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「秘密の遊戯」(2006/11/22 (水) 03:28:12) の最新版変更点
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<dl>
<dd>「ねえ、ケイタ」<br>
「!」<br>
ようこの突然の呼びかけに、隣で小説を読んでいた啓太はびくっと肩を震わせた。<br>
いつものように、駅や公園のくずかごからしゅくちで失敬してきた、雑誌の類を読みふけっていた彼女である。<br>
その後の言葉は決まっている。<br>
「ね、これ」<br>
「駄目! 今金欠なんだよ!」<br>
ようこが続きを言うか言わないかの間に、啓太は掘っ立て小屋が軽く揺れるくらいの声で否定をした。<br>
今度はようこの方が肩を震わせる。<br>
「なによ~、まだ何もいったないじゃないの」<br>
「お前が雑誌を読んで発する言葉はいつも決まってるだろ? これ食べたいとか、ここ連れてってとか、<br>
日々金欠に悩んでるうちには縁の無い事なの!」<br>
<br>
啓太が一通り主張を発すると、ようこがぷくっと頬を膨らませた。<br>
図星だった。今、思わず伏せた雑誌のページは、新しく出来たお洒落な喫茶店のページを開いている。<br>
しかし、一度発した以上は引き下がれない。ここで納得するような性格では無いのである。<br>
違うもん、と言って適当にページをめくり、そのページを啓太の目の前に突き出した。<br>
「わ、わたしが見せたかったのは、これ!」<br>
<br>
「…は?」<br>
啓太が見たページは、いわゆる「女の子が一人寂しい夜を過ごす時のHowto」のページであった。思考がかたまり、頭の中が白くなる。<br>
「…これを、どうしろと?」<br>
「あ、え? えーと…っ!」<br>
普段彼女は情報量の多い、読み物系のページは読まない。当然、こんなページを開いた事すら無かった。<br>
当然、自分が開いたページの意味する事は分からず、一瞬あたふたした後、<br>
それが何やら身体を使ってやる体操みたいなものだと解釈した。<br>
</dd>
<dd>「これ、やるから見てて!」<br>
「ブーッ!」<br>
思わず啓太が噴出した。更に頭の中が混乱する。<br>
何故? いきなり? そう思ったが、ようこの勢いは止まらない。<br>
「え、えーと、まずこう、足を開いて」<br>
「ちょ、ちょっと…」<br>
「想い人を頭に描きつつ…って、必要ないかこれは」<br>
ようこは後先考えず、書いてある情報をそのまま実行していく。<br>
本当に特に何も考えていないので、その作業はどこか機械的だった。<br>
<br>
「らくなたいせいをとって、大きく深呼吸して、指を」<br>
ようこが次のページをめくろうとした時、啓太の手が反射的に動いた。<br>
このままではやばい! とてつもなくやばい! 動物的勘がそう言っている。<br>
見てみたい。でも、最後まで見てしまったら、自分はきっと…。<br>
「よ、ようこ!」<br>
「?」<br>
「分かった! お前の好きな所に一つ連れてってやる。だからその先は今ここで実行するな。<br>
俺が居ない時に、ドクトルも居ないのを見計らってやるなら良いが、それだけはやめてくれ!」<br>
<br>
ようこは、ん~と首をかしげた。一瞬『好きな所』という言葉に反応したが、<br>
啓太がここまで言うには何か裏があるに違いない。そっちの方が彼女にとってみれば気がかりだ。<br>
そう思っている間に、啓太は焚き火の中にその先数ページをビリビリっと破って捨ててしまった。<br>
ようこがあーっと声を発し、啓太は必死に別のページを差し出す。<br>
文句を言おうとしたが、そのページのチョコレートケーキが美味しそうだったので、<br>
思わずその場は受け入れてしまった。<br>
<br>
<br>
その夜…。<br>
「やっぱ、きになる…」<br>
寝付けない。昼間見たそのページの続きが余りに気になって。<br>
マネキンが自分の胸とか、お腹とかを触っていた絵の意味も気がかりだ。<br>
