの方から男の三人組が走ってきた。
啓太がその人達に話しかけようとして、話しかけれなかった。
そう、三人とも全裸であった。
(はぁ!?なんで全裸!!まさか!!!)
フラノは涙目でその醜悪な姿の三人組を見送った。
「啓太さん!なんであの人達は裸なんですか!?そういうのが流行ってるんですか!?」
混乱しているフラノ。
啓太は
「俺の探してるやつが行動を起こしたらしいな!フラノ手伝ってくれ!!」
フラノに協力を求めた。
「いいですけど、あんまり恥ずかしいのはちょっと…」
先程の裸を見て顔を真っ赤にしているフラノ。
「たぶん、騒ぎの中心にあいつはいるはずだからとっと倒して、フラノの主人見つけるぞ!!」
フラノの目的をちゃんと憶えていた啓太であった。
「あ~。そういえばそうでしたね。うっかり忘れちゃってました~」
マイペースなとこを取り戻したフラノは啓太と一緒に現場に向かったのであった。

騒ぎの原因である赤道斎は優越に浸っていた。
「人間の理想郷とは裸であることが真理であるな」
悟ったようなことを口にしていると、
「変態の真理なんかは全く当てにできないな!」
啓太は赤道斎のいる民家の前に辿り着いたのであった。
赤道斎は啓太が現れるのを不思議がらずにいた。
「やはり、来ていたか。我が後継者よ」
啓太は胸糞気分が悪くなるのであった。
「変態の後継者なわけないだろうが!ここでボコボコにしてさっさと帰らせてもらうぞ!!」
啓太は赤道斎に言い切った。
「ほう…。犬神のいない犬神使いなどご飯の無いカレー同然!我が後継者らしく裸になるがいい!」
赤道斎は啓太に向けて、ピンク色のビームを撃ってきた。
「うわっと!あぶな……っ!股狙うな!!」
必死になって避ける啓太。
「愚問だな。我が後継者らしく股間を曝け出すがいい!!」
さらに早くなるビームを避けつつ、啓太は思った。
(ちくしょ~!フラノはまだかよ!早くしてくれ~!!)
更なるビームの雨に必死に避ける啓太はフラノを待っていた。

一方、姿の見えなかったフラノはというと…。
「よいしょっと…」
物陰に隠れながら赤道斎のいる家の裏側に到着した。
表の方から赤道斎の声が聞こえてきた。
「ほれほれ!くっくっくっ…。残すはその布切れ一枚だぞ。さっさと降参するんだな!」
赤道斎の楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
(もうちょっと待ったら啓太さんの裸……)
フラノは真っ赤になり、頭を振って邪念を打ち消した。
(いけない、いけない。待っていてください!啓太さん!)
祈るような思いで一気に屋根の端に飛び乗った。
赤道斎はまだ気付いていなかった。
(いける!これで!!)
フラノは渾身の力を込めて放った。
「破邪走光・発露!!!」
フラノの放った一撃に気付いた赤道斎だが遅かった。
「なに!!?」
赤道斎は突然の攻撃で見事に宙を舞い落下してきた。
それを見て、パンツ一丁の啓太は股間に隠してあった霊符を赤道斎に投げつける。
「さっきのお返しだ!!白山名君の名において告ぐ。蛙よ、破砕せよ!!」
股間に手を入れて、追い討ちとばかりにさらに蛙の霊符を投げつける。
「白山名君の名において告ぐ。蛙よ、爆砕せよ、粉砕せよ!!」
休む間もない怒涛の一撃が赤道斎に向かって放たれた。
それで勝負は決まっていた。
突如の攻撃の嵐により赤道斎は防ぐ間もなく黒コゲになっていた。
「ぐふ……。ばかな……。ようこのいないお前に負けるとは…」
そう言って、赤道斎は気絶した。
「けっ!変態に負ける俺ではないわ!っと、フラノ!サンキューな!!」
啓太はフラノに言った。
フラノは屋根から飛び降りて啓太の側に降りて気付いた。
「啓太さん…。あの…パンツを履いてください…」
顔を赤くしながら言った。
霊符を取り出すときに破れたのだろか、裸になってしまっていた
「あっ…と、ごめん!着替えてくるわ!!」
と近くの服屋に飛び込んだ。
むろん、この騒ぎで店主は当の昔にいないのであった。
(啓太さんのあそこって、大きいんですね…。)
そんなことを考えていると、ひょろりとした背の高い男が来た。