じぃっと横で寝息を立てている啓太を見つめていたようこが、ぱちんと指を鳴らした。<br>
</dd>
<dd>「ケイタでじっけんしてみよう」<br>
ようこはいそいそと啓太のとなりに座り、そっと上体を起こさせた。<br>
まだ彼はすやすやと寝息を立てている。適当な毛布でその体勢をキープさせ、<br>
手をとり、うろ覚えの記憶の通りに、啓太の腕をそわそわと動かす。<br>
何だかめんどくさいし、この体操に何の意味があるんだろう。<br>
<br>
しかし、その腕の動きを見ていたようこに、あるイメージが思い浮かんだ。<br>
<br>
…これは『くすぐりっこ』だ!<br>
<br>
その昔、幼き日の啓太が自分と遊んでくれた時に、一度だけしてくれた事があった。<br>
それはすごくくすぐったくて気持ち良くて、犬神として啓太に仕えてからも要求した事があったのだが、<br>
残念ながら未だ実現したことのないスキンシップであった。<br>
今なら、行ける!<br>
そう確信した彼女の行動は早かった。<br>
ようこは目をギラッと輝かせると、両指を啓太の至るところに忍び込ませた。<br>
<br>
「ぅぶひゃぁっ!?」<br>
彼女の指が活動を始めると、啓太は目を覚ました。<br>
その瞬間、全身を這い回る世にもくすぐったい感触。こんな悪戯をするのは…<br>
「ふ、ひょうこ! ひゃ、へ、やめ、」<br>
「わ、これおもしろ~い♪ 何で今まで気付かなかったんだろ」<br>
抵抗しようとしても、ふわふわと上に覆いかぶさってくる彼女には、暖簾に腕押し、<br>
何の効果も為さない。こうなったら、こうなったら…<br>
くすぐり返すしかない。どういう訳か、そこに思考が辿りついた。<br>
がばっと力を振り絞って、ニヤニヤしている彼女に手を伸ばすと、同様に、思いっきり指を使い始めた。<br>
「きゃっ♪ ケイタぁっははははは」<br>
嬉しそうに、ようこはくすぐり返すスピードを増す。啓太も負けじと、くすぐり返す。<br>
何時の間にか、二人の身体はくんずほぐれつ、上になったり下になったり。<br>
お互い負けず嫌いの二人は、こうなると片方がギブするまで、夢中になった。<br>
ついでに、啓太は何時の間にか全裸になった。<br>
ついでに、彼の大事な部分が、反射的に増長した。<br>
最後に、啓太がようこの上で馬乗りの形になった。ようこの方も、既に下着は取れかけ、<br>
非常に際どい状態になっている。<br></dd>
<dd>「へへ、負けちゃったぁ…」<br>
ようこは、気恥ずかしそうに露出しかけた胸を手で覆うと、月明かりのなかでにこりと微笑む。<br>
既に頬は蒸気し、瞳には涙を溜め、満足そうに笑い、こてっと急に眠りに落ちた。<br>
まだ半分夢心地で、訳も分からぬまま勝利してしまった啓太は、訳も分からずそのままようこの上に倒れ込んだ。<br>
気持ち良い…。<br>
思わず、再び眠りに入りながら、啓太の腰はそのままようこのお腹の上を…。<br>
<br>
翌朝。<br>
「な、な、な…」<br>
啓太が起きると、そこには信じられない光景があった。<br>
ようこが、ぽーっとしてこちらを見て座っている。<br>
彼女のお腹の上に、なめくじが這った様な後が残っていて、そこからは特有の薫りがする。<br>
そして、自分は全裸、彼女は半裸。<br>
髪の毛はどう考えても冒されたとしか見えないくらい乱れており、<br>
小屋の中もすっかりぐちゃぐちゃだ。<br>
そしてようこが、とどめとばかりに、一言発した。<br>
<br>
「せきにんとって、ね?」<br>
「どしぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!!」<br>
啓太は、再び眠りについた。<br>
昨日の週刊誌の燃えカスが、静かに舞っていた。<br>
<br>
終<br></dd>
</dl>
<hr size="2" width="100%">
<blockquote>
<dl>
<dt>[ ◆iEaEevCZCY |06/11/15](2/<a href=
"http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157607636/749-752"><u>749-752</u></a>)<br>
</dt>
</dl>
</blockquote>
「ねえ、ケイタ」<br>
「!」<br>
ようこの突然の呼びかけに、隣で小説を読んでいた啓太はびくっと肩を震わせた。<br>
いつものように、駅や公園のくずかごからしゅくちで失敬してきた、雑誌の類を読みふけっていた彼女である。<br>
その後の言葉は決まっている。<br>
「ね、これ」<br>
「駄目! 今金欠なんだよ!」<br>
ようこが続きを言うか言わないかの間に、啓太は掘っ立て小屋が軽く揺れるくらいの声で否定をした。<br>
今度はようこの方が肩を震わせる。<br>
「なによ~、まだ何もいったないじゃないの」<br>
「お前が雑誌を読んで発する言葉はいつも決まってるだろ? これ食べたいとか、ここ連れてってとか、<br>
日々金欠に悩んでるうちには縁の無い事なの!」<br>
<br>
啓太が一通り主張を発すると、ようこがぷくっと頬を膨らませた。<br>
図星だった。今、思わず伏せた雑誌のページは、新しく出来たお洒落な喫茶店のページを開いている。<br>
しかし、一度発した以上は引き下がれない。ここで納得するような性格では無いのである。<br>
違うもん、と言って適当にページをめくり、そのページを啓太の目の前に突き出した。<br>
「わ、わたしが見せたかったのは、これ!」<br>
<br>
「…は?」<br>
啓太が見たページは、いわゆる「女の子が一人寂しい夜を過ごす時のHowto」のページであった。思考がかたまり、頭の中が白くなる。<br>
「…これを、どうしろと?」<br>
「あ、え? えーと…っ!」<br>
普段彼女は情報量の多い、読み物系のページは読まない。当然、こんなページを開いた事すら無かった。<br>
当然、自分が開いたページの意味する事は分からず、一瞬あたふたした後、<br>
それが何やら身体を使ってやる体操みたいなものだと解釈した。<br>
「これ、やるから見てて!」<br>
「ブーッ!」<br>
思わず啓太が噴出した。更に頭の中が混乱する。<br>
何故? いきなり? そう思ったが、ようこの勢いは止まらない。<br>
「え、えーと、まずこう、足を開いて」<br>
「ちょ、ちょっと…」<br>
「想い人を頭に描きつつ…って、必要ないかこれは」<br>
ようこは後先考えず、書いてある情報をそのまま実行していく。<br>
本当に特に何も考えていないので、その作業はどこか機械的だった。<br>
<br>
「らくなたいせいをとって、大きく深呼吸して、指を」<br>
ようこが次のページをめくろうとした時、啓太の手が反射的に動いた。<br>
このままではやばい! とてつもなくやばい! 動物的勘がそう言っている。<br>
見てみたい。でも、最後まで見てしまったら、自分はきっと…。<br>
「よ、ようこ!」<br>
「?」<br>
「分かった! お前の好きな所に一つ連れてってやる。だからその先は今ここで実行するな。<br>
俺が居ない時に、ドクトルも居ないのを見計らってやるなら良いが、それだけはやめてくれ!」<br>
<br>
ようこは、ん~と首をかしげた。一瞬『好きな所』という言葉に反応したが、<br>
啓太がここまで言うには何か裏があるに違いない。そっちの方が彼女にとってみれば気がかりだ。<br>
そう思っている間に、啓太は焚き火の中にその先数ページをビリビリっと破って捨ててしまった。<br>
ようこがあーっと声を発し、啓太は必死に別のページを差し出す。<br>
文句を言おうとしたが、そのページのチョコレートケーキが美味しそうだったので、<br>
思わずその場は受け入れてしまった。<br>
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その夜…。<br>
「やっぱ、きになる…」<br>
寝付けない。昼間見たそのページの続きが余りに気になって。<br>
マネキンが自分の胸とか、お腹とかを触っていた絵の意味も気がかりだ。<br>
じぃっと横で寝息を立てている啓太を見つめていたようこが、ぱちんと指を鳴らした。<br>