「派手にやったな~。うわ…赤道斎やられてやんの~」
大妖弧は昼寝が終わったので、お祭り好きの彼は騒ぎの中心であった場所に来たのであった。
フラノは底知れぬ力があると瞬時にわかり警戒した。
「あなたは誰ですか?啓太さんの知り合いですか?」
「んん?そうだな。啓太のやついないけど、どこにいるんだ?」
大妖弧がキョロキョロと見回すと、服屋から啓太が出てきた。
「よう、啓太!古い格好してんな。どうした?何があった?」
「お前いつの間に居たんだよ!」
大妖弧が戻ってきたらいるのにびっくりする啓太。
「なあ、啓太。電灯ってないのか?せっかくようこの形のにしようと思ったけど、見当たらないんだが…」
目的を忘れていない大妖弧に頭が痛くなる啓太は、
「そんなことしたら、帰りしだいようこにボコボコにされるからやめとけよ…」
「あの…一体なんの話しているのですか?」
置いてきぼりのフラノを見て啓太は思い出した。
フラノが迷子であることを。
啓太は名案を浮かべた。
「そうだ!お前の『しゅくち』でフラノの主人をここに飛ばしてくれ!!」
「そんなこと出来るのですか?」
フラノは半信半疑であった。
「ま!そこは任せておけって!」
フラノのために啓太は大妖弧に頼んだ。
「こいつのか?出来ると思うがちょっと、待ってくれ」
大妖弧はさっそく霊力を溜め始めた。
「よかったなフラノ!これで主人が見つかるぞ」
嬉しそうに言う啓太をよそにフラノの顔が曇っていた。
(啓太さんは探していた人も見つけたし、私の主人も探してくれた…)
(嬉しいはずなのに……なんで嬉しくないの?)
その様子を見て、啓太は心配した。
「ちょっ、どうしたのフラノ?」
考えごとをしていたフラノは驚いた。
「え!あ…いえ…。なんでもないです…」
もうすぐお別れだと思うと、どうしても暗くなるフラノ。
(別れたくない…。もう、二度と会えない気がする)
そんなこと思っていると、
「だい、しゅくち!!」
大妖弧が吼えた。
現れたのは、まだ若い男の子であった。
「ッ!ここは?お、いたいた!」
男の子はフラノに駆け寄った。
「街は迷いやすいから気をつけろと言っただろう。この人達は?」
男の子は啓太たちに気が付いた。
「こちらの人は、私が迷子中に助けていただいた方です」
啓太のことをそう紹介した。
「ええ~と、私は……て、なんだ!」
啓太が話している途中で、突如身体が光に包まれ始めた。
「むう…どうやら、時間切れのようだな…」
いつの間にやら、赤道斎が復活していた。
「どういうことなんだよ!」
大妖弧は満足に遊んでいないので怒りながら聞いた。
「無理にこちらに来たからな。元の時間軸に引っ張られているからだろう。ここに来ることはもう無理だろうな」
簡潔に赤道斎は説明した。
それを聞き、フラノは
「啓太さん!もう会えないんですか!?」
「たぶん、会えないんだろうけどね…」
啓太は残念そうに言った。
(若いフラノには二度と会えないのか~)
楽観的な啓太に対して、フラノは真剣でした。
「たぶんなら、啓太さん……。また…いつか会えますよね?」
「……わかった。また、いつか会おうな!」
フラノは嬉しそうに約束した。
一段と光が強くなってきた。
「それじゃ、また会おうな!」
啓太の姿が消えそうになる時にフラノは言った。
「次に会った時、言いたいこと…あ……す…」
フラノの声が遠くに聞こえていった。

若い男の子は突然消えた三人のことを不思議がっていた。
「一体なんだったんだろうな~?」
フラノは涙を流していた。
(今度会った時、言いたい事言わせてくださいね…)
男の子は自分が泣かしたみたいで、バツが悪いようである。
「そういや、まだ名前聞いてなかったな。なんて言うんだ?」
男の子は訪ねた。
(私の名前……)
涙を拭い元気よく言った
「そうですね~。私の名前は…………」
啓太は夢心地になっていた。
(なんだろうな~。今日のことまるで前から知ってるような感じだな~)
(そっか……。フラノが語ってくれた昔話とスッゲ~似てるからか…)
「啓太さん!啓太さん!!」
(フラノの呼ぶ声が聞こえるな~…)
「ん~…ここどこ?」
目を開けるとすぐ側にはフラノがいた。
「やっと起きましたか~。心配したんですよ。突然いなくなったり、現れたりして…」
啓太は回りを確認した。
昔の風景は影も形も無かった。
「戻って来れたか…。って、あいつらは?」
啓太はフラノに尋ねたら、指を差した。
その方向に二人とも倒れていた。
「でも、啓太さんずいぶんと古い格好してますね~。どうしたんですか?」
フラノにとってはつい先程との格好の違いが不思議でならなかった
「ん~と、ま~、向こうで色々あってね…」
啓太はそう言うとフラノにたずねた。
「なあ、フラノ昔話のことなんだけど、最後に少女は幸せになったのか?」
フラノは驚いた。
そして、
「どうだと思います~?私はまだ、幸せになっていないと思いますよ~」
啓太は思った。
(ごめんよ。ようこ……裏切ることになるけど)
啓太はようこを捨てて、フラノを取る事にした。
「じゃあ、その子はどうしたら幸せになれる?」
啓太はイジワルっぽく言った。
「そうですね~。少女のすることを~、受けてくれればいいですよ」
フラノはすばやく頭に手を回して啓太の唇を奪った。


まだ、二人の百年越しの恋はまだ、始まったばかりなのです。

    続く??

[06/10/31-763-2-691~700]