「ケイタでじっけんしてみよう」<br>
ようこはいそいそと啓太のとなりに座り、そっと上体を起こさせた。<br>
まだ彼はすやすやと寝息を立てている。適当な毛布でその体勢をキープさせ、<br>
手をとり、うろ覚えの記憶の通りに、啓太の腕をそわそわと動かす。<br>
何だかめんどくさいし、この体操に何の意味があるんだろう。<br>
<br>
しかし、その腕の動きを見ていたようこに、あるイメージが思い浮かんだ。<br>
<br>
…これは『くすぐりっこ』だ!<br>
<br>
その昔、幼き日の啓太が自分と遊んでくれた時に、一度だけしてくれた事があった。<br>
それはすごくくすぐったくて気持ち良くて、犬神として啓太に仕えてからも要求した事があったのだが、<br>
残念ながら未だ実現したことのないスキンシップであった。<br>
今なら、行ける!<br>
そう確信した彼女の行動は早かった。<br>
ようこは目をギラッと輝かせると、両指を啓太の至るところに忍び込ませた。<br>
<br>
「ぅぶひゃぁっ!?」<br>
彼女の指が活動を始めると、啓太は目を覚ました。<br>
その瞬間、全身を這い回る世にもくすぐったい感触。こんな悪戯をするのは…<br>
「ふ、ひょうこ! ひゃ、へ、やめ、」<br>
「わ、これおもしろ~い♪ 何で今まで気付かなかったんだろ」<br>
抵抗しようとしても、ふわふわと上に覆いかぶさってくる彼女には、暖簾に腕押し、<br>
何の効果も為さない。こうなったら、こうなったら…<br>
くすぐり返すしかない。どういう訳か、そこに思考が辿りついた。<br>
がばっと力を振り絞って、ニヤニヤしている彼女に手を伸ばすと、同様に、思いっきり指を使い始めた。<br>
「きゃっ♪ ケイタぁっははははは」<br>
嬉しそうに、ようこはくすぐり返すスピードを増す。啓太も負けじと、くすぐり返す。<br>
何時の間にか、二人の身体はくんずほぐれつ、上になったり下になったり。<br>
お互い負けず嫌いの二人は、こうなると片方がギブするまで、夢中になった。<br>
ついでに、啓太は何時の間にか全裸になった。<br>
ついでに、彼の大事な部分が、反射的に増長した。<br>
最後に、啓太がようこの上で馬乗りの形になった。ようこの方も、既に下着は取れかけ、<br>
非常に際どい状態になっている。<br>
「へへ、負けちゃったぁ…」<br>
ようこは、気恥ずかしそうに露出しかけた胸を手で覆うと、月明かりのなかでにこりと微笑む。<br>
既に頬は蒸気し、瞳には涙を溜め、満足そうに笑い、こてっと急に眠りに落ちた。<br>
まだ半分夢心地で、訳も分からぬまま勝利してしまった啓太は、訳も分からずそのままようこの上に倒れ込んだ。<br>
気持ち良い…。<br>
思わず、再び眠りに入りながら、啓太の腰はそのままようこのお腹の上を…。<br>
<br>
翌朝。<br>
「な、な、な…」<br>
啓太が起きると、そこには信じられない光景があった。<br>
ようこが、ぽーっとしてこちらを見て座っている。<br>
彼女のお腹の上に、なめくじが這った様な後が残っていて、そこからは特有の薫りがする。<br>
そして、自分は全裸、彼女は半裸。<br>
髪の毛はどう考えても冒されたとしか見えないくらい乱れており、<br>
小屋の中もすっかりぐちゃぐちゃだ。<br>
そしてようこが、とどめとばかりに、一言発した。<br>
<br>
「せきにんとって、ね?」<br>
「どしぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!!」<br>
啓太は、再び眠りについた。<br>
昨日の週刊誌の燃えカスが、静かに舞っていた。<br>
<br>
終<br>
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<dt>[ ◆iEaEevCZCY |06/11/15](2/<a href=
"http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157607636/749-752"><u>749-752</u></a>)<br>
</dt>
</dl>